歯牙移動促進剤及び矯正歯科治療用キット

2022.10.13 By 新潟大学

薬学

技術概要

低侵襲であって、矯正歯科治療期間の短縮化を可能とする歯牙移動促進剤及び矯正歯科治療用キットを提供する。

用途・応用

薬理学、分子生物学、生化学、細胞生物学

背景

 矯正歯科治療は、歯に機械的及び物理的な力を付与することで歯の移動を行い、歯並び及びかみ合わせを改善する専門性の高い歯科治療である。矯正歯科治療を受診する患者数は、年々増加傾向にあり、従来の若年者の矯正歯科治療希望患者に加えて、近年は成人の矯正歯科治療希望者数の増加が顕著である。しかしながら、成人患者では、若年患者と比較して、物理的力を介して生じる歯槽骨、歯根膜等の歯周組織の改造が遅延することで歯の移動が遅くなり、結果として治療が長期化する傾向にある。治療の長期化は装置装着期間が長くなることを意味し、歯の刷掃性低下による歯肉炎、歯周炎のリスクが高くなることが懸念される。

 現在の矯正歯科治療の主たる装置としては、マルチブラケット装置やマウスピース型装置が挙げられる。これら装置は、曲げられたワイヤーや、変形した高分子弾性材の戻り力で歯に持続的な力を付与するものである。しかしながら、この持続的な力を用いた矯正歯科治療では、数年に及ぶ治療期間中、常に装置を歯列に装着する必要があり、患者の肉体的及び心理的負担は大きい。
 これに対し、矯正治療による歯の移動を促進するための従来技術として、歯槽骨に外科的手術を加えるコルチコトミー(歯槽骨皮質骨切除術)がある。

 一方、これまで、ROCK阻害剤は、抗がん剤、関節炎等の骨関連疾患の治療薬、疼痛の治療薬等として用いられてきた 。

課題

 しかしながら、コルチコトミーは、高度な治療技術を要し、外科的侵襲を加えるため、患者への負担が大きく、一般的手法には至っていない。また、ROCK阻害剤は、骨関連疾患の治療薬として用いられてきたが、これまで矯正歯科治療に用いられた事例はなかった 。

 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、低侵襲であって、矯正歯科治療期間の短縮化を可能とする歯牙移動促進剤及び矯正歯科治療用キットを提供する。

手段

 すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
 本発明の第1態様に係る歯牙移動促進剤は、 H A - 1 0 7 7 、 Y - 2 7 6 3 2 又 は そ れら の 薬 学 的 に 許 容 で き る 塩 を有効成分として含有する 。

 本発明の第2態様に係る矯正歯科治療用キットは、上記第1態様に係る歯牙移動促進剤と、歯列矯正具と、を備える。

効果

 上記態様の歯牙移動促進剤及び矯正歯科治療用キットは、低侵襲であり、矯正歯科治療期間を短縮化することができる。

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特許情報

特願2018-012950

JPB 006994243-000000