光散乱体の光学的測定方法

2022.09.09 By 筑波大学

数理科学

技術概要

光源波長の等倍~数十倍のサイズを有する微粒子(10nm~)に光を照射して分析する光計測システム。照射する光の集光スポットを微粒子の表面位置に合うように調整し、その散乱光の情報から微粒子の 3 次元形状および成分を推定することを特徴とする。

用途・応用

光学計測装置

背景

 従来、光学的に粒子の大きさや粒子間距離を計測、読取する技術として、レーザー顕微鏡、ホログラフィック顕微鏡がある。その他、光学顕微鏡、顕微赤外分光法、顕微ラマン分光法等の手段がある。

 レーザー顕微鏡は、レーザーとレンズを用いて、レンズの結像から光散乱体の形状や大きさを読み取る装置である(非特許文献1および非特許文献2参照)。

 ホログラフィック顕微鏡は、光散乱体由来の光と平面波を干渉させ、その干渉縞を取り、干渉縞の変動周期とその強度を解析することで光散乱体の形状や大きさを読み取る装置である(非特許文献3参照)。

 光学顕微鏡は、白色光とレンズを用いて、レンズの結像から光散乱体の形状や大きさを読み取る装置である(非特許文献4参照)。

 顕微赤外分光法は、赤外光と集光システムを用いて、散乱体の吸収スペクトルから光散乱体の消光係数(あるいは吸収係数)を読み取る方法である(非特許文献5参照)。一般に、この方法で粒状の試料から、フィルム状の試料と同様の定量的なスペクトルを得るのは難しい。

 顕微ラマン分光法は、可視光とレンズを用いて、散乱体のラマン散乱スペクトルから光散乱体の散乱成分を読み取る方法である(非特許文献6参照)。

 上記5つの計測装置、方法においては、輪郭の評価を単にコントラストの違いだけで行っているため、実際の厳密な輪郭とは異なる。コントラストは輪郭ではなく、光の散乱強度の変化が最も大きい場所に現れる。この場所は必ずしも物理的な輪郭とは一致しない。したがって、厳密な粒径の評価や距離の計測のためには、後記する本発明で示されるように光散乱の計算を合わせて行う必要がある。

 光散乱の計算手法としては、Mie散乱理論、フラウンホーファー近似やFDTD(時間領域差分)法、境界要素法が知られている。

【非特許文献】
【非特許文献1】土渕毅、藤井岳直:「フーリエ変換赤外分光光度計および走査型共焦点レ ー ザ 顕 微 鏡 を 用 い た 繊 維 異 物 に 対 す る 多 角 的 ア プ ロ ー チ 」 、 島 津 評 論 、 65〔 1・ 2〕 、 109‑115 (2008)
【 非 特 許 文 献 2 】 Edward T. F. Rogers他 : " A super‑oscillatory lens optical microscope for subwavelength imaging" , Nature M aterials 11,432‑435(2012)
【 非 特 許 文 献 3 】 Inkyu M oon, M ehdi Daneshpanah, Arun Anand と Bahram Javidi:”CellIdentification Computational 3‑D Holographic M icroscopy”,Optics & Photonics News, June, 2011
【 非 特 許 文 献 4 】 野 島 博 編 : 改 訂 第 3 版 「 顕 微 鏡 の 使 い 方 ノ ー ト : は じ め て の 観 察 か ら イメージングの応用まで」、羊土社(2011)
【非特許文献5】田隅三生編著:「赤外分光測定法-基礎と最新手法」、エス・ティ・ジャパン(2012)
【 非 特 許 文 献 6 】 Chris Tachibana:”LIFE SCIENCE TECHNOLOGIES Innovation in Japan Results from Reforms”, Science, vol.332, No.6078, 249‑255 (2012)

 

課題

 本発明の課題は、光散乱の厳密な計算の方法を用いて、光散乱体の大きさ・形状や光散乱体間の距離を精度よく評価することであり、また、この評価を用いて、粒子の形状・大きさ複素屈折率、粒子間の距離を高速に計測することであり、さらに、この計測手段を用いて、回折限界を超える密度の光メモリを実現することである。本発明のこれらの課題を、さらに従来の問題点とともに、以下、説明する。

 まず、一つの光散乱体における課題について説明する。一つの光散乱体の大きさ、形状の評価について、従来、光散乱から粒径を評価する検討はなされてきたが、粒子を球形で近似したり、フラウンホーファー近似で計算したりしていたため、その精度はあまり高くなかった。そのため、たとえば、光学的手段による粒度分布の計測は簡便ではあるが、信頼性が不十分であった。

