防爆とは?防爆仕様とは?基礎知識から防爆構造、器具など含め詳しく解説!

2021.11.16

防爆とは、防爆仕様とは

防爆とは、可燃性ガスや粉塵によっておこる火災や爆発を防止することをいい、その爆発を防ぐための仕様を防爆仕様といいます。石油精製、石油化学、化学合成プラントなどで可燃性ガスや可燃性液体の蒸気が空気中に放置され、空気と混合すると燃発性のガスになります。このガスが電気火花や高温度の物体などの点火源に触れると、爆発や火災が起きる可能性が大きくなります。このような危険場所では、使用する電気機械器具も爆発を防止する構造のもの、「防爆機器」を使用しなければなりません。一言に危険場所といっても、爆発性雰囲気が生成される頻度や時間が異なるため、危険の程度に応じて防爆電気機械器具の構造を選定することになっています。

爆発の危険がある場所の分類

工場電気設備防爆指針(1979)では、その危険度に応じて、危険場所を下記のように分類しています。

 

0種場所

危険雰囲気が通常の状態において連続して、または長時間継続して存在する場所です。

  • 可燃性液体の容器、またはタンク内の液面上部の空間部。
  • 開放された容器における可燃性液体の液体付近、またはこれに準ずる場所。

 

1種場所

通常の状態において危険雰囲気を生成するおそれがある場所です。

  • 正常な運転操作による製品の取出し、ふたの開閉、安全弁の動作などによって爆発性ガスを放出する開口部付近。
  • 点検または修理作業で爆発性ガスを放出する開口部付近。
  • 室内または換気が妨げられる場所で、爆発性ガスが放出されるおそれがある場所。

 

2種場所

異常な状態において危険雰囲気を生成するおそれがある場所です。

  • 危険性料品の容器類が腐食劣化などにより破損して、それから漏出するおそれがある場所。
  • 装置の運転員の誤操作により、危険性料品を放出したり、異常反応などにより高温・高圧となり、危険性料品を漏出するおそれがある場所。
  • 強制換気装置の故障により、爆発性ガスが停滞して危険雰囲気を生成するおそれがある場所。
  • 1種場所の周辺または隣接する室内で、爆発性ガスが危険な濃度でまれに侵入するおそれがある場所。

防爆構造の種類

防爆構造の種類は、爆発性ガスの存在する場所、使用目的に応じて、つぎの種類に分けられます。

耐圧防爆構造

爆発性ガスが電気機器の容器内に侵入して内部で爆発しても、容器が爆発圧力に耐え、かつ、外部の爆発性ガスに引火するおそれのない構造です。通常、1種危険場所および2種危険場所に使用されます。

油入防爆構造

電気機器の電気火花、または気体放電現象となる「アーク」が発生部分を絶縁油に収めて、油面上に存在する爆発性ガスに引火しないようにした構造です。

内圧防爆構造

容器の内部に保護気体を圧入して、外部の圧力よりも大きい値の内圧に保ち、爆発性のガスが侵入してこないようにした構造です。

安全増防爆構造

電気火花が正常な運転中や、高温を発生してはならない部分で発生するのを防止するため、構造上および温度上昇について特に安全度を増加した構造。通常、2種危険場所に使用されます。

本質安全防爆構造

正常時や事故の際に電気火花、または高温部によって爆発性ガスに引火しないということが公的機関の試験などによって確認された構造です。

特殊防爆構造

記号(d. o. f .e. i)以外の構造で爆発性ガスに引火しないということが公的機関の試験などによって確認された構造です。

構造規格による防爆器具の表示記号

防爆器具には、つぎに示すような構造規格による記号を使用して、その器具の防爆構造、性能を表わしています。

区分 記号
 防爆構造の種類  耐圧防爆構造  d
 油入防爆構造  o
 内圧防爆構造  f
 安全増防爆構造  e 
 本質安全防爆構造  i
 特殊防爆構造  s
 爆発等級
 爆発等級1  1
 爆発等級2   2
 爆発等級3  3a,3b,3c,3n 
 発火度  発火度G1  G1
 発火度G2  G2
 発火度G3  G3
 発火度G4  G4
 発火度G5  G5
 発火度G6  G6

