#13 解析⼿法を共有・利⽤する⽅法

2022.01.07 By Hayashi

この連載テーマについて

  • 大学ベンチャーを中心に有望なベンチャー企業をご紹介します!
  • 今回は大学の研究室とも関連する事業を展開するデータサイエンススタートアップ企業である株式会社アンプラットをご紹介いたします。

#10 オープンサイエンスとデータ共有でデータ及び解析⼿法の共有について現状をお話しました。
要約すると、「データの共有化は進んでいるけど手法は共有できていない」ということでした。
⼿法共有の現状はGitHub等がありますが、環境構築等、⽣命科学研究者には厳しく、無駄な作業が多いのが現状です。
そこでアンプラットで開発中のANCATのフォーカスと機能をガイドとし、⼿法共有のあるべき姿を考えてみましょう。

 

⼿法共有のまえに(其の1:信頼性)

なんでもかんでも共有すればよいというものではないです。
査読付きの論⽂で提唱された解析⼿法と、初めてプログラムを書いた学⽣が作ったアルゴリズムでは信頼性の違いがイメージしやすいと思います。
とはいえ、⼀⾒信頼性の低い学⽣が作ったプログラムも決して悪ではなく、その学⽣のニーズにマッチした素晴らしいプログラムです。
要は、その⼿法がどういうバックグラウンド(社会的評価等)を持っているのかを明⽰することが重要です。

 

 

⼿法共有のまえに(其の2:権利と責任)

⼿法に限らず、データもそうですが、共有して他の⼈に使われる際に、権利関係を明確にしておくことが重要です。
OSSには別途ライセンスが付与されていますが、内容は様々で、企業が営利⽬的で使⽤できないもの等が多々あるので注意が必要です。
こうしたライセンスが設定される背景には、発明した⼈の権利を明確にする⽬的に加えて、責任の所在を明確にする意味合いが⼤きいです。
Aさんが作って無償公開したソフトウェアをBさんが改造してコンピューターウイルス的に配布した場合、Aさんが責任を問われていはいけませんね。(最近COCOAでも同じようなことありましたね)開発者の意を汲みながら公開設定するのが正しい形だと⾔えます。

 

 

ANCATとは

少し宣伝っぽくなって申し訳ないですが、アンプラットでは解析⼿法共有化プラットフォーム「ANCAT」を開発・運営しています。
ANCATには⼤きく分けて2つの機能があります。

1つ⽬は、論⽂等に書かれている確からしい⼿法を当社社員が⽚っ端からGUIで実装し、ITに明るくない⽣命科学者でも、論⽂に記載されている⼿法をマウスクリックで実施することができるSaaS的な機能
2つ⽬は、各研究者が作成、留保してる解析プログラムをANCAT上にのせ、任意の公開範囲を設定することが出来るPaaS的な機能

です。GitHubをご存じの⽅は、GitHubにRunのボタンが付いているイメージを持っていただけるとわかりやすいです。

 

 

ANCATの⽬指す世界感

ANCATは上述の機能により、解析における「作業⼯程」を徹底的に除去し、研究者の頭の使いどころである考察にフルコミットしてもらうことを⽬指しています。
⼀⽅、バイオインフォマティシャン等の⼿法開発者は⾃⾝の開発した⼿法を、ANCATに登録し、同じ研究室で生物学実験を行う、いわゆるWET専⾨の研究者に使ってもらったり、共同研究先に使ってもらったり、はたまた全世界中の⼈に使ってもらったり出来ます。
前回お話した素晴らしきデータ共有⽂化のように、論⽂を読むなり、⼈から聞くなりして魅⼒的に思った解析⼿法を、⾃分の研究にもアプライしたいと思ったらその場で実施出来ることにより、研究は加速します。

 

 

まとめ

⼿法共有の際に考えないといけない注意点からANCATの世界観を通じて、⼿法共有化が進んだ社会を紹介してみました。
敷居の⾼いイメージのあるデータ解析が誰でもいつでもでき、⼿法提供者の意思もダイレクトに反映される良い社会です。
ANCATには他にも、ラボ全体の⼒を向上させる仕組みや、研究者たちへ成果に応じた利益の還元する仕組み等、研究活動の最適化ツールとして様々なプロジェクトが進⾏しています。興味があればアンプラットまで。

 

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