放射線防護重装眼鏡の開発

2023.02.14 By 昭和大学 大学院保健医療学研究科 診療放射線領域 教授  加藤 京一

医学

研究者情報

大学院保健医療学研究科 診療放射線領域 教授
加藤 京一

関連キーワード

放射線被ばく、水晶体防護、放射線被ばく低減、放射線白内障、放射線防護眼鏡

シーズ内容や、それに関する特許などの情報について

背景として、ICRP が2011 年に疫学調査結果として、1990 年および2007 年に勧告した水晶体の混濁及び視覚障害のしきい線量(それぞれ5 Gy および8 Gy)が過小評価であるとし、水晶体のしきい線量を0.5mSv に改める発表を出し、これに伴い、水晶体等価線量限度を、「5 年間の平均が20mSv/ 年を超えず、いかなる1 年間においても50 mSv を超えないようにすべきである」ことが示された。
 本研究の概要は、これまでの放射線防護眼鏡を改良し、新JIS 規格(JIS T 61331-3)対応放射線防護眼鏡(重装)の開発を目指す。
■高い防護性能で医療従事者の眼を守る
 近年増加傾向にあるIVR 治療は、X 線透視下でカテーテルや針を用いて外科的手術なしに、低侵襲に治療する最先端の治療法。IVR 治療を行う医療従事者は、患者の体やX 線管から発する散乱線によって被ばくする。特に、眼の水晶体が被ばくすると内側の細胞に異常が起こり、その変形した細胞に
よって白濁が生じ白内障へと進行する。そのため、より一層の防護性能を持つ製品で医療従事者を守る必要がある

想定される産業への応用

〇 業界最高レベル(正面0.88mmPb, 側面0.50 mm pb)の含鉛ガラスレンズを持つ放射線防護眼鏡を開発する。高密度に鉛を含有させたガラスレンズにより、鉛当量0.88mmPb という業界最高レベルの実現を目指す。また、フレームにも鉛塗装を施し、側面や下面からの散乱線においても最高レベルの防護が期待できる。
〇 長時間の作業に集中できるフィット感を実現
医療の現場では、長時間にわたって作業をすることを考慮し、フレーム素材に超軽量・超弾性に優れるβチタンを採用し、また後頭部まで覆うことができるロングテンプル式のフレームにより、フィット感を向上させ、加えて、テンプル幅を調整できるため一人ひとりに合わせたフィット感の向上を目指す。また、シリコーン製エアークッションで作成されたノーズパッドにより、重量感を軽減し、掛け心地を追求する。
〇 IVR 治療を行う術者や患者介助につく医療スタッフの水晶体への放射線被ばくを低減し、放射線白内障の発生率を低減させられる可能性がある。

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