 光散乱体の大きさと形状を正確に評価できれば、複素屈折率の値を仮定することで、光散乱の散乱パターンを計算によって取得できるはずである。そのためには、散乱の角度分布を厳密に計算する必要があったが、任意の形状について厳密に計算する手段は存在しなかった。

 本発明は、上記従来の問題を解決することを目的とするものであり、屈折率を発生する部材による光の散乱パターンと、屈折率を発生する部材の複素屈折率および分布の形状の関係を明らかにして、屈折率を発生する部材の複素屈折率および分布を、精度よく、非破壊で、高速に測定する技術を実現することを課題とする。

 具体的には、本発明は、光散乱の角度分布の実験値と計算値を比較することで、複素屈折率を求め、この複素屈折率に基づいて、吸収スペクトルを得る課題の一つとする。

 例えば、散乱光の波長を変えて複素屈折率を求めれば、各波長ごとの複素屈折率の虚部にあたる消光係数kを求めることができる。消光係数から、吸光係数α が定まるので、単位長さに対する吸収スペクトルを得ることができる。さらに、粒子形状・大きさと複素屈折率から、特定の波長における粒子の吸収スペクトルを得ることができる。

 従来は、吸光度は試料形状の影響を受けるので定量は難しかった。そのため、前処理として、細かく砕いてフィルムにしたり、溶媒に溶かしたりしていた。しかし、上記のように、微粒子試料の吸収スペクトルを、そのまま、定量的に計測できれば、試料の前処理を省略で、非破壊で分析可能となる。

 このような分析が可能となれば、微小細胞の分析においても役に立つ。即ち、細胞懸濁液を細い流路に通すことで、細胞が1 列に並んで流れるが、この1 列に流れる細胞に対してレーザー光を照射することで、細胞ごとの散乱光を解析するフローサイトメトリーとよばれている( 非特許文献2 6 ) 技術にも適用可能となる。

 一例をあげると、循環腫瘍細胞( C T C s ) と呼ばれるがん細胞は、赤血球や白血球よりもサイズが大きいため、区別が容易にできる( 特許文献6 ) 。また、この細胞は、近赤外におけるラマン散乱が正常細胞と異なることが分かっている( 非特許文献2 7 ) 。散乱光から、定量的な、ラマン散乱のスペクトルが得られれば、循環腫瘍細胞を見つける精度が向上できる。

 次に、二つの光散乱体間の距離計測における課題について説明する。2 つの屈折率を発生する部材間の距離について、フラウンホーファー回折に基づいたスリットのような光軸方向に高さのない形状に適用される距離の測定方法を、例えば凹凸等の高さのある形状に適用すると、次のような問題があることが、本発明の技術開発の過程で明らかとなっている。

( 1 ) 屈折率を発生する部材の形状によっては、フーリエ変換によって得られる距離が、実際の距離と異なる。
( 2 ) 屈折率を発生する部材の形状が同じでも、高さや幅が異なる場合、フーリエ変換によって得られる距離が、実際の距離と異なる。

( 3 ) 上記( 1 ) ( 2 ) のように高さの影響が考慮できないので、平板に埋め込まれており、平板と屈折率差が小さいが高さのある領域について、取り扱いができない。

 また、スリットを記録媒体に用いた場合、次のような問題がある。
( 1 ) 透過率が低くなるので多層化が難しい。
( 2 ) 多数の屈折率を発生する部材がある場合、端の屈折率を発生する部材からの距離を求めるには、端の屈折率を発生する部材にあたる入射光の輝度を上げるという光源側の工夫が必要である。
( 3 ) スリットの作成が面倒であり、さらに、いったんスリットを形成するとスリットの位置を変更できないので、書き換えができない等の問題がある。

 ところで、従来の光記録技術である相変化型記録は、記録密度が記録用レンズの集光径によって制約を受けるため、記録密度を上げるのが難しいという問題がある。また、ホログラム記録は、その実施に必要な装置は複雑であり、さらに、記録面の屈折率分布も複雑であるため、記憶媒体等の作成、品質管理等が面倒であるという問題がある。

 一方、従来の計測技術である共焦点顕微鏡についても、対物レンズの集光径によって制約を受けるため、計測精度を上げるのが難しいという問題がある。

 本発明は、上記従来の問題を解決することを目的とするものであり、屈折率を発生する部材が2 つの屈折率を発生する部材である場合、該部材による光の散乱パターンと2 つの屈折率を発生する部材間の距離および分布の形状の関係を明らかにして、2 つの屈折率を発生する部材間の距離を、精度よく、非破壊で、高速に測定する技術を実現することを課題とする。

