#29 将来の健康のために、乳幼児の腸活が必要な理由

2022.08.05 By Hayashi

この連載テーマについて

  • 経済産業省が運営する大学発ベンチャーデータベースに登録される企業から有力なスタートアップをご紹介
  • (経済産業省ページ:https://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/univ-startupsdb.html
  • スタートアップ企業が提供する最先端かつユニークな技術や製品を毎回ご紹介します

人間の腸内に約1,000種類、数にして100兆個も棲みついていると言われる腸内細菌(さいきんそう)ですが、近年の研究で一つの臓器に匹敵するほどの働きがあることがわかってきました。糖尿病、肥満症、関節リウマチ、大腸がん、便秘、アレルギー疾患などとも関連性があるほか、「第二の脳」や「脳腸相関」と言われるように脳や精神状態との関わりまでも明らかになりつつあります。

そんな腸内細菌叢の菌の種類や割合のバランスは誰一人として同じではなく、成人になるにつれて固有のバランスが形成されると言われています。株式会社サイキンソーは、バランスが固定される前段階で介入をすることで、将来の健康に影響があるのではないかという仮説のもと、業界で初めて乳幼児に特化した腸内細菌叢検査「マイキンソーキッズ」を発売しました。

 

サイキンソーは「細菌叢で人々を健康に」を理念に掲げ、16S rRNAをターゲットとした次世代シーケンス法ベースの腸内細菌叢検査「マイキンソー(Mykinso)」を開発・販売しています。2014年の創業以降、大阪大学微生物病研究所や理化学研究所との共同研究のもと事業化を進め、現在までに国内最大規模である60,000件以上の腸内細菌叢検査を実施しています。

この記事では、マイキンソーキッズの開発背景をふまえながら、乳幼児の腸内フローラの特徴や幼い時から腸内細菌を整える重要性について、株式会社サイキンソー取締役 CSOの竹田さんに詳しく解説していただきました!

竹田 綾 Ph.D.プロフィール

取締役 CSO
高卒で渡米、フロリダ州立大学で博士号取得(分子生物物理学)後に帰国。
株式会社ジナリスにてDNA解析受託サービス(企業/アカデミアの研究者向け)のコンサル営業を主に担当。出産を期に「食と健康」に興味を持ち、腸内細菌叢の可能性に魅せられサイキンソーを共同創業。

腸内細菌叢とは

腸内に住みついている微生物の集団である腸内細菌叢は、人体の健康に大きな影響を与えていると言われています。私たち人間の腸内には、1,000種類以上、数にして100兆個以上もの腸内細菌が棲み着き、人間が食べたものをエサにして、互いに競い合い、助け合いながら”生態系”を築いています。

腸内細菌に関する研究は日々進んでおり、大腸がんや大腸ポリープなどの腸に関わる病気だけでなく、糖尿病やアレルギー疾患など、様々な病気との関わりも分かってきています。
特に、免疫機能の調整や、うつ病・ストレスなどの精神状態にも腸内細菌が影響している可能性が指摘され、注目を集めています。

細菌の組成は人によって異なっているため、腸内細菌叢の状態を知り、その状態に合わせたアプローチをしていく必要があります。そこで、細菌叢の組成を次世代シーケンサー(NGS)を使って16S rRNA 領域を解析し、組成を把握・改善することで疾患予防・治療などにつなげる取り組みが進んでいます。

 

乳幼児の腸内細菌について

次世代シーケンサーの普及によってDNA配列を高速かつ大量に読み取ることができるようになり、腸内細菌叢検査が広がりました。しかし、主な検査対象は成人で、乳幼児を対象とした検査はありませんでした。では成人と比較した乳幼児の腸内細菌叢の特徴はどのようなものなのでしょうか。

胎児期を過ごす子宮内はほぼ無菌と考えられており、赤ちゃんは生まれてくる過程ではじめて菌に出会います。乳幼児の腸内細菌叢は、ミルク、離乳食、幼児食と食べ物の種類が増えるにつれて、菌の種類や量が多くなり複雑になります。また食事の他にも、動物と触れ合ったり、公園遊びや土を触ったりしながら、日常で様々な菌に触れ、取り込んでいます。
そして3〜5歳くらいまでに、腸内の細菌勢力図ができあがり、自身が一生付き合うことになる「固有の腸内細菌叢」の基礎になると考えられています。一度固定された勢力図は、健康な状態では大きく変化することなく、成人ではむしろ「簡単に変化しない=安定的である」ことが健康的な腸内フローラと言えるようになります。

つまり幼少期の腸内環境は、その後の生涯に渡る健康状態にも大きく影響する可能性があり、安定的な腸内フローラができあがるまでは軌道修正がしやすいと言えます。

 

