光学的手段による三次元計測法

2022.08.03 By 埼玉大学

物理学

技術概要

 撮影方式が積分型で、投影する格子パターンの位相シフト量が任意の一般化位相シフト法により、変形格子像間の相対的な位相シフト量の値を簡単に算出して、被測定物の形状を簡単に三次元計測することができる。

用途・応用

光学的手段による測長装置

背景

 従来、この種の三次元計測法としては、例えば、特許文献1に開示されたリアルタイム形状変形計測方法がある。この計測方法では、格子投影装置によって計測対象物体に格子パターンを投影する。投影する格子パターンは、1ピッチを明暗比1:2に分けた矩形波状の格子パターンを用い、その格子パターンが投影された物体をCCDカメラで撮影する。格子パターンは、CCDカメラの1フレームの撮影時間である1/30秒間に1/3ピッチで等速にシフトされ、CCDカメラは1/30秒間に受けた光の強度を電荷として蓄え、それを輝度とした1つの格子画像に変換する。順次取得される各格子画像は、対応する第1~第3フレームメモリに順に格納され、更新されていく。第1~第3フレームメモリに格納された画像は、予め演算して求めた位相値に対する輝度値を格納する3次元位相算出テーブルによって即座に位相値に変換され、物体の位相分布画像としてリアルタイムに出力される。

課題

 格子パターン投影法で撮影された変形格子像の解析手法として、位相シフト法がある。

 位 相 シ フ ト 法 は 、 投 影 す る 格 子 パ タ ー ン の 位 相 を シ フ ト さ せ て 3 枚 以 上 の 変 形 格 子 像 を撮影し、その変形格子像から位相情報を求めることで、計測対象物体の三次元情報を復元する手法である。この位相シフト法は、その撮影方式からステップ型と積分型とに分類することができる。

 ステップ型は、計測対象物体に投影する格子パターンの位相をステップ移動させてシフトさせる手順、その位相シフトを一時停止させる手順、変形格子像を撮影する手順が順に行われ、その後に再び格子パターンの位相をシフトさせる手順以下の手順の流れが繰り返される方法である。一方、積分型は、計測対象物体に投影する格子パターンの位相を停止させずに連続的にシフトさせながら、変形格子像の撮影が行われる手法であり、連続フリンジスキャンと呼ばれることもある。

手段

 本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、移動する格子パターンを被測定物に投影し、被測定物の形状に応じて変形する格子パターンを撮影して3枚の変形格子像を取得し、取得した3枚の変形格子像間における輝度値について平均二乗誤差を計算し、輝度値の位相分布のランダム性が成り立つときには輝度値の振動成分の空間平均が統計的に0になることに基づいて振動成分を表す項が0にされて三角関数で表された平均二乗誤差から、各変形格子像間の相対的な位相シフト量の絶対値を逆三角関数を使って求め、求めた各位相シフト量の和で表した評価関数が巡回差分位相条件を満たす各位相シフト量の符号および評価関数の解を解探索アルゴリズムを用いて求め、求めた各位相シフト量の符号および評価関数の解から符号を含めた位相シフト量の値を求め、位相シフト量のこの値から変形格子像の位相値を求めて被測定物の形状を三次元計測する三次元計測法を構成した。

 本構成によれば、撮影方式が積分型で、投影する格子パターンの位相シフト量が任意の一般化位相シフト法により、各変形格子像間の相対的な位相シフト量の値を簡単に算出することができる。したがって、算出した位相シフト量の値から変形格子像の位相値を求めることで、被測定物の形状を簡単に三次元計測することが可能になる。一般化位相シフト法は、一定量位相シフト法におけるような正確な位相キャリブレーションを必要とせず、また、撮影装置と格子投影装置との間で高精度な同期制御をとる必要がない。このため、一定量位相シフト法を用いて三次元計測する際に発生する様々な問題を生じることなく、計測システムを容易に構築して簡単な計測手順で三次元計測することが可能になる。

効果

 本発明によれば、撮影方式が積分型で、投影する格子パターンの位相シフト量が任意の一般化位相シフト法により、変形格子像間の相対的な位相シフト量の値を簡単に算出して、被測定物の形状を簡単に三次元計測することが可能になる。

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特許情報

特許第6482119

JPB 006482119-000000