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シンジオタクチックポリスチレン(SPS)の、チューブ形状の長い空隙をもつε型結晶の、新たで簡便な高純度製造法と、この空隙に詰めたゲスト分子を重合させてナノワイヤとして導電性高分子を配列した素子を作製する方法。
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スチレンの立体規則的な重合により得られるシンジオタクチックポリスチレン(以下、「SPS」ということがある。)は、高い結晶性を有するポリマーであり、trans-zigzag構造、及び2 1 -helix構造の2種の主鎖構造の形態をとることができる。SPSの結晶型として、α、β、γ、δ、εの5種が知られており、δ型及びε型の結晶では、SPSの主鎖が主に2 1 -helix構造を形成する。図1及び図2が、それぞれ、δ型結晶及びε型結晶を形成しているシンジオタクチックポリスチレンの形態を示す。図2のε型結晶は細長いチューブ状の自由空間5を形成しており、自由空間5内に複数のゲスト化合物20が配列され得る。
ε型結晶を含むSPSフィルムを得る方法に関して、非特許文献1は、先ずδ型結晶を含むSPSフィルムを作製する工程、δ型結晶を含むSPSフィルムを120℃以上にアニールすることでγ型結晶を形成する工程、γ型結晶を含むSPSフィルムをクロロホルムに曝露する工程、及び、その後SPSフィルムをアセトニトリルで洗浄する工程という、主に4つの工程から構成される方法を開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【 非 特 許 文 献 1 】 O. Tarallo et al., M acromolecules, 43(3), 2010, 1455‑1466
非特許文献1が開示するような従来の方法によれば、ε型結晶だけでなくγ型結晶も含む混晶を含有する成形体が形成され易い。ε型結晶を利用した種々の機能を有する成形体を得るためには、より高い純度でε型結晶を含むSPS成形体が望まれる。
そこで、本発明の主な目的は、高い純度でε型結晶を含むSPS成形体を容易に製造できる方法を提供することにある。
本発明の一側面は、ε型結晶を形成しているシンジオタクチックポリスチレンを含む成形体を製造する方法に関する。この方法は、シンジオタクチックポリスチレンを含む成形体を、γ型結晶形成用のγ型結晶形成用化合物を含む液体に接触させる、又は前記γ型結晶形成用化合物の蒸気に曝露することにより、前記シンジオタクチックポリスチレンのγ型結晶を形成する工程と、前記γ型結晶及び前記γ型結晶形成用化合物を含む前記成形体を、ε型結晶形成用のε型結晶形成用化合物を含む液体に接触させる、又は前記ε型結晶形成用化合物の蒸気に曝露し、その後、前記成形体を前記ε型結晶形成用化合物が溶解する溶剤に接触させることにより、前記シンジオタクチックポリスチレンのε型結晶を形成する工程とを有する。
この方法によれば、高い純度でε型結晶を含むSPSフィルムを容易に製造することができる。
本発明の別の側面は、ε型結晶を形成しているシンジオタクチックポリスチレンと、前記ε型結晶内に取り込まれた重合体とを含む、複合成形体及びその製造方法に関する。当該複合成形体の製造方法は、ε型結晶を形成しているシンジオタクチックポリスチレンを含む成形体中に重合性モノマーを取り込む工程と、重合性モノマーの重合体を前記成形体中に生成させる工程とを備えることができる。
ε型結晶が形成するチューブ状の自由空間内に重合体を配置することで、導電性等の種々の機能を有する複合成形体を得ることができる。
本発明の一側面によれば、高い純度でε型結晶を含むSPS成形体を容易に製造することができる。本発明の別の側面によれば、導電性等の種々の機能を有する複合成形体を容易に得ることができる。
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