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パーキンソン病(PD)は何らかの原因で黒質ドーパミン神経が細胞死に陥ることで発症する、と書いてしまえば簡単だが、様々な分子が関わる複雑な過程で、すでに多様な遺伝的リスクが特定されつつある。
ただ、病気発症の引き金になる何らかの原因として最も注目されているのが、αシヌクレインだ。この分子の合成が上昇する重複変異がPDの遺伝的原因になると言うだけでなく、変異がないケースでもαシヌクレインの蓄積が関わっているのではと考えられている。
さらにαシヌクレインが異常沈殿して形成されるのがレビー小体であることがわかり、αシヌクレイン異常蓄積という目で、神経変性疾患を見ることで、PD、レビー小体認知症(LBD)、多系統萎縮症などを統一的に考えることが可能になってきた。
今日紹介するシカゴ・ノースウェスタン大学からの論文はαシヌクレイン(αSNL)遺伝子重複のあるPD患者さんのiPSから誘導したドーパミンニューロンを作成し、αシヌクレイン量が増えることで発生する異常を細胞レベルで解析した研究で11月17日Neuronにオンライン出版された。
タイトルは「Rescue of a-synuclein aggregation in Parkinson’s patient neurons by synergistic enhancement of ER proteostasis and protein trafficking (小胞体のタンパク質恒常性維持とタンパク質輸送を高めることで、パーキンソン病でのシヌクレイン凝集を抑えることができる)」だ。
私のような素人でも、αSNLが増えれば小胞体(ER)ストレスが誘導されると連想はできるが、それ以降の話は極めて複雑に調節されているER輸送の話なので、しっかり学ぶことはほとんどなかった。
その意味で、専門用語が多いとは言え、この論文は頭の整理には最適だ。ただ、実験の詳細は一般の人にはわかりにくいと思うので、結論のみを箇条書きにして紹介する。
なぜαSNL蓄積がUPR感知を抑えるのかは明確ではないが、GPA1変異でわかっていたリソゾーム異常とαSNLが私の頭の中でもようやくつながった。