骨増生用構造体

2022.07.20 By 日本大学

医学

技術概要

配向性コラーゲンチューブ及びシートを用いて簡便且つ安定的に骨を増生することができる、骨増生用構造体を提供する。

用途・応用

インプラント埋設時の骨増生

背景

 インプラント治療は、補綴治療方法の一種であり、多くの臨床の場で用いられるようになっている。インプラント治療の利点は、咬合力が向上する点、臨在歯への処置が不必要である点、可撤式の義歯ではなく固定式の補綴治療が可能である点、義歯の維持及び安定性が向上する点等、多岐に渡っている。一方、インプラント治療には、インプラント体の埋入可能な骨量が必要であり、骨量及び骨質による影響が大きい。

 

 歯周病等で歯槽骨を喪失している場合は、顎骨等から骨を採取して移植する自家移植を行うか、又はβ-TCP等の人工骨を用いて、インプラントを埋入部位の骨を構築する必要がある。自家移植は、骨誘導能が高く、抗原性が低いが、骨を採取するため、患者への外科的侵襲性が大きく、適用範囲が限られる。人工骨は、自家移植に比べて、感染抵抗性がやや劣る傾向がある。また、人工骨は、顆粒状であることが多いため、成形性に乏しく、メンブレン等の併用が必要である。さらに、自家移植及び人工骨ともに、十分な骨量を増生するまでに時間を要し、時間をかけても十分な骨量を増生できない場合がある。

 

 コラーゲンは、組織工学において細胞の担体として最も汎用されている生体材料の1つである。例えば、特許文献1には、配向されたコラーゲンゲルを、組織再生用に用いることが記載されている。

課題

インプラント治療等の骨量が求められる医療技術では、簡便且つ安定的に骨を増生することができる、骨の増生方法が必要とされている。
 そこで、本発明は、簡便且つ安定的に骨を増生することができる、骨増生用構造体を提供することを目的とする。

手段

本発明は以下の態様を含む。
[1]コラーゲンチューブと、前記コラーゲンチューブ内に収容されるコラーゲン構造体と、を含み、前記コラーゲンチューブ内の空隙率が、70~98%である、骨増生用構造体。
[2]前記コラーゲンチューブが、前記コラーゲンチューブの軸方向に配向性を有する、[1]に記載の骨増生用構造体。
[3]前記コラーゲン構造体が配向性を有し、前記コラーゲン構造体の配向性の方向が、前記コラーゲンチューブの配向性の方向と一致するように、前記コラーゲン構造体が前記コラーゲンチューブ内に収容されている、[2]に記載の骨増生用構造体。
[4]前記コラーゲン構造体が、軸方向に配向性を有する複数のコラーゲンストリングを含み、前記複数のコラーゲンストリングの配向性の方向と、前記コラーゲンチューブの配向性の方向とが一致している、[3]に記載の骨増生用構造体。
[5]前記コラーゲン構造体において、前記複数のコラーゲンストリングは、隣接する前記コラーゲンストリングの中心間の距離が100~400μmであるように配置されている、[4]に記載の骨増生用構造体。
[6]前記コラーゲン構造体がシート形状のコラーゲン構造体である、[1]~[5]のいずれか1つに記載の骨増生用構造体。
[7]前記シート形状のコラーゲン構造体が、巻回体を形成して、前記コラーゲンチューブ内に収容されている、[6]に記載の骨増生用構造体。
[8]前記コラーゲン構造体がチューブ形状のコラーゲン構造体である、[1]~[5]のいずれか1つに記載の骨増生用構造体。
[9]前記コラーゲンチューブに、複数個の前記チューブ形状のコラーゲン構造体が収容されている、[8]に記載の骨増生用構造体。
[10]前記複数個のチューブ形状のコラーゲン構造体が、外径が相互に異なる2種以上のチューブ形状のコラーゲン構造体から構成される、[9]に記載の骨増生用構造体。
[11]歯科用材料である、[1]~[9]のいずれか1つに記載の骨増生用構造体。
[12]歯槽骨増生用である、[10]に記載の骨増生用構造体。

効果

本発明によれば、簡便且つ安定的に骨を増生することができる、骨増生用構造体が提供される。

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