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こんにちは。理科講師・サイエンスライターの山﨑実香です。
今回は「チョコレートと生卵を混ぜて、レンジで温める」だけでできる科学実験をご紹介します。
簡単ですが、「タンパク質の熱変性」という科学の原理を学びながら、小学生の自由研究、中学生以上の探究学習、STEAM教育、バレンタイン、さらには理科・社会・美術など教科を横断する学びも可能!
CONTENTS

用意するものは
・チョコレート約50g
・生卵1個
・容量約200mlのタッパー、もしくはシリコン容器
・電子レンジ
・箸などかき混ぜるもの
のみ!
今回はこの実験内容で、神奈川県横浜市にあるSEISAアカデミーで授業をしました。
ここは、興味のあるもの&とことんやりたいことを突き詰める学び舎。探究を中心に学ぶカリキュラムを実施し、2E・ギフテッド特性を持つ子も通っています。過去には、文部科学省「特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業」にも指定された実績も。
また、同校を運営する星槎グループは、フリースクール、保育園、幼稚園、中学校、高等学校、大学、大学院、研究所などを展開する、不登校や引きこもり・発達障がい分野の支援を得意とする複数の学校法人や社会福祉法人、一般社団法人などからなるグループです。学びの多様化学校を5校(2026年1月時点)運営しています。
今回2026年2月に実施した60分間授業には、学年横断型のため小学生3名、中学生6名、高校生1名の生徒合計10名と講師の私、補佐スタッフ数名が参加しました。
①生地をつくる

まずは、チョコレートを溶かします。溶けやすくするために、手で割ったりしてある程度細かくしましょう。
その細かくなったチョコレートを、500Wの電子レンジで約30秒間加熱します。
箸などでかき混ぜてドロドロになればOKですが、まだ硬い場合には20秒ずつ追加で加熱して様子を見ましょう。
ここで注意なのは、長時間加熱しすぎないこと!温度が高すぎると、油分が分離してボソボソのチョコレートになってしまうためです。

次に、溶けたチョコレートと生卵をしっかり混ぜて、生地は完成です。
②加熱する

生地をタッパーなどに入れて、500Wの電子レンジで約1分間加熱しましょう。
取り出す時には、容器が熱くなっているので火傷に注意!
温めると、液体だった生地が膨らんで、スポンジ状のケーキになりました!
実際の授業では「何と何を混ぜると思う?」「何で温めると思う?」など、子ども達の予想を聞きながら探究型の進め方をしました。



また、自由な意見やアレンジも促したところ
「白身が固まった白い部分があると、かっこ悪いかも?でも美味しい。」
「わざと卵を減らしたら、チョコレートが濃くて美味しくなったよ!?」
など発見をしていました。
この子ども達の意見は、実は大正解!科学実験の手順書ではなく料理のレシピ本では、仕上がりを滑らかにするために白身を除いたり、黄身の割合を増やしたりします。
自ら問いを立て試行錯誤していた皆の姿は、探究学習の醍醐味でしたね。

▲タンパク質の熱変性によりケーキができるイメージ
なぜ液体の生地が、スポンジ状のケーキになったのでしょう?
それは、卵に含まれるタンパク質の一種「アルブミン」が、熱によって構造を変えた後に固まったためです。このようなタンパク質の性質を「熱変性」といいます。

授業では、この原理をワークシートに記入しながら学習しました。

▲古来の接着剤「膠(にわか)」
現代社会の多様な課題を解決するためには、複数の視点を養う「教科等横断的な学習」が不可欠です。
この授業では、牛などの動物の皮のタンパク質が原料で、タンパク質が❝熱すると柔らかくなり、冷めると固まる❞という性質を利用した古来の接着剤「膠(にわか)」など、歴史や美術に関する内容も紹介しました。
このように、工夫次第で様々な分野に発展可能です!

チョコレートケーキをつくりながらタンパク質の熱変性を学ぶ理科実験は、小学生の「自由研究」、中学生以上の「理科教材」「教科等横断的な学習」「探究学習」「STEAM教育の実践事例」、バレンタインのお菓子作りとしても活用できます。
チョコレートと卵を混ぜた生地を温めるだけの簡単な実験ですので、ぜひアレンジを加えて学びを深めてくださいね!