空中・液中を浮遊するナノ微粒子の材質と大きさを触らずに測る

2022.10.13 By 群馬大学

数理科学

技術概要

空中・液中を浮遊するナノ微粒子の材質と大きさを、採取することなく非接触計測する技術です。採取して集めると、ナノ微粒子は爆発的に凝集して元の姿を失います。空間分布や成長履歴の貴重な情報も失われます。2色の偏光を粒子に照射しその散乱光強度を観測することで、粒子の屈折率(材質情報)と大きさを同時決定します。

用途・応用

・エンジン筒内で数十ミリ秒オーダの短時間で発生・成長・するすす粒子の成長過程解明
・半導体・液晶パネル製造過程における表面付着異物のサイズと材質同定
・海洋を浮遊するマイクロプラスチックと微生物の分離計測

背景

 自動車の排気ガスに含まれる微粒子や、大陸から飛来する砂のようなエアロゾルは、粒径が1μmを下回るサブミクロン粒子を多く含むことが知られているた、近年の液体微粒化技術発展と共に、術平粒径が数点 mオーダの微細噴霧生成が可能となってきており、その粒径分布の下限は、 もはや1μm以下の領域にあると推定される。このようなサブミクロン粒子 の振る舞いを把握するためには、その粒径計測法の確立が必須の課題である 

  本発明の技術分野に近い先行技術文を特許文献1及び非特許文1に示特許文1には本願発明者による本願発明の基礎技術である、粒径計測及び粒径計測方法が開示されている。非特許文献1には、1nm ~10μmオーダのサブミクロン領域を含む粒 径範囲を対象とした粒径計測法について記載されており、それぞれの粒径範囲に応じた計測法の特性についての記載がある。なお、粒径計測法は、主に接触式と採取式に大別される。 

 非接触式粒径計測法は、主にレーザ光を用いたものであり、散乱パーンを用いーザ回折法、散乱光強度を用い散乱法、粒子運動による散乱光の波数変動を用いた動的光散乱法などが知られている。これらは、プロ ーブとしてレーザ光を用いるため、非触計測が可能であり手法によっては2次元計測が可能という大きな利点を有する。

 レーザ回折法及び光散乱法は、100nm~100umオーダの粒径計測範囲を有し、燃料噴霧、粉体などの粒径計測に幅広く用いられている。しかしながら現状では、平均粒径が1μm以下の粒子そのまま適するには多くの困難を伴う

 動的光散乱法は、1nm~1umオーダとめて微小な粒径計測が可能であり、火炎中の微粒子生成過程の観察に適用されて大きな成果を挙げている 。しかしながら、強力なレーザ光源と複雑な信号処理が必要なため、また点 計測を基本とするため2次元データ取得に、数多くの実験を必要とするため、その実用に至るまでには、多くの困難があった。

 粒子を採取して分析する採取式粒径計測法として、光学・電子顕微鏡をいた計測法、慣性衝突法、重力沈降・遠心沈降法、電気的検知帯法、静電 分級法など数多くの手法が知られている。このような採取式粒径計測法では、手よっては1nmオーダと極めて微小な粒径計測が可能である。しかしながら、粒子を採取して分析する必要があるため、粒径の空間分布や時間変化といった貴重な情報が失われてしまうという問題がある

 一方、レーザ光を用いたサブミクロン粒径計測として、偏光比法が知られている。偏光比法は、エアロゾルの粒径計測法として発展してきた手法であり、火炎中の微粒子生成過程の観察され、大きな成果をあげている 偏光比法は、粒子からの散乱光に含まれる2つの偏光成分の強度比がその粒径に依存する性質を利用しものである。

 偏光比法を用いた粒径計測方法は、レーザ波長よりも小さい粒子でも計測が可能であり、非接触での粒径計測が可能であるとう大きな利点を有する 。しかしながら、計測可能な粒径囲が狭現状では1nm~100nm限定される。
 
 この
ため、偏光比法は先述のレーザ回折法や散乱光法などと粒計測範が重複しておらず、両者の間を埋める粒径計測法の開発が求められている。

行技術文献 

許文献
許文献1:特許第5517000号公報 

特許文献 
非特許文献1:櫻井博、粒子の気中数濃度と粒径分布の計測技術と標準、産総研計量標準報告、産業技術合研究所、Vol.4、No.1、53-63。

課題

  特許文献1に示す特では、発明は、被計測粒子に非接触で粒径を計測でき、かつ、計測可能な粒径囲の拡大を可とする粒径計測装置及び粒径計測方法を実現した。但し、特許文1で計測可能な粒径範囲は、数百nm~1m程度であり、10nmを下回る数nm程までの、極めて極小な粒径を有する粒子、特許文献1に記載の技術も適用できていない。 

 乗用車等のエンジンのシリンダ内燃料する際、ピストン内部では間的にすすが生し、極僅かな時間の間にすすが成長する。これらのすす粒子は、数nmから数10nm度の極めて極小な粒径を持つ。のような 、極て短時間の間に発生し長する極小微粒子の粒径を計測することは、 当然に非接触でないと不可能であり、これまで実現できる手法が在しなかった。

 また、炎の内部で発生するすすは、単一の粒径で構成されない。概ね対数正規分布に従い、平均値と分散を有する。また、粒子の成元素とその結合 構造から決まる特有の光学定数である屈折率を呈する。すす粒子の計測には、単に粒径を求めるだけでなく、粒径の平均値、粒径分散、粒子の数、屈折率等を併せて把握する必要がある。 

 本発明は係る状況に鑑みてなされたものであり、非接触かつ極短時間で、被計測粒子の粒径と、粒径の平均値、粒径分散、粒子の数、屈折率を推定 する可能な、粒子群計測装置を提供することを的とする。

手段

 上記課題を解決するために、本発明の粒子群計測装置、計測対象を通過る光路に第一の波長を有する第一の光を照射る第一光源と、光路に、第 一の波長と異なる第二の波長を有する第二の光を照射する第二光源と、光路 から、計測対象を中心として光路を含む観面に平行な方向に予め定められた散乱角+日の位置に配置される、第光源の光を受光して第の散乱 光強度データを出力する出力する第一偏光カメラと、光から、計測対象を として、観面に平行な方向に予め定められた散乱角度-0の位置に配 置される、第二光源の光を受光して二の散乱光強度データを出力する第偏光カメラとを備する。

  更に、想定される粒子群における、散乱光強度理論値が格納さる光強度フィールドと、屈折率が格納される屈折率フィールドと、準偏差が格納れる標準偏フィールドと、平均粒径が格納される平均粒径フィールドと、 粒子数が格納される粒子数フィールドとを有する散乱光強度理論値テーブル と、散乱光強度データと散乱光強度理論値とを比較して、最も類似度が高いレコードから屈折、標準偏差、平均粒径、粒子数を出力する距離極小値演 算部とを具備する。

効果

 本発明によれば非接触かつ極短時間で、被計測粒子の粒径と、粒径の均値、粒径の分散、粒子の数、屈折率を推定するとが可能な、粒子群計装置を提供することができる。 

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特許情報

WO2020/096038

WOA1020096038-000000