物質の状態変化、三態とは?身近な例を用いてわかりやすく解説!

2023.02.06

一般的な温度・圧力の下では、物質には「三つの態(状態)」があります。それは固体・液体・気体の3つです。この記事では、この物質の状態変化について詳しく解説しています。中学理科で学ぶ基本的な内容ですが、しっかりと語句整理をしておき、失点を防ぎましょう。

物体の状態変化とは

物体は、温度や圧力によってその形が変わります。
例えば水の状態変化は、0℃以下になると固体の氷です。100℃以上になるとすべて気体の水蒸気に形を変えます。0℃から100℃の間では液体の水ではありますが、温度によって少しずつ蒸発して水蒸気になっていきます。
このように、基本的にすべての物質は固体・液体・気体の三態を持ちます。
鉄などの金属も、非常に高い温度にまで加熱すれば、液体や気体になることができます。

固体・液体・気体に変化することには、それぞれ名前が付いています。
     

固体から液体を経ずに直接気体になることを昇華と言いますが、その逆、気体から液体を経ずに直接固体になることも昇華と呼ぶ点に、注意が必要です。

また、それぞれ状態が変化する際の温度は物質によって一定であり、それぞれ次のように呼びます。
・融解/凝固するときの温度:融点(凝固点)
・気化/凝縮するときの温度:沸点(凝縮点)
・昇華するときの温度:昇華点

状態変化の際の質量、体積について

物質は、状態が変化しても、その質量は変わりません。
コップ1杯の水は、固体(氷)・液体(水)・気体(水蒸気)のいずれの状態であっても、同じだけの重さになります。

一方で、体積は状態によって大きく異なります。
基本的には、固体が最も体積が小さく、気体が最も体積が大きくなります。
ただし、例外として水は、液体(水)よりも固体(氷)のほうが体積が大きくなる点に、注意しましょう。

水の上に氷が浮かぶのは、液体と固体で同じ質量なのに、固体のほうが体積が大きくなるためです。
結果として、氷のほうが体積当たりの質量が小さくなり(密度が低くなり)、液体の上に浮いてしまうのです。

逆に、ほとんどの物質では固体のほうが体積は小さくなるため、液体の下に沈んでいきます。

状態変化の身近な例

状態変化の最も身近な例は、先ほどから何度も例に挙げている水の変化です。

水が地球上をどのようなサイクルで回っているかのイメージをしてみましょう。
まず、空から雨や雪が降ってきます。地上に降ってくるとき、0℃以上なら基本的には液体です。0℃未満の場合は、液体ではなく固体となるため、雪が降ってきます。これが地面に落ち、川を通って海に流れ込みます。
海水温は基本的に0℃から100℃の間ですが、太陽の熱で温められるなどして、一部は気体の水蒸気に変化し、空気中に流れていきます。
上空までたどり着いた水蒸気は、温度が下がり、液体の水に戻ります。さらに水が冷えると、固体の氷となり、これらが集まって雲ができます。
雲の中の水分量がいっぱいになると、それが再び雨や雪として地上に降ってきます。

同様に、夏場、冷たい飲み物が入ったペットボトルを常温環境下に置いておくと、ペットボトルの周りに水が付いていることがあります。
これは、空気中の水蒸気がペットボトルによって冷やされて、水に凝縮した結果です。

ほかの例で言うと、噴火している火山も似たようなイメージが持てるかもしれません。
噴き出しているマグマは、非常に高温の液体に近い物質ですが、マグマが冷えると様々な岩石に形状を変えます。
逆に言うと、岩石は高温に加熱することで、再びマグマのような性質の液体に変化させることもできるのです。

また、タンスなどに入れる防虫剤には、ナフタレンやパラジクロロベンゼンという物質が有効成分として利用されています。
これらの物質には融点・沸点があり、液体として存在することもできますが、気体に変化しやすく、常温下でも自然に固体から気体へと昇華していきます。
タンスの中に入れておいた防虫剤がいつの間にか小さくなっていた、というときには、固体だった物質が昇華して気体になっているためです。

状態変化のグラフ

ここまでの解説は、中学理科で履修する範囲の内容であり、基本的に常圧下におけるものです。
「物質の融点・沸点は一定であり、三態を取る」というのは、「常圧条件(1気圧=1,013.25hPa)下であれば」という前提条件が付いているのです。
では、圧力が変化するとどうなるのでしょうか。
ここから先は、高校化学の履修内容となります。

これは、「物質の状態」は具体的に何なのかをイメージすると理解しやすくなります。
物質の状態は、「分子の動きやすさ」と考えましょう。
気体は分子が自由に空気中を動き回れる状態、固体は分子が押し固められて動けない状態、そして液体はその中間、少しだけ動ける状態です。
ほとんどの物質が固体、液体、気体の順に体積が大きくなるのはそのためです。
※水が固体になると液体よりも体積が増えるのは、水素同士の分子間力によります。

この、自由に物体が動き回れるか、という状態をイメージすると、圧力が変化したときの物質の変化もイメージしやすいでしょう。
圧力が高まれば、それだけ分子は自由に動き回りにくくなるため凝固しやすくなります。逆に圧力が下がると、分子は自由に動き回りやすくなるので、気化しやすくなります。

物質の三態と圧力・気体の相関関係を図にすると、下図のようになります。

このようなグラフを状態図と呼びます。
上の状態図は二酸化炭素のものを簡易的に表したものですが、多くの物質は、このように右斜め上に向かってY字型に開いたような線を表します。

続いて、水の状態図を例に、グラフの見方を説明します。


上は、水の状態図を簡易的に表したものです。
グラフの縦軸1,000hPaで見ると、横軸の約273K(=0℃)が固体と液体の境目であり、約373K(=100℃)が液体と気体の境目であることが分かります。
このように状態図は、特定の圧力条件下における特定の温度の場合、どのような態を取るかが分かる図となっています。

このグラフの傾きなどは物質によって異なります。
また、圧力と温度を高めていくと、ある一定のラインより先は超臨界流体と呼ばれる、液体・気体の区別ができない物質に変化します。

また、極度の高温条件にした場合、気体からさらにプラズマに変化します。
これは、気体となった分子の運動が熱エネルギーによってさらに高まり、原子が電子と陽子・中性子に分裂(電離)することで生じます。

 

まとめ

物体は、基本的に固体・液体・気体の三態を取ります。
それぞれ、固体から液体になることを融解、液体から気体になることを気化、気体から液体になることを凝縮、液体から固体になることを凝固と呼び、気体から固体・固体から気体になることを昇華と呼びます。
一定の圧力下では、これらの物質が変化する温度は物質によってそれぞれ決まっており、一定です。
中学理科の範囲では、具体的な計算問題よりも語句を問われることが多くあります。融解・気化・凝縮・凝固・昇華のワードを、それぞれ適切に覚えておきましょう。

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