 さらに、本発明は、多層化が可能で記録密度を大きく向上でき、記録媒体の作成、品質検査が容易にでき、計測が非破壊で高精度にできる、高密度記録媒体の計測、読取等に利用可能な光学的計測技術を実現することを課題とする。

手段

 以下、課題を解決するための手段として、本発明の光学的測定方法、光学的記録媒体及び光学的測定装置について、それぞれ3 つの態様を、光学的測定方法( 1 ) ~ ( 3 ) 、光学的記録媒体( 1 ) ~ ( 3 ) 、光学的測定装置( 1 ) ~ ( 3 ) として説明する。

( 光学的測定方法( 1 ) )
 本発明は上記課題を解決するために、入射光の光軸から0 . 0 5 ラジアン( rad) 以上はずれた散乱光の強度分布と、周期的な構造に関する光学的計算手法を周期の1 / 3 よりも長径が短い孤立した光散乱体に適用して算出した散乱光の強度分布を比較することによって、光散乱体を計測することを特徴とする光学的測定方法を提供する。

 光散乱体の長径より、計算の周期を3 倍以上にすることになる。より好ましくは、計算の周期を長径の1 0 倍以上とする。長径に対する周期が大きいほど、より正確な散乱強度が計算できる。周期的な構造に関する光学的計算手法とは、一般に、周期的回折格子やプリズムアレイなどの周期的な構造の光散乱を計算する方法である。

 周期の1 / 3 より長径が短いとは、計算に用いる周期の1 / 3 より、計算に用いる構造の長径が短いということである。計算に用いる構造は、散乱体の構造を一部切り出したものであってもよい。散乱光の強度分布とは、透過光や反射光の角度分布や波長分布である

 本発明の技術的な要点は、計算の周期が、散乱体の大きさより十分大きければ、孤立した散乱体の光散乱特性と一致することを利用して、任意の形状について厳密かつ高速に光散乱特性を計算することにある。また、この計算結果から、様々な形状で、散乱パターンの変動周期から、大きさを読み取ることができることを見出した点にある。

 本発明はまた、入射光の光軸から0 . 0 5 ラジアン( rad) 以上はずれた散乱光の角度又は波長に対する強度分布を用い、周期的な構造に関する光学的計算手法を用いて計算した散乱光の強度分布と、強度が変動する周期を比較することによって、光散乱体の大きさや形状を計測する光学的測定方法を提供する。

 散乱光の強度は、散乱体が一つの微粒子である場合、典型的には入射光の光軸近傍に強い一つのピークが現れる。その角度から少し離れた角度に小さいピークが角度の正弦に対して等間隔に現れる。( 非特許文献8 参照) このピークの間隔は粒子の径が大きくなると、小さくなるので、計算と実験結果を対応させることで粒子の径を見積もることができる

 このピークの間隔を評価する方法の一つにフーリエ変換がある。フーリエ変換したデータをプロットするとピークが得られる。このピークの横軸は、散乱光のピーク間隔の逆数に対応している。

 角度分布でなく、波長分布についても、波長の逆数に対して、散乱強度が周期的に変動する。波長の逆数に対する変動をフーリエ変換すると、ピークの横軸から、粒子の径を見積もることができる。

 周期的な構造に関する光学的計算手法としてはフーリエモーダル法が好ましく。その一種である厳密結合波解析( R C W A ) が、精度の検証等がなされており信頼性が高いことから、特に好ましい。なお、散乱光の計測後に計算するのではなく、あらかじめ、予想される散乱強度の分布を計算したデータを用意しておいてもよい。

 周期的な構造に関する光学的計算手法において、粒径よりも周期をずっと大きくすることで、任意の形状の孤立した粒子の散乱強度を計算できる。なお、周期は、粒子の長径の3 倍以上が好ましい。より好ましくは6 倍以上である。周期を大きくする方が、より孤立した状態で計算することができるので値が正確になる。

 散乱体が二つの微粒子あるいは凸部である場合については、後で詳述し、ここではその概略を述べる。散乱光の角度分布のピーク間隔が等間隔になることは、微粒子が一つの場合と同様である。また、散乱光の波長分布の場合についても、微粒子が一つの場合と同様、ピーク間隔が等間隔となる。さらに、微粒子が一つの場合と同様、この間隔の逆数が、距離に対応している。

 本発明はまた、入射光の光軸から0 . 0 5 ラジアン( rad) 以上はずれた散乱光の強度分布を用い、周期的な構造に関する光学的計算手法を用いて計算した散乱光の強度分布と、散乱強度を比較することによって、光散乱体の複素屈折率を計測する方法を提供する。

