細胞単離装置、細胞単離方法及び医療用鉗子システム

2022.10.20 By 芝浦工業大学

医学

技術概要

液吐出(ローラーポンプ)と剪断負荷(剪断力負荷機構)によって、2段階の単離処理を行うことで、従来の診断可能な濃度が1/12の時間に短縮される。市販のローラポンプとDCモータで作動するため、低コストで制作可能

用途・応用

単離した細胞のフローサイトメトリーによる腫瘍の悪性度診断。細胞タンパク質抽出への応用

背景

 従来、悪性腫瘍の手術において、不明瞭である腫瘍組織と正常な生体組織との境界を適切に見極めて手術を行うために、手術と並行して採取した生体組織についてフローサイトメトリにより迅速にがん診断をしながら手術を進める方法が行われている。

 特許文献1に記載のがん診断装置では、フローサイトメトリを適用するために生体組織を細かく粉砕して細胞を単離する方法として、ピペッティング処理を行っている。ピペッティング処理は、生体組織及び組織処理液を、ピペットにより繰り返し吸入し吐出する処理である。ピペッティング処理によって、生体組織が繰り返し加圧及び減圧されることで、生体組織が細かく粉砕され細胞が単離される。

【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開2017-198486号公報

課題

 特許文献1に記載のがん診断装置で用いられているピペッティング処理は、生体組織を細かく粉砕して細胞を単離するために一定の時間を要する。細胞を単離する時間が短いほど、生体組織を採取してから診断結果を出すまでの時間を短縮でき、手術時間の短縮化が図れる。

 上記事情を踏まえ、本発明は、悪性腫瘍の手術に要する時間の短縮化が可能な細胞単離装置、細胞単離方法及び医療用鉗子システムを提供することを目的とする。

手段

 本発明に係る細胞単離装置は、人体から切除して採取した生体組織を細かく粉砕して細胞を単離する細胞単離装置であって、前記生体組織と試薬等とを混合した懸濁液を流通させる循環流路と、前記循環流路に吸入口と吐出口とが接続されるポンプと、前記循環流路内のせん断負荷部に設けられる回転体と、を備える。

 本発明に係る細胞単離方法は、人体から切除して採取した生体組織と試薬等とを混合して懸濁液とし、循環流路内で前記懸濁液を循環させ、前記循環流路において、前記懸濁液に含まれる前記生体組織に圧縮応力を生じさせ、又は前記循環流路内の少なくとも一部の範囲にせん断速度を生じさせて前記懸濁液に含まれる前記生体組織にせん断応力を生じさせ、前記懸濁液に含まれる前記生体組織を粉砕し細胞を単離することを特徴とする。

 本発明に係る医療用鉗子システムは、人体から生体組織を切除して採取する医療用鉗子と、前記生体組織を運搬する水を前記医療用鉗子に供給する水供給部と、前記医療用鉗子内の、前記生体組織と前記水とを含む空気の吸引を行う吸引部と、前記吸引部から回収した前記生体組織を分離する分離部と、前記分離部から受け取った前記生体組織を粉砕する細胞単離装置と、前記細胞単離装置から受け取った前記生体組織を診断する迅速診断装置と、を備える。

効果

 本発明の細胞単離装置、細胞単離方法及び医療用鉗子システムによれば、悪性腫瘍の手術に要する時間の短縮化が可能である。

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特許情報

特願2019-193748

JPA 2021065172-000000