流体注入型アクチュエータ

2022.09.16 By 中央大学

機械工学

技術概要

膨張収縮するアクチュエータ本体を、弾性体から成る内側筒状部材と、これと同軸に配置される弾性体から成る外側筒状部材と、両者間に介挿される複数のカーボンロービング繊維からなる繊維層で構成する

用途・応用

アクチュエータ

背景

 近年、人工筋肉として、図11(a),(b)に示すような、ゴムチューブ51内にガラスロービング繊維などの強化繊維52kを束ねて成る繊維束52を内挿した軸方向繊維強化型アクチュエータ50が提案されている。
 このアクチュエータ50は、繊維束52をゴムチューブ51の軸方向に平行に内挿することで、ゴムチューブ51内に空気を注入して膨張させたときのゴムチューブ51の軸方向への膨張を抑制して、ゴムチューブ51を半径方向のみに大きく膨張させることにより、ゴムチューブ51を軸方向へ確実に収縮させることができる(例えば、非特許文献1,2参照)。

【先行技術文献】
【非特許文献】
【 非 特 許 文 献 1 】 松 下 : ゴ ム 人 工 筋 作 成 ノ ー ト ; 「 計 測 と 制 御 」 第 7 巻 第 1 2 号 (昭 和 43 年 1 2 月 ): p p 1 1 0 - 1 1 6
【非特許文献2】軸方向繊維強化型空気ゴム人工筋肉の開発;日本機械学会誌 2007.5 vol. 110 No.1062:p73

課題

 しかしながら、従来の軸方向繊維強化型アクチュエータ50では、周上に繊維束52がある場所とない場所があるため、ゴムチューブ51が膨張した場合には、図12に示すように、半径方向への膨張が繊維束52間のゴムに集中してしまい、そのため、半径方向の膨張を軸方向の収縮へ十分に伝達することができないといった問題点があった。
 また、ゴムチューブ51に高圧力の空気を送り込んだ場合には、繊維束52間のゴムが破裂してしまうことから、高圧時の耐久性能にも問題があった。

 本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、筒状体を膨張させて軸方向の長さを伸縮させる際に、半径方向の膨張を軸方向に効率よく伝達することができるとともに、高圧時の耐久性能にも優れた流体注入型アクチュエータを提供することを目的とする。

手段・効果

 本発明の請求項1に記載の発明は、弾性体から成る筒状体と筒状体の両端に設けられた蓋部材とで形成される空間に供給される流体の圧力により前記筒状体を径方向に膨張させ、前記筒状体の軸方向の長さを収縮させる流体注入型アクチュエータであって、前記筒状体が、前記空間側に配置される内側筒状部材と、前記内側筒状部材よりも外側において前記内側筒状部材と同軸に配置される外側筒状部材とから成り、前記内側筒状部材と前記外側筒状部材との間には繊維層が介挿され、前記繊維層が、前記筒状体の軸方向に延長する複数の繊維から成ることを特徴とするものである。

これにより、筒状体を径方向により均一に膨張させることができるとともに、高圧領域においても高い収縮量と収縮率を得ることができる。また、高圧時においても弾性体に応力が集中することがないので、アクチュエータの耐久性を向上させることができる。

 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の流体注入型アクチュエータにおいて、前記繊維を機械的な撚りをかけずに収束された無撚り繊維としたことを特徴とする。
 これにより、筒状体の径方向への膨張を更に均一にすることができる。
 請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の流体注入型アクチュエータにおいて、前記繊維層を複数層設け、当該繊維層間に弾性体から成る中間層を設けたことを特徴とする。
 これにより、高圧動作時において繊維層間の隙間によって起こるゴム層の破裂を抑制することができるとともに、繊維層自身の破断を防ぐことができる。したがって、高負荷時における耐久性を向上させることができるとともに、アクチュエータの長寿命化を図ることができる。
 請求項4に記載の発明は、請求項1~請求項3のいずれかに記載の流体注入型アクチュエータであって、前記繊維がカーボンロービング繊維であることを特徴とする。
 これにより、繊維層の強度を高めて耐久性を向上させることができるとともに、筒状体の径方向への膨張を確実に均一にすることができる。

 請求項5に記載の発明は、請求項1~請求項4のいずれかに記載の流体注入型アクチュエータにおいて、前記筒状体が、外周部に径方向への膨張を制限するリングを備えていることを特徴とする。
 これにより、筒状体を複数の領域に分割し、それぞれの領域を径方向に膨張させることができる。したがって、膨張時における筒状体の径と長さとの比を調整することができるので、膨張時の筒状体の形状を仕様に合わせて決定することができる。
 請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の流体注入型アクチュエータであって、前記リングの表面がゴム部材で被覆されていることを特徴とする。
 これにより、リングズレを防止できるので、リングズレによる筒状体の過度の膨張を抑制することができる。したがって、高圧時の性能を更に向上させることができる。

 なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。

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特許情報

特許第5416580号

JPB 005416580-000000