 屈折率分布として、ここでは微粒子を考える。微粒子に入射した光は、前方散乱、後方散乱または吸収される。微粒子に入射した光量でそれらの値を割ることで、前方散乱された光や後方散乱された光の割合を知ることができる。

 入射光から散乱光量を引くことで、吸収光量を得ることができる。微粒子の形状と複素屈折率のおおよその実部が分かれば、複素屈折率の虚部( 消光係数) を得ることができる。消光係数から吸収の割合を計算できるので、実験値と対応させることで、消光係数の実験値を得ることができる。

 本発明はまた、散乱光の波長に対する強度分布を用い、周期的な構造に関する光学的計算手法を用いて計算した散乱光の消光係数から、光吸収や光路長を算出する、分光スペクトルの光学的測定方法を提供する。

 波長ごとに、複素屈折率評価を行うことで、粒子の吸収スペクトルを算出することができる。フィルムでは、波長によって光路長は変化しないが、粒子では波長ごとに、光路長が異なると考えられる。そこで、光路長を計算と実験から評価する。評価の方法としては、消光係数をわずかに変えた時に、前方散乱あるいは後方散乱される光量から、どのくらい吸収量が変化するかを計算する。

 消光係数から得られる吸光係数と光路長の積から、吸収量を見積もることができる。吸収量の変化から、光路長が得られるので、単位長さ当たりの吸収スペクトルを得ることができる。同様にして、単位長さ当たりの散乱スペクトルを得ることもできる。散乱スペクトルの例として、ラマン散乱が挙げられる。

 本発明は、光散乱体の形状を計測すること及び該光散乱体の散乱光を計測することを、該光散乱体を動かさずにでき、該形状に基づいて散乱強度を周期的な構造に関する光学的計算手法を用いて計算することにより、光散乱体を計測する光学的測定方法を提供する。

 光散乱体の形状を計測した後、光散乱体を動かさずに散乱光を計測することにより、光散乱体の正確な位置情報を元にした光散乱の計算結果が得られるので計測精度が上がる。

 光散乱体の固定方法の一つとしては、平滑で透明なガラス板の上に載せる方法が挙げられる。必要であれば、光散乱体をマッチングオイルに浸して、散乱光の集光のために液浸レンズを用いてもよい( 特許文献3 参照) 。もう一つの方法として、カーボンナノチューブの先端に固定する方法が挙げられる( 特許文献4 参照) 。さらに、第3 の固定方法として、特許文献5 のように集光位置に光圧で試料を固定する方法が挙げられる。

 光散乱体に入射する光量の測定方法としては、市販のパワーメータ及びビームプロファイラを使うことができる。白色光源としては、市販のハロゲンランプや白色L E D レーザーを用いることができる。

 散乱光の角度分布を測定する装置としては、市販のスペクトラムアナライザや、C C Dイメージセンサ、パワーメータが挙げられる。波長分布を測定する方法としては市販のスペクトラムアナライザを挙げることができる。前方散乱または後方散乱の総量を知る方法として、市販の積分球が挙げられる。

( 光学的測定方法( 2 ) )
 本発明は上記課題を解決するために、光を散乱させて測定・解析するための入射光波長の最小値をλ とするとき、周囲と屈折率の異なる2 つの光散乱体の間の距離が0 . 4 λ 以上1 0 0 λ 以下であり、前記2 つの光散乱体の全光線透過率または全光線反射率が5 0 %以上である条件において、前記2 つの光散乱体によって生じる散乱光の光散乱強度角度分布または所定の散乱角度での光散乱強度波長分布を得て、角度の正弦または1 / 波長を横軸としたデータを元に、フーリエ変換したときのピークの横軸を算出することで、2 つの光散乱体間の距離を求めることを特徴とする光学的測定方法を提供する。

 2 つの光散乱体間の距離を求めるための測定波長は、所定の波長範囲λ 1 からλ 2 ( λ1 ≦ λ 2 ) を使用し、1 0 0 × λ 1 > λ 2 であって、前記2 つの光散乱体の屈折率n 2 は、空気の屈折率n 0 と異なり、前記2 つの光散乱体は、互いに同じ種類の形状で1 組または2 組以上が、互いに距離w m( m= 1 , 2 , 3 ・・・mm a x ) を隔てて、屈折率n 1 の平板上に存在する構成、または屈折率n 3 (n 3 ≠ n 1 )の平板内部に存在する構成であり、2 つの光散乱体によって生じる散乱光の光散乱強度は、該散乱光を、2 つの光散乱体を結ぶ軸から外れた方向で、2 つの光散乱体を通った光が干渉した光を測定し、この2 つの光散乱体を結ぶ軸から外れた方向は、入射光と光散乱体を結ぶ軸を含む面内においては、軸となす角度を入射光の進行方向と同じ向きに1 8 0 ° 、または、入射光の進行方向と逆向きに1 8 0 ° とした範囲にあって、2 つの光散乱体を結ぶ軸方向を含まない範囲の方向であることが好ましい。

