ロボット群の集団移動手法

2022.10.20 By 東京電機大学

電気・電子工学

技術概要

分子間力と熱力学モデルによる仮想的な引斥力に基づきロボット間距離を調整し,ロボットの集団を一体として移動させる手法を提案。また、本手法は、障害物を仮想熱源とし, 熱伝搬による固相から液相への相転移を模すことで,環境に合わせて集団形状が柔軟に変化し移動する。

用途・応用

・施設監視、災害地域等の探索・調査
・物品の搬送
・水中、空中、宇宙空間等の移動

背景

 ロボットが多数集まり群として動作する群ロボットシステムは、群れとしての特性と個としての特性を活用して、物品の搬送や、建設現場の監視など、多くの用途が期待されている。群ロボットシステムの実現には作動させる環境における経路道程、障害物の存在、経路の広狭などを十分に考慮した制御システムを備える必要がある。

 たとえば、学習に使用するマルコフ状態空間を、一台分のロボットの状態変数のみで構成する手法群ロボットを構成するロボット相互の関係性を規制する手法、分子動力学法と流体力学的な特性をロボット動作に組み込む手法を用いて群ロボットの動作を制御する手法などが提案されている。

課題

 しかしながら、特許文献1、2および非特許文献1にて記載された技術は、それぞれ隊列・センシングに特徴を有する制御手法であり、集中制御部が故障すると、全体システムの制御が困難になるおそれがある。一方、非特許文献2にて記載された技術は、低い計算負荷での制御を可能にしており、好適な制御手法となるが、ロボット間の結合が高い状態での集団制御を行うことは難しいという問題がある。

 本発明は、前記背景をこれらの実情に鑑みてなされたものであり、環境に応じた自律分散制御と集中制御との組み合わせを実現させた群ロボットおよび群ロボットの集団移動制御方法を提供することをその目的とする。

手段・効果

 本発明の一態様は、動力を有して自走移動する少なくとも2以上のロボットからなる群ロボットである。該ロボットには、該ロボット同士および該ロボットの移動可能な領域に存在する物体との、相互の位置情報を取得する計測部と、該情報を前記ロボット同士間で交換する通信部と、前記情報に基づいて前記ロボットを移動させる制御部と、が備えられている。該制御部が、前記物体に仮想物体温度と、前記ロボットに前記仮想物体温度よりも低い仮想初期ロボット温度と、を予め設定し、前記仮想物体温度と前記仮想初期ロボット温度、および、前記ロボットと前記物体との距離から、仮想的な熱移動によって変化した仮想ロボット温度を算出し、熱力学の数理モデルを用いて、前記ロボット同士間の距離から前記ロボット同士間の距離を一定に保持する仮想的な引斥力と、仮想ロボット温度から前記物体と前記ロボット間に働く仮想的な斥力と、を算出し、前記引斥力と前記斥力との総和によって、前記ロボットの移動方向と速度とを制御することにより、前述した課題を解決するものである。

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特許情報

PCT/JP2017/20171

JPB 006649480-000000