製薬評価用マイクロチップ灌流培養システムの開発

2022.09.27 By 東洋大学

医学

技術概要

少量の細胞および少量の薬剤で細胞の応答をmRNAレベルから蛋白レベルまで解析可能なため、薬剤耐性試験に適しています。血管内皮細胞の細胞応答については、現在、医科大学と共同研究を実施しており、血管内皮細胞から分泌される多種類の因子の検出が可能になっています。

用途・応用

細胞のストレス応答や薬剤反応を調べる

背景

 従来より、細胞の機能や応答を評価する場合には、細胞は主に培地を入れたウェルもしくはシャーレ内にて培養され、実験に用いられている。しかし、個別細胞の評価や細胞の応答を経時的に評価する場合には、少ない試料で、かつ灌流系で実験が行えることが望まれていた。

 このような背景より、近年、微細加工技術を応用した細胞培養用のデバイスの開発が進んでいる。これらはマイクロチップと呼称され、いくつかの研究成果が報告されている。

 こ れ ら の デ バ イ ス は 、 ガ ラ ス 、 シ リ コ ン ウ ェ ハ ー 、 PDM Sも し く は そ の 他 樹 脂 基 板 内 に 作製されたマイクロ流路内で各種実験を行うものである。サンプルや試薬および廃液の微量化が可能であるとともに、反応部の比界面積が大きいため、細胞の応答を効率よく行うことが可能である。また、培養部もしくは流路下部に測定器を設置することにより、リアルタイムでの評価を可能としている。

課題

 マイクロチップに設けられた流路は微細であるため、気泡や夾雑物の除去手段を設けたり、培地や薬液の急な流量変化を防止する手段を設けることは困難であった。そのため、マイクロチップを用いた細胞培養において培地などの薬液を培養部に通液する際に、培養部に気泡や夾雑物が流入したり、溶液交換やデバイスを移動させる時に流量が急に変化することがあった。この場合、細胞のなかでも特に接着性細胞は培養部内に混入する気泡や流速の急激な変化の影響を受け易いため、接着能力の弱い細胞においては、デバイス内に保持することが困難であった。

 本発明は、マイクロチップを用いた細胞培養において薬液を培養部に通液する際に、気泡や夾雑物の流入を防止し、また急な流量変化を防止することができるマイクロデバイス及びバイオアッセイシステムを提供することを目的とする。

手段

 本発明の第1の特徴は、培地供給用流路及び試料・薬液供給用流路のいずれか一方を培養部につなぐ流路切り替えバルブと、培地供給用流路と連通し培地が内部に充填された際に培地との比重差を用いて培地中の気泡及び夾雑物をトラップするチャンバーとを有するマイクロデバイスを要旨とする。

 本発明の第2の特徴は、マイクロ流路が表面に形成された基板を備える培養部と、培地供給用流路及び試料・薬液供給用流路のいずれか一方を培養部につなぐ流路切り替えバルブと、培地供給用流路と連通し培地が内部に充填された際に密度差により培地中の気泡及び夾雑物をトラップするチャンバーとを有するバイオアッセイシステムを要旨とする。

効果

 本発明によれば、マイクロチップを用いた細胞培養において薬液を培養部に通液する際に、気泡や夾雑物の流入を防止し、また溶液交換やデバイス移動時に急な流量変化を防止することができるマイクロデバイス及びバイオアッセイシステムが提供される。

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特許情報

特許第5892589号

JPB 005892589-000000