ブラジル経済の現況とマクロ経済政策および財政政策の動向

2022.08.23 By 横浜国立大学 大学院国際社会科学研究院 国際社会科学部門 山崎 圭一

教育・社会・商経・文学

研究概要

ラテン・アメリカのブラジルを中心に、2019年からはニカラグア、ベネズエラ、キューバなども対象にいれて、実証研究をしています。経済開発を中心に調べていますが、とくに地域開発が専門で、更に絞った範囲でいえば、都市の住宅市場と公共的住宅(社会住宅)の供給システムの国際比較に焦点を当てています。公共住宅の提供には財政政策と金融政策を活用しますが、後者については強制貯蓄を原資とする公的開発金融のメカニズムが利用される場合があります。中国の住宅公積金制度、日本の財政投融資制度などがありますが、ブラジルではFGTS(就業年限保証基金)という強制貯蓄の資源が動員されています。財政、金融ともに弱い途上国では、公的住宅供給の実績が限定されており、UNHABITATによれば世界の不良住宅数(いわゆるスラム街)は近年増えています(一部は紛争難民の増加が要因)。この問題の緩和にむけての公共政策をめぐる諸問題を研究中です。

アドバンテージ

私の研究は、現地密着型で、とくに地方市場に力点をおいている点に優位性があります。第1に実際の事業の展開は、特定の都市や農村といった空間で展開されるわけで、その投資空間の特質(資源賦存、地方税制、腐敗状況、環境規制、消費者市場など)を理解しておくことは、ビジネスにとって重要です。第2に環境保全と人間開発の視点から分析しているので、環境や福祉の未来型マーケットの調査に向いています。第3に、途上国一般ではなく、人口の多い、マーケットとしての有望性の高いブラジルを専門としていることです。ただし、アジアやアフリカとの比較の視点も追究していますので、ブラジルだけを研究している専門家とは異なり、広い視野から分析ができます。第4に、市場と公的部門の双方を総合して分析している点に特徴があり(政治経済学的アプローチ)、経済社会の変動についてより現実的な評価ができると考えています。

事例紹介

製品開発に参加した経験はありませんが、論文リストに書いたように、学術雑誌以外に、国際貿易投資研究所の報告書、『貿易と関税』『エコノミスト』『ラテンアメリカ時報』『ブラジル特報』といった、投資関係者向けの雑誌に執筆した経験があります。企業の経営者、外務省(日本国)幹部の勉強会などで講演した経験があります。ブラジリアの都市政策公社の職員研修(ブラジル国)に招待され、ポルトガル語で講演をした経験があります。ブラジルに関する民放バラエティ番組の内容チェックの支援や、地方公共団体による途上国支援(自治体ODA)について、とくにブラジルへの都市廃棄物の処理支援に関する助言を行った経験があります。

相談に応じられるテーマ

-ブラジル経済の現況とマクロ経済政策および財政政策の動向

-ブラジルの地方市場の動態と展望とくに市郡(ムニシピオ)経済のマクロな動向

-ラテンアメリカの環境・福祉ニーズの把握

-ラテンアメリカの貧困層の社会的統合の進展度合い

-ニカラグア、ベネズエラ、キューバの動向

主な所属学会

ラテン・アメリカ政経学会

日本ラテンアメリカ学会

日本地方自治学会(2020年より事務局長)

主な論文

– 「ブラジルの2016年政変と政治の新しい動き」『エコノミア』第72巻第1号(202111月)

– Creating Institutional Advantage: Local Government Co-production with Community Groups in Asia Pacific Journal of Public Administration, Vol. 42, No. 3,DOI: 10.1080/23276665.2020.1776624, Co-authors: Yukio Kinoshita and Brian Dollery (published online in June 2020)

– “Humanitarian co-production in local government: the case of natural disaster volunteering in Japan” in Local Government Studies, DOI: 10.1080/03003930.2019.1702531, Co-authors: Brian Dollery and Yukio Kinoshita (published online in December 2019)

 

主な著書

-「(第5章)ベネズエラの民主化を阻む国際的同調圧力」(住田育法・牛島万共編著『混迷するベネズエラ :   21世紀ラテンアメリカの政治・社会状況』明石書店所収)、2021

-「(第6章)ラテンアメリカ経済社会の変化ブラジルの住宅政策に焦点を当てて」(後藤政子・山崎圭一共編著『ラテンアメリカはどこへ行く』ミネルヴァ書房所収)、2017

-『進化する政治経済学』レイライン,2013(単著)

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