冷温感覚ディスプレイ

2022.09.16 By 東京都立大学

機械工学

技術概要

冷温感覚だけでもイメージ情報を伝達することができる冷温感覚ディスプレイ装置の駆動方法を提供する。

用途・応用

冷温感覚ディスプレイ

背景

 WO2008/010540(特許文献1)には、映像によって示されている映像の部分の温度状況を、映像の目的部分を触ることにより、直接的に触覚によって観察者に伝達することができる冷温感覚ディスプレイ装置が開示されている。このディスプレイ装置は、ディスプレイ・ユニットと、映像投影装置と、制御ユニットから構成される。ディスプレイ・ユニットは、表示部材を支持する支持台と、支持台の内部に配置された複数の熱電モジュールとを備えている。制御指令発生装置と複数の熱電モジュールとにより、観察者が触った表示部材の表示面の位置に表示されている映像(特定領域)に対応する映像表示部分を冷却または加熱する。

【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】WO2008/010540

課題

 従来の冷温感覚ディスプレイ装置では、表示面に必ず映像があるため、視覚と触覚によりディスプレイ装置が提示するイメージ情報を認識できる。しかしながら従来の装置で、映像を除いて冷温感覚だけで情報を提示した場合、従来の装置では、利用者に十分にイメージ情報を伝達することができない問題があった。

 本発明の目的は、冷温感覚だけでもイメージ情報を伝達することができる冷温感覚ディスプレイ装置 の 駆 動 方 法 を提供することにある。

手段・効果

 本発明の方法 が 駆 動 の 対 象 と す る 冷 温 感 覚 デ ィ ス プ レ イ 装 置 は、表面及び表面と対向する裏面を備え、利用者が手の平を接触させることができる表面積を有する被接触部材と、被接触部材の裏面に対して熱伝達可能に配置されて、冷却指令または発熱指令に応じて、被接触部材を部分的に冷却または加熱する複数の熱電モジュールと、冷却指令または発熱指令を発生する制御指令発生装置とを具備してなる冷温感覚ディスプレイ装置 で あ る 。 熱電モジュールは、例えばペルチエ素子を利用して構成することができ、電流の通電方向を変えることにより被接触部材の裏面を冷却したり、または加熱したりすることができるものである。その構造は任意であり、汎用品を使用することができる。なお表示の仕方によっては、冷却専用の熱電モジュールだけ、または加熱専用の熱電モジュールだけを使用してもよい。本発明においては、手の平に複数の熱電モジュールから同時に熱を伝達する(冷却と加熱の両方を含む)ことができる密度で、裏面に沿ってマトリックス状に配置されている。仮に手の平の面積が150cm 2であり、熱電モジュールの接触部の表面積が15cm 2であったとすると、同時に10個の熱電モジュールから熱が伝達される。このように複数の熱電モジュールの密度を増加させると、手の平を移動させることなくイメージ情報を伝達することが可能になる。そのため本発明によれば、従来よりも確実に冷温感覚だけでイメージ情報を伝達する(識別する)ことが可能になる。なお本発明の実施にあたって、映像表示を付加することは除外されるものではない。

 伝達性能または識別性能をより高めるためには、制御指令発生装置は、複数の熱電モジュールの一部に冷却指令及び発熱指令の一方を供給して被接触部材の一部領域を冷却または加熱するときに、被接触部材の一部領域の輪郭を手の平で感じる温度差で明示するように、冷却指令及び発熱指令の一方を供給した複数の熱電モジュールに隣接する複数の熱電モジュールに冷却指令及び発熱指令の他方を供給することが好ましい。このようにすると冷却または加熱によって形成されるイメージの輪郭を境にして温度が大きくなるため、イメージの輪郭の識別が容易になる。なおこの場合には、冷却と加熱の両方を行うことができる性能を備えた熱電モジュールをマトリックス状に配置する必要があるのは勿論である。

 また制御指令発生装置は、複数の熱電モジュールの一部への冷却指令及び発熱指令の一方の供給を終了した後、複数の熱電モジュールの一部に冷却指令及び発熱指令の他方を所定時間供給するのが好ましい。このようにすると、冷却または加熱に使用された熱電モジュールの温度を周囲温度に早期に復帰させることができる。そのためディスプレイ装置の応答速度を速めることができる。

 本発明の冷温感覚ディスプレイ装置の駆動方法では、複数の熱電モジュールの一部に冷却指令及び発熱指令の一方を供給して被接触部材の一部領域を冷却または加熱し、同時に冷却指令及び発熱指令の一方を供給した複数の熱電モジュールに隣接する複数の熱電モジュールに冷却指令及び発熱指令の他方を供給して、被接触部材の一部領域の輪郭を手の平で感じる温度差で明示する。

 なお冷却指令または発熱指令が供給される1つの熱電モジュールが、冷却指令または発熱指令が供給される複数の他の熱電モジュールと連続する状況になるときには、1つの熱電モジュールへの冷却指令または発熱指令の供給を停止してもよい。発明者は、人が手の平で二つの熱源の存在を識別する能力には、限界があり、二つの熱源の距離が近くなると、二つの熱源の存在を識別できなくなる現象があることを見出した。そこで手の平と対向するすべての熱電モジュールを冷却または加熱しなくても、利用者にイメージ情報を伝達することが可能になる。その結果、上記のように熱電モジュールを制御すれば、使用電力量を低減することができる。

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特許情報

特許5448174

JPB 005448174-000000