 λ 1 とλ 2 の範囲は、光源や散乱光測定機の測定範囲と2 つの光散乱体を通った散乱光が干渉できる距離w によって制約を受けるため、1 0 0 × λ 1 > λ 2 であることが好ましい。

 2 つの光散乱体間の距離を求めるための測定波長範囲がλ 1 からλ 2 であり( ここでλ1 ≦ λ 2 ) 、空気の屈折率がn 0 、2 つの光散乱体を設けた平板の屈折率がn 1 であり、2 つの光散乱体は、互いに同じ種類の形状で1 組または2 組以上設けられており、屈折率がn 2 (n 2 ≠ n 0 )で、各組の2 つの光散乱体間の距離がw m( m= 1 , 2 , 3 ・・・mma x ) であって、平板上に存在する構成または屈折率がn 3 (n 3 ≠ n 1 )で、2 つの光散乱体間の距離がw mで平板内部に存在する構成であり、2 つの光散乱体によって生じる散乱光の光散乱強度は、該散乱光を、2 つの光散乱体を結ぶ軸から外れた方向で干渉させることによって測定することが好ましい。

 また、2 つの領域に隣接して距離w m+1の別の2 つの領域が存在する場合は、w m+1のいずれかはw mと同じではない方が、違う距離として認識できるので好ましい。さらに、n2 - n 1 の絶対値が2 . 5 以下である方が、透過光を多くできるので好ましい。

 2 つの屈折発生体の重心を結ぶ軸を含み入射光に平行な平面における光散乱体の断面が矩形、楕円形または正弦形の場合には、光散乱強度角度分布を角度の正弦を横軸としてフーリエ変換し、三角形の場合には、ある角度で観測した光散乱強度波長分布について、波長を横軸としてフーリエ変換することが好ましい。

 この光学的測定方法では、2 つの屈折発生体の重心を結ぶ軸を含み入射光に平行な平面における2 つの光散乱体の断面の面積が5 % 以上異なるときに、ピークの横軸から読み取った2 つの光散乱体の距離を1 % 以上補正するようにしてもよい。

 この光学的測定方法では、フーリエ変換後のピークの横軸を読み取ることで求められた2 つの光散乱体間の距離を、2 つの光散乱体の高さや幅が異なるとき、フーリエモーダル法、時間領域差分法( F D T D 法) または境界要素法で得られた光散乱分布についてフーリエ変換した結果に基づいて、補正するようにしてもよい。

( 光学的測定方法( 3 ) )
 2 つの光散乱体は、3 つ以上の光散乱体S m ( m = 1 , 2 , 3 ・・・) があるときの2つであり、そのうち1 つの光散乱体S 1 だけの散乱強度を変えて測定し、変える前と後の波長分布または角度分布を比較することで、光散乱体S 1 と他の散乱体の距離を測定することが好ましい。

 2 つの光散乱体に対して入射光路の前方にピンホールまたはスリット設けるとともに、該ピンホールまたはスリットと光散乱体との間にレンズを配置して2 つの光散乱体に光源からの光を集光し、散乱光の光散乱強度角度分布の角度が前記レンズの光軸から2 0 ° 以上ずれた角度を含み、前記ンホールまたはスリットを通過できる光源からの光の強度が10 μ W 以上であり、ピンホールの直径またはスリットの短軸の幅が1 0 0 μ m 以下であり、さらに2 つの光散乱体の散乱光を平行化するために光散乱強度角度分布の中央付近の角度または所定の散乱角度の軸上に別のレンズを配置し、さらに、散乱光を計測するためのイメージセンサを備えていることが好ましい。

 白色光源の光を集光するために、ピンホールまたはスリットと該光源の間に第1 のレンズを配置し、2 つの光散乱体に集光するために前記ピンホールまたはスリットと2 つの光散乱体との間に第2 のレンズを配置し、散乱光の所定の散乱角度が第2 のレンズの光軸から2 0 ° 以上ずれた角度を含み、前記ピンホールまたはスリットを通過できる光源からの光の強度が1 0 μ W 以上であり、前記ピンホールの直径または前記スリットの短軸の幅が1 0 0 μ m 以下であり、さらに光散乱体の散乱光を集光するために所定の散乱角度の軸上に第3 のレンズを配置し、第3 のレンズと受光部を、受光部に該散乱光の焦点が来るよう配置し、さらに、受光部で受けた光をスペクトラムアナライザに伝播させる機構を備え、受光部を1 0 0 μ m 以下の精度で動かせるようにすることが好ましい。

