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行列とは、数を長方形や正方形の形になるように並べたもの。
表の数部分だけを抜き出して縦横に並べ、括弧でくくったものが行列です。
数字の表ですが、足し算や引き算、かけ算などの計算ができますよ。
一時は、高校数学で扱われず、大学の基礎数学「線形代数」の時間で扱われていました。
理系の大学生以外にはあまり馴染みが無いものになっていましたが、2022年4月に試行された新学習指導要領で数学Cが復活。再び高校生に履修されることになりました。
行列は、点やベクトルなどの座標の変換に使ったり、連立方程式を解くときのツールとしても使われたりします。
物理や工学では、行列を活用するプログラムで連立方程式を解く場面も。
行列の知識は、進みたい進路によっては、必要不可欠な知識でもあるんですね。
他にも、実は身近なところで行列が使われているんですよ。
行列の活用例として身近なものは、ゲームのプログラミング。
3Dゲームのプログラミングでは、拡大・縮小や回転などの複雑な動きを表現するために行列が使われています。
行列は、点やベクトルなどの座標変換に使えるので、行列をかけることで複雑な動きを表現できるんですね。
3Dゲームを使ったプログラミングの経験がある人なら、座標を動かしたことがあるかと思います。
例:(24,56,3)の位置から、Y軸方向に-15移動させて(24,21,3)にする。
簡単な動きではありますが、(X座標,Y座標,Z座標)の方向を表すベクトルに行列をかけて座標を動かしているので、行列を使っていると言えますね。
他に身近な例を挙げると、データ分析に行列が活かされています。
分析するのは、商品やサービスに関するアンケート(点数で答えるもの)や、テスト・評価結果など。
結果を分析して商品やサービスに活かすためには、たくさんある項目のデータを最適な軸に置き換えて分析していく必要があります。
分析に最適な軸を見つけるために役に立つのが、行列の計算なんですよ。
行列は、数学の授業の中だけでなく、暮らしの中のデータ分析やデータ処理で活躍しているんですね。
横に並んだ数字を「行」といい、縦に並んだ数字を「列」といいます。
例えば上の行列では、1 2や3 4が「行」で1 3や2 4が「列」となりますね。
行がm個、列がn個からできている行列を「m×n行列」と言います。
下の行列の場合は、行が2行・列が2列なので「2×2行列」と言いますよ。
下の行列の場合は、行が3個・列が2個並んだ行列なので「3×2行列」ですね。
行列の中でも、2×2行列のように行と列が同じ数の行列を「正方行列」と言います。
行列の中で並べられたそれぞれの数は、「成分」と言います。
例えば、第i行の第j列にある成分だったら「(i,j)成分」です。
上の行列の場合、それぞれのa~dまでを成分で表すと以下のとおりです。
a:(1,1)成分
b:(1,2)成分
c:(2,1)成分
d:(2,2)成分
成分という言葉は、行列の計算方法を理解するために必要なので覚えておきましょう。
行列の足し算のルールは、大きく2つあります。
・行と列の数が同じ行列の場合のみ、足し算できる
・対応する成分どうしを足し算する
1つずつ詳しく解説していきましょう。
行と列の数が同じ行列の場合のみ、足し算できる
行列の足し算の前提として、足したい行列どうしの行と列の数が同じでなくてはいけません。
上のような行列は、足すことができません。
2×2行列と足し算できるのは2×2行列、2×3行列と足し算できるのは2×3行列のみです。
対応する成分どうしを足し算する
行列の足し算では、対応する成分どうしを足し算していきます。
具体的に数を入れた例をみていきましょう。
対応する成分どうしを足し算すればよいので、上記のような結果になりました。
行列の引き算も、足し算とルールは変わりません。
・行と列の数が同じ行列の場合のみ、引き算できる
・対応する成分どうしを引き算する
行と列の数が同じ行列の場合のみ、引き算できる
足し算と同様に、行と列の数が同じ行列の場合のみ引き算できます。
2×2行列から2×3行列を引くことも、3×2行列から2×3行列を引くこともできません。
対応する成分どうしを引き算する
行列の足し算と同様に、対応する成分どうしを引き算していきます。
具体的に数を入れた例をみていきましょう。
対応する成分どうしを引き算すればよいので、上記のような結果になりました。
行列の活用や基礎知識、足し算・引き算の方法についてご紹介しました。
行列は、複雑な分析やデータ処理などの場面で役立ち、私達の暮らしを支えていますよ。
行列の知識を身につけておくことで、将来選べる仕事の幅が広がってきます。
物理や工学分野に進む予定がなくても、ぜひ覚えておきたいですね。
まずは基礎的な知識から、着実に身につけていきましょう。
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