備考

  1. 本質安全防爆構造の電気機器では、クラスaとクラスbを区別するために記号iのすぐ後に、符号a又はbを併記する。
  2. 爆発等級3において、3aは水性ガス及び水素を、3bは二硫化炭素を、3cはアセチレンを対象とし、3nは爆発等級3のすべてのガスを対象とすることを示すものである。

例1.

 d  2  G4
 耐圧防爆構造  爆発等級  発火度

d2G4とは、耐圧防爆構造で、爆発等級2、発火度G4を表しています。 したがって、この器具の表面の最高温部の温度は発火度G4のガスが爆発する可能性のある135℃超過、200℃以下の温度範囲よりも低く設計されているため、発火度G4のガス雰囲気中はもちろん、この温度範囲以上の温度で発火爆発する発火度G3、G2、G1、のガス雰囲気中でも使用できることになります。また、爆発等級2のガスは、スキの奥行きが25mmの場合、フランジ部、はめあい部分などの接合面の最大すきまが、0.4mm超過0.6mm以下の時、器具内の爆発時の炎が器具外に出て外部のガスに引火する可能性があるため、器具の接合面のすきまはそれ以下の構造となっています。したがって爆発等級2のガスはもちろん、それ以上のすきまにおいてでしか炎が器具外に出ることのないガス(この場合、爆発等級1)の雰囲気中ならば使用できます。

例2.

 d  G3
 安全防爆構造  発火度

eG3とは、安全増防爆構造で、発火度G3を表しています。したがってこの器具の表面の最高温度は、200℃以下に設計してありますから、それ以上の温度でしか発火爆発のしない発火度G3、G2、G1、のガス雰囲気中で使用できることになります。

防爆器具構造の比較表

ガス蒸気危険場所 粉じん危険場所
防爆構造の種類 耐圧防爆型 安全増防爆型 特殊粉じん 普通防じん
防爆構造の記号 d e SDP DP
防爆構造の目的 万一器具内部で爆発が 起こってもその爆圧に耐え、 外部に引火しない構造 温度上昇、絶縁等に特に 安全度を要し、容器内に ガスが入らない様にした構造 全閉構造で粉じんが 容器内部に侵入 しない構造 全閉構造で粉じんが 容器内部に侵入 しにくいようにした構造
容器材料 防爆構造に応じ使用材料を限定
温度上昇の制限 イ)容器外面
ロ)外部引出端子部
ハ)安定器巻線
二)口金
イ)容器内面
ロ)左に同じ
ハ)〃
二)〃
イ)容器外面
ロ)左に同じ
ハ)〃
二)〃
イ)左に同じ
ロ)〃
ハ)〃
二)〃
接合面の規定 スキ及び スキの奥行仕上 端子箱のみ 左に同じ スキの奥行、仕上 (パッキンを用いる ときは奥行のみ) スキの奥行、仕上 (パッキンを用いるときは 奥行、仕上共になし)
接合面の材料 パッキンはなるべく使わない。 使うときは不燃性パッキン  耐燃性、耐久性にすぐれたパッキン (石綿、ネオプレンゴム、シリコンゴム等)
錠締の必要な所 防爆性保持に 必要なすべての部分 使用中取り外しをし、 裸充電部が露出する部分 防爆性保持に 必要な部分 左に同じ
ガード (要)強さを規定 (要)強さを規定 (要)強さを規定 外傷を受ける おそれのない 場合のみ不要
保護カバー 材質、肉厚を規定、 機械的強度を規定 左に同じ 左に同じ 左に同じ
電気的安全度 右に準する 特に安全度を増すよう使用材料絶縁距離等詳細に規定
ネジ嵌合 ピッチ、嵌合山数、 嵌合長さを規定 左に同じ 5山以上にロックナット 又はパッキン使用 5山以上
ユルミ止 (要) (要) (要) (要)
ランプ室気密性 (要) (要) (要)
容器の強さ 内容積に応じ 8〜10kg/cm の内部圧力に耐えること