LINE公式アカウントから最新記事の情報を受け取ろう!
液体中物質の濃度測定に用いられるセンサは、少量の液体の流動を制御できる流路機構が必要とされる。従来技術おいては、基材に不織布を用いる方法は、精度が劣る。流路を特定の形状にする方法は、製造コストが高騰化。
本研究では、撥水性の糸と親水性の糸を編み、親水性の糸によって流路を形成する。コンピュータ制御された自動編み機等、既存の編み機技術を用いれば、所望の流路を容易に形成できる。
液体中物質の濃度測定
液体中に存在する物質の濃度測定には、バイオセンサやFETセンサ等、様々なセンサが用いられている。これらのセンサにおいては、検体を検知器へ運ぶための流路機構が重要な技術となる。例えば、バイオセンサは、目的物質のみを認識する分子認識素子と、認識したという情報を信号に変換する信号変換素子と、分子認識素子から信号変換素子へ検体を運ぶ流路機構とから構成される。このようなセンサにおいて、検体の量は極めて少量であることが多く、このため、少量の液体の流動を制御可能な流路機構が必要とされる。
しかし、流路に流れる液体の量が少ないために、流路の断面積が小さくなり、寸法の3乗に比例する体積力(慣性力)に比べ、寸法の2乗に比例する表面力(粘性力)が支配的となり、流体抵抗が大きくなる。このため、マイクロシリンジポンプでは圧力が足らず、制御領域表面で直接駆動力を与えられる方法が有効となる。
本発明者は、バイオセンサに用いることが可能なマイクロ流路機構を開発し、既に、特許出願を行っている(特許文献1、2)。特許文献1では、流路内に疎水性の凹部を設け、さらに、その疎水性の凹部に複数のピラーを設けることにより、少量の液体の流動を制御可能としている。また、特許文献2では、流路内に所定の凸部を設けることにより、液体が流れに対するピン止め効果を発現させることにより、液体の流れを制御可能としている 。
また、非特許文献1には、紙の毛管現象による液体の吸い上げを利用した、紙ベースのバイオセンサ用流路機構について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開2014-136205号公報
【特許文献2】特開2015-171754号公報
【非特許文献】
【 非 特 許 文 献 1 】 T. Akyazi et al. Analytica Chimica Acta 1001 (2018) 1‑17
しかし、上記特許文献1、2に記載のセンサ用流路機構では、流路を所定の形状とするために、微細で精密な成型用の金型が必要となったり、精密機械加工技術が必要となったりしていた。このため、製造に手間がかかり、製造コストが高騰化するという問題が生じていた。
また、上記非特許文献1に記載のセンサ用流路機構では、基材に不織布である紙を用いることで毛管現象による液体の吸引をサンプル溶液の駆動メカニズムとしているため、流路の寸法精度の維持が困難で、高精度な分析を妨げていた。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、流路形成のための金型や機械加工技術や特殊な印刷技術が不要であって、流路の寸法精度の維持に優れ、製造が容易なセンサ用流路機構を提供することを解決すべき課題としている。
本発明のセンサ用流路機構は、撥水性の糸と親水性の糸とによって編まれており、前記親水性の糸によって所定の流路が形成されている。
前記親水性の糸は前記撥水性の糸からなる布帛に刺繍されることにより前記所定の流路が形成されていてもよい。
また、前記親水性の糸で形成された所定の流路は、立体的な構造とされていてもよい。
本発明によれば、流路形成のための金型や機械加工技術や特殊な印刷技術が不要となり、単に撥水性の糸と親水性の糸とを編み分けることによって、容易にセンサ用流路機構を提供することができる。
特許情報詳細や資料のダウンロード等については無料会員登録後に閲覧していただけます。
本研究に関するご質問や、話を聞いてみたいなどご興味をお持ちになりましたら、是非お気軽に以下のフォームにお問い合わせください。