CFDを駆使した高速飛翔体の空力解析

2022.09.05 By 横浜国立大学 大学院工学研究院 システムの創生部門 北村 圭一

物理学

研究概要

主に下記の三本柱で研究を進めています。

1)世界の様々な研究者と協力し、学術的価値が高く、かつ設計に役立つ数値流体力学(CFD)手法を提案しています。

2)CFDを駆使し、高速飛翔体の空力解析を行う等、空気力学を中心とする様々な流体現象を解明しています。 3)風洞設備を利用し、力測定、圧力測定、可視化試験による様々な空力データを取得しています。

これらの成果として、右図のようなイプシロンロケット飛行中の空力解析例があります(JAXA在職時)。

アドバンテージ

・大学のみならずJAXANASAでの経験を持ち、実設計や社会のニーズに貢献したいというモチベーションがあります。

CFDと実験双方の長所・短所を理解しています。よって両者から良い方法を選択、もしくは組み合わせる事で各問題に適したアプローチで挑むことができます。

・航空宇宙工学および機械工学を対象に、圧縮性流体や混相流などを扱う事ができます(左下図は水中衝撃波・気泡干渉)。 

事例紹介

JAXA在職時にイプシロンロケットの空力解析に携わりました。現在はこの経験を活かし、新しいロケットの設計に役立つ空気力学的な研究をJAXAと共同で続けています。

JAXAとの共同研究で、遷音速流れで生じるバフェット現象(衝撃波・境界層干渉)を精度良く解く数値計算法を研究しています。

・過去の実績:以前の所属研究室では、自動車会社と共同で車体ガラス表面上の雨滴とその軌跡の数値シミュレーションを行った実績があります。

相談に応じられるテーマ

空気力学

数値流体力学

混相流

超臨界流体

空飛ぶクルマ

主な所属学会

日本航空宇宙学会

アメリカ航空宇宙学会(AIAA)

日本流体力学会

主な論文

『イプシロンロケット マッハ0.7空力特性についての風洞試験と数値解析』,日本航空宇宙学会論文集  航空宇宙技術,Vol.10 (2011), pp.43-50.

Towards shock-stable and accurate hypersonic heating computations: A new pressure flux for AUSM-family schemes, Journal of Computational Physics, Vol.245, 2013, pp.62-83.

Experimental and Numerical Investigations of Slender Body Side Force with Asymmetric Protuberances,

Journal of Spacecraft and Rockets, Vol. 56, No. 5, 2019, pp. 1346-1357

https://arc.aiaa.org/doi/abs/10.2514/1.A34439

主な著書

  1. Kitamura, K., “Advancement of Shock Capturing Computational Fluid Dynamics Methods: Numerical Flux Functions in Finite Volume Method,” Springer Nature Singapore, 2020(単著). DOI: 10.1007/978-981-15-9011-5, ISBN 978-981-15-9010-8, (eBook) 978-981-15-9011-5
  2. 北村圭一,嶋英志,「空飛ぶクルマ ~空のモビリティ革命に向けた開発最前線~」『第3章 車体設計技術 第1節 空気力学による空飛ぶクルマ設計』,()エヌ・ティー・エス,2021(分担執筆). ISBN 978-4-86043-678-0 C3065

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