可視光画像解析による血流評価システム

2022.10.20 By 東京電機大学

医学

技術概要

薬剤や赤外カメラを用いず一般的なカラーカメラを用いて生体の血流動態の定量化と可視化を実現する技術。本技術を用いることで難治性潰瘍治療や乳癌治療時の乳房再建用皮弁形成などの簡便かつ正確な手術支援用診断が可能。また計測結果を皮膚表在へプロジェクションマッピングすることで非侵襲に処置箇所を明示できる。

用途・応用

・術前の組織の血流動態スクリーニング
・プロジェクションマッピングを用いた手術支援

背景

 通 称 P A D ( Peripheral Arterial Disease) と 呼 ば れ る 抹 消 動 脈 疾 患 は 、 心 臓 の 冠 動脈疾患と同様、血管内に脂質による沈着物が形成されて動脈が狭まり、血流が制限されることによって起こる病気である。PADの多くは下肢で発症し、治療せずにPADを放置すると歩行が困難になり、さらに重度の段階まで進むと足先に壊疽が生じて下肢切断に至る場合がある。また、PAD患者は、体内の他の部位でも動脈が狭まっている場合が多い。このため、PAD患者は、「心筋梗塞」あるいは「脳梗塞」を起こすリスクが高い状態にあると考えられる。

 P A D の 一 般 的 な 診 断 方 法 と し て 足 関 節 上 腕 血 圧 比 ( A B I : Ankle Brachial Pressure Index) の 検 査 が あ る 。 A B I 検 査 は 、 足 関 節 と 上 腕 部 の 血 圧 を 測 定 し 、 そ れ ぞ れ の 血圧測定値を比較して血流に問題があるか確認する。そこで、足関節の血圧が上腕部血圧より低い場合は心臓から足までの動脈に問題ありと疑われる。特に足の血流が悪くなると足の血圧が上腕部の血圧より極端に低くなり、抹消動脈疾患が疑われ、さらに超音波や血管造影などの精密検査が行われる。しかし、この検査では、抹消血管が壊死し、切断して治療すべき部位がどの箇所なのかが分かりにくいと言う問題があった。そのため、やむを得ず切断部位を必要以上に大きく画定する場合があった。

 一方、生体の末梢循環状態を客観的に知る技術として、指、手首、腕等を圧迫して末梢部分を虚血状態にした後に、開放を行い、そのときの末梢部分表面を光学的に計測して、末梢循環の程度を客観的に測定する方法が開示されている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開平11-089808
【特許文献2】特表2016-087326 

課題

 しかしながら、特許文献1にて開示された技術は、圧迫する部位と計測する部位とを同じとすることで、指先等の末梢部分の循環状態を評価することに特化しており、PADの診断に対して客観的な測定結果を提供するものではなかった。また、特許文献2にて開示された技術は、複数の部位、例えば、右手の指先と左手の指先、それぞれの圧迫から開放されたときの血液再充填時間を比較することで循環器系の評価を行うものであり、PADの診断に対して客観的な測定結果を提供するものではなかった。さらに、特許文献1,2にて開示された技術を装置化する場合は、構成が複雑となり、コスト的にも大きいものとなっていた。

 本発明は、前記背景におけるこれらの実情に鑑みてなされたものであり、PADの診断に対して、解剖学的な前頸骨系、後頸骨系、腓骨動脈系の支配領域についても守備範囲に含めて、より具体的に中枢血管系の疾患の予測を可能とするとともに構成が簡単で安価な構成も可能な血流評価装置を提供することをその目的とする。

手段

 本発明は、前記目的を達成するためのより具体的に中枢血管系の疾患の予測を可能とする血流評価装置である。本発明の一態様は、足首に装着され、駆血及び開放するための加圧手段と、該加圧手段から足指側に延在する足先部を有彩色で撮像する撮像手段と、該撮像手段が取得した画像を時系列で記録するとともに、取得した該画像を色空間に正規化する画像処理を行う解析手段と、前記画像処理結果を用いて前記足の血流状態を推定する推定手段と、を備えている。そして、該推定手段は、前記加圧手段を開放した後の前記画像の特定の表色に係る色度座標値の時間的変化を表示するとともに、時間的変化量を算出し、該時間的変化量が負となったときに回復状態に推移したと推定し、前記開放から前記回復状態までの回復時間を計測するものである。

効果

 本発明は、前記目的を達成するためのより具体的に中枢血管系の疾患の予測を可能とする血流評価装置である。本発明の一態様は、足首に装着され、駆血及び開放するための加圧手段と、該加圧手段から足指側に延在する足先部を有彩色で撮像する撮像手段と、該撮像手段が取得した画像を時系列で記録するとともに、取得した該画像を色空間に正規化する画像処理を行う解析手段と、前記画像処理結果を用いて前記足の血流状態を推定する推定手段と、を備えている。そして、該推定手段は、前記加圧手段を開放した後の前記画像の特定の表色に係る色度座標値の時間的変化を表示するとともに、時間的変化量を算出し、該時間的変化量が負となったときに回復状態に推移したと推定し、前記開放から前記回復状態までの回復時間を計測するものである。

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特許情報

特願2019-135288

JPA 2021016691-000000