( 光学的記録媒体( 1 ) )
 本発明は上記課題を解決するために、平面の板の上または内部に、複数の光散乱体が存在し、板に平行な面内における光散乱体( 散乱体) の平均の短径が0 . 0 0 1 μ m 以上、0 . 3 2 μ m 以下であり、最も近くに隣接する光散乱体の重心間の平均距離w が0 . 3 μm 以上1 . 6 μ m 以下であり、光散乱体間距離w の8 0 % 以上が該平均距離の± 4 5 % にあり、かつ光散乱体間距離の8 0 % を含む範囲がw - x からw + x であるとき、w - x /2 からw + x / 2 の範囲には光散乱体間距離が6 0 % 以下しかないことを特徴とする光学的記録媒体を提供する。

 記録媒体の読み取りに用いられる光の波長は、3 0 0 ~ 5 0 0 n m である。この時、十分な光散乱強度を得るためには、短径が0 . 0 0 1 μ m 以上が好ましく、より好ましくは0 . 0 1 μ m 以上である。また、高い記録密度を得るためには、短径が短い方がよく、0. 3 2 μ m 以下が好ましく、より好ましくは0 . 2 μ m 以下である。

 光散乱体間距離を情報とすることで、光散乱体の有無を情報とする場合に比べて、情報量が増大する。光散乱体間距離の分布は、情報量を増やすために最適な広がりがある。光散乱体間距離w の8 0 % 以上が該平均距離の± 4 5 % にあるのが好ましく、より好ましくは、± 3 0 % である。光散乱体間距離の8 0 % を含む範囲がw - x からw + x であるとき、w - x / 2 からw + x / 2 の範囲には光散乱体間距離が6 0 % 以下であることが好ましく、より好ましくは5 0 % 以下である。

 本発明は上記課題を解決するために、平面の板の上または内部に、複数の光散乱体が存在し、板に平行な面内における光散乱体の平均の短径が0 . 0 0 1 μ m 以上、0 . 3 2 μm 以下であり、各光散乱体の最も近くに隣接する光散乱体の重心間の距離( 光散乱体間距離) の平均w が0 . 3 μ m 以上1 . 6 μ m 以下であり、光散乱体間距離w の9 5 % 以上がw 1 より大きい範囲に存在し、光散乱体間距離が離散的に分布し、分布の最少の間隔がδw であるとき、次式の極大値を与えるw 2 と、w 1 との間に8 5 % 以上の光散乱体間距離が存在することを特徴とする光学的記録媒体を提供する。
[LOG2 {(w 2 - w 1 )/δ w + 1 }]/ w 2   ( 1 )

 光散乱体間距離には、記録媒体の情報量を増やすために最適な値w 2 がある。この値は、最小値が光学的測定精度で決まる光散乱体間距離の分布の最少の間隔δ w と、最少値が分解能で決まる距離w 1 で定まる。上記の式( 1 ) は単位長さ当たりのビット数( ビットは情報量の単位) を与えている。w 2 の最適値は式( 1 ) が極大となる値で与えられる。この極大値におけるw 2 は、数値計算でグラフを描くことで求めることができる。

 本発明は上記課題を解決するために、記録媒体の形状が円板であるとき、光散乱体間距離が、円板の中心を通る軸上の光散乱体同士のみを考えるか、円板を中心とする円の円弧上の光散乱体同士のみを考えることを特徴とする光学的記録媒体を提供する。

 記録媒体の情報が、一軸方向のみに記録されている時には、光散乱体間の距離の分布は、その方向だけ考えればよい。

( 光学的記録媒体( 2 ) )
 本発明は上記課題を解決するために、円形の軌道の上に2 つの光散乱体の組が多数形成されており、2 つの光散乱体間の距離が、2 つの光散乱体の組毎に一定ではなく、かつ、2 つの光散乱体間の距離を求めるための測定波長範囲がλ 1 以上とするとき、全ての2 つの光散乱体の組の9 0 % 以上について、2 つの光散乱体間の距離が0 . 4 λ 1 以上2 λ 1以下である光学的記録媒体であって、前記2 つの光散乱体の全光線透過率または全光線反射率が5 0 % 以上である条件において、前記2 つの光散乱体によって生じる散乱光の光散乱強度角度分布または所定の散乱角度での光散乱強度波長分布を光学的に測定し、角度の正弦または1 / 波長を横軸としてフーリエ変換し、フーリエ変換後のピークの横軸を読み取ることで、各組の2 つの光散乱体間の距離が求められる構成であることを特徴とする光学的記録媒体を提供する。

