オープン・イノベーションのマネジメント

2022.08.23 By 横浜国立大学 大学院国際社会科学研究院 国際社会科学部門 真鍋 誠司

教育・社会・商経・文学

研究概要

私は、組織間(企業間・部門間)における関係性のマネジメントに着目した研究を行っています。

①オープン・イノベーション研究:オープン・イノベーションとは、端的に言えば「技術・知識・アイディアの源泉と活用を社外に求めることによって、イノベーションを興して成果を得ること」と私は解釈しています。特に自社の領域を越えて企業活動を行う戦略を「オープン化戦略」と定義し、オープン・イノベーションの戦略的な側面を中心に研究しています。オープン化戦略では、多くの場合、組織内外の関係性マネジメントがポイントになります。

②自工程完結研究:自工程完結とは、従業員一人一人が、後工程(カスタマー)のことを何よりも先に考えて、決して悪いものは造らず、仮に造ってしまっても後工程には流さないということを意味します。したがって、工程間・部門間の関係性のあり方を設計する必要があります。自工程完結そのものの取り組みについて詳細な実態調査を行うとともに、自工程完結の普及プロセスについても学術的に検討しています。

③サプライヤー・システム研究:日本自動車産業の競争優位の源泉は、自動車メーカー内部の生産システムや開発システムにおけるテクニカルな側面だけではありません。いわゆる系列と呼ばれるような、生産と開発を含めた部品取引関係(サプライヤー・システム)の優位性が特徴的であることが、これまでにも数多く議論されてきました。私は現在、「企業間の信頼」を鍵概念に、どのような種類の企業間信頼が重要であるのか、またサプライヤー・システムの関係性が変質するとともに企業間信頼はどのように変化するのか、について研究をしています。

アドバンテージ

理論と実務の間を往復することによって研究を洗練させていくため、単に先行研究を学術的に検討するだけでなく、企業に対して質問票調査や訪問調査を行ってきました。それらで得たデータについて定量的方法(統計学的方法)と定性的方法(事例研究法)を組み合わせて分析し、企業の戦略的な意図や行動のリアリティに迫ることを心がけています。

事例紹介

オープン・イノベーションについては、2018年より、一部上場企業A社におけるオープン・イノベーションの導入と定着について実践的研究を行っている。具体的には、研究開発技術者を対象に、オープン・イノベーションに関する質問票調査を実施し、オープン・イノベーションの導入と定着に関する課題を明らかにした。現在、それらの課題に対して、A社と協力して解決に取り組んでいる。

 

相談に応じられるテーマ

オープン・イノベーションのマネジメント

効率的な製品開発の調査と実践

ホワイトカラー(スタッフ部門)の生産性向上

主な所属学会

組織学会

日本経営学会

研究イノベーション学会

主な論文

Kosaka G., Nakagawa K., Manabe S. and M. Kobayashi, “The vertical keiretsu advantage in the era of Westernization in the Japanese automobile industry: investigation from transaction cost economics and a resource-based view,” Asian Business & Management, 19(1), pp.36-61, 2020.

真鍋誠司『R&D関連部門の物理的近接による逆機能発生のメカニズム―日産自動車の事例分析―』「組織科学第45巻第3 pp.35-4820123

Manabe S., K. Fujisue and S. Kurokawa, “A Comparative Analysis of EDI Integration in US and Japanese Automobile Suppliers,” International Journal of Technology Management, Vol.30 No.3/4, pp.389-214, 2005.

主な特許

特願 2017-227431  特開特許 6432120 「海外特許費用予測システム」高橋省吾, 本橋永至, 真鍋誠司, 岸本重雄, 金垠憲, 萩原亨

主な著書

安本雅典・真鍋誠司(編著)『オープン化戦略—境界を越えるイノベーション—』有斐閣  2017

真鍋誠司「長期的関係による信頼構築」加護野忠男・山田幸三(編著)『日本のビジネスシステム―その原理と革新-』(第2章)有斐閣  2016

問い合わせ・詳細資料閲覧

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特許情報

特願 2017-227431  特開特許 6432120

JPB 006432120-000000