化合物、並びにそれを用いた糖化合物の検出材料及び検出方法

2022.09.22 By 東京電機大学

医学

技術概要

本技術は、π共役オリゴマーに側鎖を導入することで、糖化合物の検出に適した新規な化合物を合成した。そして、合成した化合物を用いた糖化合物の検出手段を提供するものである。低濃度の糖化合物を検出することができ、検出により蛍光色や蛍光強度が変化するため、目で見て判断できる糖センサーである。

用途・応用

・グルコースセンサー
・高蛍光材料

背景

 π共役オリゴマーは、二重結合や三重結合といった多重結合と単結合とを繰り返し持つ化合物の総称であり、古くから色素材料として用いられてきた他、最近ではその高い発光特性や電気伝導性を活かして、有機発光デバイスやナノデバイス等の材料として応用されている。このような応用例として、例えば特許文献1には、高分子有機半導体を形成するのに有用なπ共役高分子として、芳香環とブタジエン骨格とが互い違いに結合して主鎖を構成する化合物が提案されている。

 こうしたπ共役オリゴマーは、導入する側鎖により、発光特性や電子特性を制御するだけでなく、分子認識能を付与することもできる。例えば、詳細に設計されたπ共役オリゴマーは、生体高分子や金属イオンと強く相互作用したときに蛍光消光を示すことが期待される。このことから、様々なπ共役系オリゴマーが合成され、ケミカルセンサ材料への応用研究が行われている。

 ところで、グルコース等の糖類は、生体内における重要物質として広く知られており、生物のエネルギー源であるだけでなく、骨格形成、免疫等様々な生命現象に関与するとされる。また、糖尿病等といった特定の疾病の検査を初め、生体内の物質挙動の研究においては、血液や尿等の生体試料から糖化合物を検出する手段が求められる。そのような背景から、例えば特許文献2を初めとして、糖化合物の検出手段が数多く提案されている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開2016-65112号公報
【特許文献2】特開平06-229925号公報 

課題

 本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、糖化合物の検出に適した新規な化合物、及びそれを用いた糖化合物の検出手段を提供することを目的とする。

手段

 本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、それ自身が蛍光発光性を有するπ共役オリゴマーであるp-フェニレンエテニレン(p-フェニレンビニレンとも呼ばれる。)誘導体やp-フェニレンエチニレン誘導体においてフェニルボロン酸部位を結合したものは、グルコースやフルクトース等といった糖化合物の存在下でその蛍光が大きく変化し、糖化合物を検出するための試薬として有用であることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであり、以下のようなものを提供する。

 本発明は、下記一般式(A1)又は(B1)(以下各式は詳細資料に記載)で表す化合物である。

(上記一般式(A1)中、Ar 1 は置換基及び/又は環中にヘテロ原子を有してもよい芳香環であり、各Ar 2 はそれぞれ独立に置換基を有してもよい芳香環であり、Ar 3 は 少なくとも一つの-B(OH) 2 を有する、置換基を有してもよい芳香環であり、R 1 は 水素原子、又は炭素鎖の途中にヘテロ原子を含んでもよい炭素数1~20のアルキル基又はアルキルオキシ基であり、nは1~5の整数であり、下記二重結合及び破線の組み合わせで表す結合はそれぞれ独立に二重結合又は三重結合である。

 上記一般式(B1)中、Ar 1 は置換基及び/又は環中にヘテロ原子を有してもよい芳香環であり、各Ar 2 はそれぞれ独立に置換基を有してもよい芳香環であり、Ar 3 は 少なくとも一つの-B(OH) 2 を有する、置換基を有してもよい芳香環であり、nは1~5の整数であり、下記二重結合及び破線の組み合わせで表す結合はそれぞれ独立に二重結合又は三重結合である。) 

効果

 本発明によれば、糖化合物の検出に適した新規な化合物、及びそれを用いた糖化合物の検出手段糖化合物の検出に適した新規な化合物、及びそれを用いた糖化合物の検出手段が提供される。

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特許情報

特開2020-002024

JPA 2020002024-000000