 各組の光散乱体の形状は、それぞれ幅v が0 . 0 5 λ 1 以上5 λ 1 以下で、高さd が0. 0 5 v 以上2 v 以下の矩形であって、各組の2 つの光散乱体の距離w が0 . 4 λ 1 以上であり、各組の2 つの光散乱体のうち、ひとつの光散乱体の幅、高さをv a 、d a とし、もうひとつの光散乱体の幅、高さをv b 、d b とするとき、d a ≧ d b として、( d a -d b ) / d b < 4 であり、v a ≧ v b として、( v a - v b ) / v b < 0 . 1 としてもよい。

 各組の光散乱体の形状は、それぞれ幅v が0 . 1 λ 1 以上1 0 λ 1 以下で、高さd が0. 0 5 v 以上2 v 以下の正弦形であって、各組の2 つの光散乱体の距離w が0 . 4 λ 1 以上であり、各組の2 つの光散乱体のうち、ひとつの光散乱体の幅、高さをv a 、d a とし、もうひとつの光散乱体の幅、高さをv b 、d b とするとき、d a ≧ d b として、( d a- d b ) / d b < 4 であり、v a ≧ v b として、( v a - v b ) / v b < 0 . 1 としてもよい。

 各組の光散乱体の形状は、それぞれ幅v が0 . 5 λ 1 以上5 λ 1 以下で、高さd が0 .2 5 v 以上2 v 以下の三角形であって、各組の2 つの光散乱体の距離w が0 . 4 λ 1 以上であり、各組の2 つの光散乱体のうち、ひとつの光散乱体の幅、高さをv a 、d a とし、もうひとつの光散乱体の幅、高さをv b 、d b とするとき、d a ≧ d b 、v a ≧ v b として、0 . 7 < ( v a / d a ) / ( v b / d b ) < 1 . 5 としてもよい。

 本発明は上記課題を解決するために、直線上に形成された三つ以上の光散乱体を含む領域を有し、該領域では、2 つの光散乱体間の距離を求めるための測定波長範囲がλ 1 以上とするとき、各光散乱体が互いに距離が0 . 4 λ 1 以上離れており、且つ、前記領域のもっとも端にある光散乱体の光路差が、他の光散乱体の光路差の平均の1 . 5 倍以上で最も大きいか、または吸収係数が他の光散乱体の平均の1 . 5 倍以上で最も大きい光学的記録媒体であって、前記三つ以上の光散乱体によって生じる散乱光の光散乱強度角度分布または所定の散乱角度での光散乱強度波長分布を光学的に測定し、角度の正弦または1 / 波長を横軸としてフーリエ変換し、フーリエ変換後のピークの横軸を読み取ることで、三つ以上の光散乱体相互間の距離が求められる構成であることを特徴とする光学的記録媒体を提供する。

 この光学的記録媒体では、各組の2 つの光散乱体について、それぞれの光散乱体の重心を直線で結び断面を切り出したときに、平均の充填係数が3 0 ~ 6 0 % であることが好ましい。

 この光学的記録媒体では、各組の2 つの発生体は、平板に埋め込まれており、光または熱が付与されると屈折率が変わり、信号を記録または消去することが可能な構成としても
よい。

( 光学的記録媒体( 3 ) )
 本発明は上記課題を解決するために、円形の軌道の上に2 つの光散乱体の組が多数形成されており、2 つの光散乱体間の距離が、2 つの光散乱体の組毎に一定ではなく、かつ、2 つの光散乱体間の距離を求めるための測定波長範囲がλ 1 以上とするとき、全ての2 つの光散乱体の組の9 0 % 以上について、2 つの光散乱体間の距離が0 . 4 λ 1 以上2 λ 1以下である光学的記録媒体であって、前記2 つの光散乱体の全光線透過率または全光線反射率が5 0 % 以上である条件において、前記2 つの光散乱体によって生じる散乱光の光散乱強度角度分布または所定の散乱角度での光散乱強度波長分布を得ることができ、角度の正弦または1 / 波長を横軸としてフーリエ変換し、フーリエ変換後のピークの横軸を読み取ることで、各組の2 つの光散乱体間の距離が求められる構成であることを特徴とする光学的記録媒体を提供する。

 光散乱体の組のとりかたの構成は二つある。一つは、円形の軌道の接線方向に隣り合う、光散乱体間の距離を求め情報とする構成である。もう一つは、異なる径の円形の軌道を同心円状に形成し、円の中心方向に直線を引き、同じ直線状に乗った光散乱体間の距離を求め情報とする構成である。

