進行波伝達機構、移動装置及び搬送装置

2022.09.09 By 中央大学

機械工学

技術概要

駆動機構により変形し進行波を発生する進行波発生部材と、進行波を受け移動するための接地面である推進部材との伝達機構中に、推進部材を進行波発生部材側に吸引する吸引手段および両者の間に摩擦低減層を備える。

用途・応用

腹足移動機構

背景

 従来、ロボットを移動させるための移動機構の一つに、カタツムリなどの腹足運動を規範とした腹足移動機構が知られている。カタツムリは、進行方向に向けて進行する波(以下進行波という)を腹足に発生させ、進行波を接地面に伝達することで推進力を得ている。このような進行波を利用した移動装置には、例えば特許文献1で開示されているものが知られている。
 特許文献1では、外周に螺旋状の軌道が形成された円柱状のシャフトの外周面に、シャフトの軸線方向に沿って延在させた平板状の薄板を接触させ、軌道と接触した薄板に凹部を形成させることで波の要素を生成するとともに、シャフトを回転させることで波の要素を軸線方向に移動させることにより、進行方向に沿って進行する進行波を生成し、薄板に設けた摩擦材を介して進行波を接地面に伝達することで接地面上の移動を可能にする進行波生成装置及び壁面移動システムが開示されている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開2013-159243号公報

課題

 しかしながら、特許文献1の進行波生成装置は、簡単な構成で進行波の生成を可能にしているものの、進行方向に対する進行波の向きを容易に変更することができないという問題がある。接地面と接する摩擦材には、推進力を得るための摩擦が必要とされるが、進行波の向きを変更するためには、摩擦材を接地面に対して擦りつけるように向きを変更しなければならないという問題がある。

 そこで本発明は、上記課題を解決するため、進行方向に対する進行波の向きを容易に変更することが可能な進行波伝達機構、及びこれを用いた移動装置及び搬送装置を提供することを目的とする。

手段・効果

 上記課題を解決するための進行波伝達機構の構成として、駆動機構の動作により変形する進行波発生部材と対向する推進部材に、進行波発生部材の変形により生じる進行波を伝達する進行波伝達機構であって、推進部材を進行波発生部材側に吸引する吸引手段と、進行波発生部材と推進部材との間に設けられ、進行波発生部材と推進部材との摩擦を低減する摩擦低減層とを備えたので、進行方向に対する進行波の向きを円滑に変更することが可能となる。
 また、進行波伝達機構の他の構成として、吸引手段が進行波発生部材に設けられた磁石と、推進部材に設けられた磁性体により構成されたので、進行波発生部材で発生した進行波を確実に推進部材に伝達することができる。
 また、進行波伝達機構の他の構成として、摩擦低減層が進行波発生部材又は推進部材、あるいは進行波発生部材及び推進部材に設けられた摩擦低減材により構成されたので、進行波発生部材と推進部材との間に生じる摩擦を確実に低減できる。
 また、上記いずれか記載の進行波伝達機構を備えた移動装置の構成として、進行波発生部材により生じる進行波の向きを変更する進行 波 変更機構を備え、推進部材を接地面として移動するので、推進部材に進行波を伝達しながら、推進部材に対する進行波発生部材の向きを変更できるため、移動装置を自由に移動させることができる。
 また、上記移動装置の他の構成として、軸周りに回転し、外周に設けられた螺旋状の軌道に沿って進行波発生部材を変形させるシャフトを有する進行波発生機構と、進行波発生機構を推進部材に対して回転させる進行 波 変更機構と、を備え、推進部材を接地面として移動するので、進行波発生機構を簡単に構成できるとともに、接地面として設けられた推進部材に進行波を伝達しながら推進部材に対する進行波発生部材の向きを容易に変更できるため、移動装置を自由に移動させることができる。
 また、上記いずれか記載の進行波伝達機構を備えた搬送装置の構成として、進行波発生部材により生じる進行波の向きを変更する進行波変更機構を備え、推進部材を搬送面として被搬送物を移動させる構成としたので、搬送面として設けられた推進部材に生じた進行波を被搬送物に伝達しながら、推進部材に対する進行波発生部材の向きを変更できるため、進行波の進行方向に沿って自由に被搬送物を搬送できる。
 また、搬送装置の他の構成として、外周に設けられた螺旋状の軌道に沿って進行波発生部材を変形させるシャフトを有する進行波発生機構と、進行波発生機構を推進部材に対して回転させる進行 波 変更機構とを備え、推進部材を搬送面として被搬送物を移動させるので、簡単な構成で被搬送物を搬送する進行波を発生できるとともに、搬送面として設けられた推進部材に進行波を伝達しながら推進部材に対する進行波発生部材の向きを容易に変更できるため、進行波の進行する方向を変更して被搬送物の搬送方向を自由に変更することができる。

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特許情報

特許第6332788号

JPB 006332788-000000