マイキンソーキッズの開発背景

ここで、マイキンソーキッズの開発背景、私自身が乳幼児の腸内細菌叢に注目した理由について説明します。

サイキンソー創業前、長女を出産したタイミングで腸内細菌叢の世界に興味を持ち始めました。出産を通じ、子どもの食生活や抗生物質による腸内環境の変化・回復が気になるようになったからです。長女が小さいころは便秘気味で、それも抗生物質などが影響しているのか、遺伝的なもの(私自身も小さい頃から便秘がちなため)なのか、そして生活習慣を改善することで改善するのかどうか、明らかにしてみたいと思いました。

大人の腸内フローラはすでに固定されており、菌叢のバランスをほんの少し変えるのも困難ですが、子どもの腸内環境は成長とともに変化していきます。この時期の腸内細菌叢の状態を把握することで、不足している菌を補うような食生活をアドバイスすることができます。さらに多くのデータを集めることで、将来のアレルギーリスクを検知できる可能性も秘めており、強制力のある薬ではなく、食生活の改善というかたちで親として関与できることも多いのではないかと考え、マイキンソーキッズの開発に乗り出しました。

開発にあたって、京都大学・大阪大学・キユーピー株式会社・JSR株式会社及びサイキンソーの2大学・3社で、共同研究を実施しました。科学的エビデンスを基にした子育て支援に向けた研究の一環として「母子の腸内細菌叢」に着目し、のべ1,400組以上の日本人母子の腸内細菌叢データを収集・解析、国内最大級の「日本人乳幼児の腸内細菌叢データベース」を構築しました。

このデータベースをもとに、乳幼児の腸内細菌叢における有益菌の存在比率や成長に伴う変化、腸内フローラのバランスなどの指標を見出すことが可能となり、乳幼児に特化した腸内細菌フローラ検査「マイキンソーキッズ」のサービス提供を実現しました。

 

マイキンソーキッズでわかること

マイキンソーキッズでは主に以下の3つがわかります。
■腸内細菌タイプ
日本人に多いタイプか少数派かなど、月齢層のなかでどんなタイプに分類されるかがわかります。

■腸内細菌の多様性(バランス)の成長・成熟度
多様性は、腸内フローラのバランスや強靭性・柔軟性を示す重要な指標です。多様性が高いことは、様々な外的要因に対しての対応能力が高いと考えられています。生まれたての赤ちゃんは菌の種類や量が少ないため多様性が低く、離乳食開始後くらいから腸の成長とともに徐々に上がっていくと考えられています。

■主要菌割合の推移
腸内環境の成長・成熟とともに割合が変化しやすい菌に着目し、成長曲線として可視化します。

 

子どもの健康を願う親御さんへ

マイキンソーキッズは私自身の出産・育児経験と、のべ1,400組以上の母子の腸内細菌叢データーベースをもとに開発された乳幼児向け腸内フローラ検査です。乳幼児の細菌叢は成人に比べて変化が激しいからこそ、より多くの方にデータを提供いただき、様々なパターンを集積する必要があります。それによって、肥満や便秘・下痢、糖尿病、アレルギー疾患など、様々な健康上のリスクや体の特徴についてフィードバックできることも増えていきます。
お子さまの将来の健康を願う親御さん、中でも以下のような方々はマイキンソーキッズをご利用いただくことで得られるヒントも多いと思います。

■お子さまの便秘が気になる方
便秘には様々な原因が考えられますが、便秘が続くと腸内フローラのバランスが崩れる可能性があります。腸内フローラのバランスを良くすることで便秘が改善する可能性があるため、この機会に排便の習慣を意識してみてはいかがでしょうか。

■積極的に食育に取り組んでいる方
当社の研究でも、食習慣が最も腸内フローラに影響を与えることがわかっています。お子さまの年齢だけでなく、腸内環境の成長度合いにも着目した食育のヒントが得られます。
マイキンソーキッズの詳細はこちら:https://mykinso.com/kids

・マイキンソーキッズご購入について
通常価格19,800円のところ、サービススタート記念特別価格13,200円で購入いただけます。また、通常のマイキンソーとマイキンソーキッズの親子ペアセットは、特別価格で通常の50%OFF 19,800円で購入いただけます。
これを機に、お子さまの腸活についても考えてみてはいかがでしょうか。

▼マイキンソーキッズ
https://www.amazon.co.jp/dp/B09V146HHV

▼親子セット
https://www.amazon.co.jp/dp/B09V15NMQL

本連載にて紹介するベンチャー企業情報は経済産業省が運営する大学発ベンチャーデータベースに掲載されております。 これまでにない技術やサービスに触れ、知識拡大やオープンイノベーションのきっかけにしてください!