~自動化ロボット 実例紹介~ サンプリング装置つくりました 

2021.04.05 By こみねぇ

こんにちは こみねぇ です。

先日完成したばかりの「自動化ロボット」を紹介します。

こちらです。オートサンプラーです。

 

今回は、ご依頼いただいた東京工業大学 物質理工学院 服部研究室にお邪魔し、話を伺いました。

まずこの動きをご覧ください。

「並べたチューブに入っている液体を、シリンジを使って順番に吸い取る」というサンプリング作業の自動化。
「分注」「サンプリング」など、この手の作業の繰り返し作業は、正確さが必要ですよね。

サンプル数が多いと、根気も必要です。
ラックに大量に並んだチューブウェルプレートを見るだけで、逃げ出してしまいそうな、こみねぇです。

今回は、チューブに入った液体を一定量ずつ吸い上げる、サンプリング作業の自動化です。
各チューブには、"とても貴重なサンプル"が入る予定です(^^) ※後半で詳しくご紹介!

サンプリング装置は、各分析装置メーカーでオートサンプラーとして高価なものが販売されています。

が!

今回、あえて「特注」で製作させていただくことになった理由はこちらです!

↓↓   ↓↓   ↓↓   ↓↓

・自作の装置との組み合わせが可能
・低コスト
・再カスタマイズ可能

限られた研究費を有効に活用すべく、装置を自作されている研究者の方、実は結構多くいらっしゃいます!

今回は、こちらの装置群を組み合わせます↓

①バルブ

 

②ぺリスタポンプ

※サンプルの抽出するための空気の送り出しや純水・試薬の注入に、この1台が活躍します。

③自動制御装置

※各装置の動作のタイムプログラムを制御する、いわばブレーンです!!

工夫いっぱいの装置郡が控える中、
今回アズワンで担当させていただいたのがこちらの3軸の直交ロボットです。

動きはいたってシンプルです。

スタート

 ↓

サンプルチューブに移動 (試料のサンプリング)

 ↓

スタート地点のリンスステーションでシリンジの洗浄
※試料が混ざらないよう、サンプリング毎に純水で洗います

 ↓

スタート地点にもどる (次の試料に備えてスタンバイ)

 ↓

次のサンプルチューブへ移動

 ・
 ・
 ・

の繰り返しです。

吸い上げられた試料はチューブ内を移動し、自動で試薬と混ぜ合わせ分析装置へ・・・

次々に分析結果がPCに表示されます。
サンプルの数だけ山ができていて、各サンプルの分析結果を確認することができます。 

※ダミーのサンプルで測定していただきました。

研究中にスピードや動きを変更する必要がでてきた場合には、プログラムを変更することで対応が可能です。
「もっとスピーディーに抽出したい」「任意のチューブからのみ抽出にしたい」などなど。

もちろん内容によっては制限はありますが、こういったカスタマイズに強いのがこのロボットのメリットの一つです。

「安全装置」も実装しています。赤く光っている部分です↓

この赤く光る部分がスタート地点ですが、センサでシリンジを検知することで、
シリンジが正しくスタート地点にもどってきたことを確認することができます。

例えば何かの拍子に「シリンジが折れた」など、トラブルが生じた際に、自動でSTOPします。

カスタマイズで製作するため、こういった機能も「必要な機能のみ」に絞り込むことも可能です。
コストを抑えることができます!もちろんアラームや通信なども、必要に応じて付加できます。

 

今回、どういった研究にこの装置を使用されるのかお伺いしました!!

とっても興味深い話が聞けましたのでご紹介します。

話を伺ったのは

 

・東京工業大学  物質理工学院 応用化学系 助教  服部祥平先生 (左)
・国立極地研究所 日本学術振興会 特別研究員PD  石野咲子さん (右)

 

こみねぇ 「何の分析に使う予定なんですか??」

石野さん 「グリーンランドのアイスコアという氷試料です。北海道大学との共同研究に使う予定なんです!」
       ※このロボットはこの後、氷が届く北海道へ運ばれました

こみねぇ 「・・・・?? ・・・それは、ずいぶんと貴重なサンプルのようですね・・・。」
     「つまり、その氷の中の成分を分析されるのですね。どういったことを研究されているのですか?」 

石野さん「氷に含まれる 過酸化水素の量の変化により、アイスコア中の夏を特定することで正確な年代の決定に使います」

なかなか難しいですね・・・(゚ω゚) 
どのように特定するか石野さんの説明によると・・

空気の過酸化水素は、紫外線のある環境でたくさん生成される物質 ⇒ 夏に増え、冬には減る
空気中でできた過酸化水素は雪と一緒に降って、氷の中に閉じ込められていく
・アイスコアの中の過酸化水素を上から順番に分析していくことで、どこの深さが夏で、どこが冬か、がわかる
・そのアイスコアが何年分の雪が積もってできたものなのか数えることができる

「地層」のようなイメージですね(^-^)

服部先生の話によると・・・

・グリーンランドや南極といった、一年中氷に覆われているところ(氷床や氷河というらしい・・)の氷には、過去の歴史が封じ込められている
・先生が関わっているグリーンランドの南東部で掘られた90mのアイスコアから、過去約60年間の大気の歴史が復元できる
・雪が少ない南極の内陸部で数千m掘削すると、100~150万年まで遡れる可能性も・・・!?

その「氷」を分析することで、その時代の大気の状況などを紐解くことができるんだとか!!!!

そのため、アイスコアは「地球環境のタイムカプセル」とも呼ばれているそうです。

なんだかワクワクしますね。

例えば

・産業革命以降の人間による大気汚染の歴史
・地球を冷やした大規模火山噴火(1991年のピナツボ噴火など)の様子

など、先生たちは氷に閉じ込められた化学成分(硫酸、硝酸 など)を対象とした研究を行っているそうです。
今回は、先生たちの次の対象成分である過酸化水素(H2O2)の分析装置開発のためにアズワンに相談してくださいました!

同じ氷を使って様々な研究が行われているので
貴重な氷は年代ごとに丁寧に分けられ、大切に使用されるそうです。。

ちなみに、研究室のフリーザーには「南極」の氷が保管されてました!

歴史に出会えた (?)瞬間です(^^)

 

自作の装置と組み合わせた上で「この作業だけ自動化したい!!」というお悩みありませんか?

こちらで承っております↓