皮膚および毛髪の黒化促進剤、その黒化促進剤を含む黒化促進用外用剤 および黒化促進用飲食品

2023.02.13 By 昭和大学 久光  正  藤原 博士

医学

背景

 ヒュウガトウキは、セリ科植物のシシウド属に属し、九州南部の丘陵や山地に生える多
年性植物である。
 近年ではその効能の理活性が注目され、例えば、食欲増進、疲労回復、代謝機能の正常
化に用いること(特許文献1など参照)、抗肝炎剤、抗がん剤として用いること(特許文
献2、特許文献3など参照)などが提案されている。

 また最近では、トウキ類からの抽出物による美白効果、すなわち、メラニンの生成を抑
制する作用にも注目が集まっている。
 毛髪や皮膚の色を決定するメラニン色素は、メラノサイト(メラニン合成細胞)内のメ
ラノソームでチロシンから生合成される。紫外線や乾燥などの外的要因、老化やストレス
などの内的要因の影響によりメラニン色素が増加すると、皮膚の色に冴えが無く艶や透明
感が損なわれる「肌のくすみ」が誘発される。多くの女性が美容上の悩みとして肌のくす
みを挙げている。
 このような問題を改善するために、例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6など
には、トウキ類からの抽出物がメラニンの生成を抑制し、美白剤として有用であることが
開示されている。

 一方、メラノサイトのメラニンの産生量が少なくなると、白髪の直接的な原因になると
共に、肌を黒くしたい者にとっては、思いどおりに皮膚を黒くすることが困難になる。
 白髪は老化やストレス等により、メラノサイトやメラノソームの減少、またはこれら細
胞や器官の異常によるチロシナーゼの量や活性の低下、メラノソームの輸送阻害等が関与
すると考えられている。
 日本人の場合、黒色又は茶褐色などの髪が一般に好まれるが、加齢の結果として白髪が
多く現れる。これは、毛根部などに存在するメラニン細胞の数や活性の低下によりメラニ
ンが著しく減少することによるもので、美容的および心理的にも敬遠される傾向にある。

 抗白髪剤については、白髪の発生機序やメラニン色素形成機序等を参考に、有効物質を
スクリーニングするか、または、無作為に各種物質の白髪防止作用を検討することによっ
て得られた多種多様な成分の使用が提案されている。
 例えば、特許文献7にはイチジクやクワなどの抽出物が、特許文献8にはアキノノゲシ
の抽出物が、皮膚や毛髪の黒化に有用であることが開示されている。

 また、人の皮膚は紫外線に長期間曝露されると、紅斑、浮腫、蕁麻疹、肝斑(シミ)、
雀卵斑(ソバカス)や皮膚の老化(皮膚萎縮、しわ、乾皮症状、皮膚異常角化など)、老
人性色素斑、黒皮症、更に皮膚癌の危険など短期的および長期的に健康に悪影響が及ぶす
ことが知られている。白人などは日光性皮膚癌にかかりやすく、黒色腫(皮膚癌)のリス
クが高い。有色人種でも日光に長期曝露されると、皮膚癌や皮膚老化促進のリスクが増大
する。
 他方、皮膚においてメラニンは紫外線の有害な作用から皮膚を守る働きをしており、紫
外線照射時に生成され、肌の褐色化等に大きく影響している。

 最近の若年層は日焼けした肌色を好む傾向も一部では見られる。このような若者の多く
は、限られた範囲(サンタン領域)の自然光、または、特別に設計された紫外線光源を照
射して人工的にメラニンを産生する手段を利用している。しかし、この行為は前記したよ
うに皮膚の健康に悪影響が及ぶおそれがあり、前記したような天然植物由来の皮膚の黒化
剤が求められている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開平8-256724号公報
【特許文献2】特開平11-310536号公報
【特許文献3】WO 00/27224号公報
【特許文献4】特開2003-160463号公報
【特許文献5】特開2004-35440号公報
【特許文献6】特開2004-91351号公報
【特許文献7】特開2002-47130号公報
【特許文献8】特開2004-345959号公報

課題

 本発明はこのような従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、実使
用における安全性を確保すると共に、優れた皮膚および毛髪の黒化促進剤効果を示す、新
規な皮膚または毛髪の黒化促進剤、外用剤、飲食品を提供することである。

手段

上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ヒュウガトウキの抽出
物に、優れた皮膚および毛髪の黒化促進効果があることを初めて見出し、本発明を完成す
るに至った。

 すなわち本発明は、ヒュウガトウキの葉部および茎部の抽出物を単独の有効成分と し て、 メ ラ ニ ン 色 素 の 増 殖 率 を 高 め る こ と に よ り 黒 化 を 促 進 す る こ と を特徴とする皮膚および/または毛髪の黒化促進剤である。

 また本発明は、前記黒化促進剤を含むことを特徴とする皮膚および/または毛髪の 黒 化
促 進 用 外用剤である。

 また、本発明は、前記黒化促進剤を含み、さらに養毛成分を含むことを特徴とする 皮 膚
お よ び / ま た は 毛 髪 の 黒 化 促 進 用 頭皮頭髪用製剤である。

効果

 以上説明したように本発明は、天然由来の植物であるヒュウガトウキの抽出物を有効成
分とした新規な皮膚および毛髪の黒化促進剤、外用剤、飲食品であって、実使用に対する
安全性を有すると共に、皮膚および毛髪の黒化促進に対し優れた効果を示す。

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特許情報

5956107

JPB 005956107-000000