 本発明は上記課題を解決するために、直線上に形成された3 つ以上の光散乱体を含む領域を有し、該領域では、2 つの光散乱体間の距離を求めるための測定波長範囲がλ 1 以上とするとき、各光散乱体が互いに距離が0 . 4 λ 1 以上離れており、且つ、前記領域のもっとも端にある光散乱体の光路差が、他の光散乱体の光路差の平均の1 . 5 倍以上で最も大きいか、または吸収係数が他の光散乱体の平均の1 . 5 倍以上で最も大きい光学的記録媒体であって、前記3 つ以上の光散乱体によって生じる散乱光の光散乱強度角度分布または所定の散乱角度での光散乱強度波長分布を得ることができ、角度の正弦または1 / 波長を横軸としてフーリエ変換し、フーリエ変換後のピークの横軸を読み取ることで、3 つ以上の光散乱体相互間の距離が求められる構成であることを特徴とする光学的記録媒体を提供する。

 直線上に形成された3 つ以上の光散乱体を含む領域では、入射光波長の最小値をλ 1 とするとき、各光散乱体が互いに距離0 . 4 λ 1 以上1 0 0 λ 1 以下離れており、且つ、前記領域の最も端にある光散乱体だけが光または熱で屈折率を0 . 0 1 以上または吸光係数α [ c m - 1 ] を1 以上変えられるようにすることが好ましい。

 本発明は上記課題を解決するために、直線上に形成された2 つ以上の光散乱体を含む領域を有し、該領域では、2 つの光散乱体の組が多数形成されており、2 つの光散乱体間の距離が、2 つの光散乱体の組毎に一定ではなく、かつ、2 つの光散乱体間の距離を求めるための測定波長範囲がλ 1 以上とするとき、全ての2 つの光散乱体の組の9 0 % 以上について、2 つの光散乱体間の距離が0 . 4 λ 1 以上2 λ 1 以下である光学的記録媒体であって、前記2 つの光散乱体の全光線透過率または全光線反射率が5 0 % 以上である条件において、前記2 つの光散乱体によって生じる散乱光の光散乱強度角度分布または所定の散乱角度での光散乱強度波長分布を得ることができ、角度の正弦または1 / 波長を横軸としてフーリエ変換し、フーリエ変換後のピークの横軸を読み取ることで、各組の2 つの光散乱体間の距離が求められる構成であり、前記領域では、光散乱体が1 0 ~ 3 0 0 n m 離れており、ある散乱体S 1 から4 0 μ m 以下の距離にある散乱体S m ( m = 2 , 3 ・・・) のうち少なくとも1 つが散乱体S 1 との間を結ぶ軸と試料面に垂直な別の軸を含む平面内において、別の軸について非対称であり、かつ、S 1 と略相似であり、しかも、入射角をθi 、散乱角をθ d とするとき、該領域の散乱はθ i = 0 の入射光に対して1 0 ° < θ d の範囲において最大の散乱強度を与えるθ d と- θ d の散乱強度A ( 角度) の比A ( θ d )/ A ( - θ d ) が2 以上であることを特徴とする光学的記録媒体を提供する。

 最も端の光散乱体が測定波長範囲内での吸収がなく、他の光散乱体に一部の測定波長のみを透過または散乱するものがあり、測定波長である入射光波長の最小値をλ 1 とするとき、他の光散乱体間の距離に、λ 1 の半分未満のものがあるようにすることが好ましい。

 最も端の光散乱体以外の散乱体について、特定の偏光が選択的に反射されるよう複屈折を与え、散乱光を偏光選択でき、散乱光を端の散乱体を含め選択的に検出できるようにすることが好ましい。特定の偏光とは、ある方向の直線偏光や円偏光である。

( 光学的測定装置( 1 ) )          
 本発明は上記課題を解決するために、白色光源、第1 のレンズ、スリット、第2 のレンズ、光散乱体、第3 のレンズ、遮光フィルタ、分光器の順に並ぶことを特徴とする光学的測定装置を提供する。

 スリットを入れることで、光散乱体に当てる光を直線状にすることができ、該直線と入射光の光軸を含む面内で計算ができるので、解析が容易になる。さらに、スリットを該スリットを含む面内で動かしたり、スリットの幅を変えることで光散乱体の照射範囲を制御できる。遮光フィルタを挿入することで、入射光の光軸近傍の光をカットすることができ
る。

 光散乱体が光記録媒体の時、その吸収スペクトルを計測することで、吸収スペクトルの違いを情報とすることができる。たとえば、赤い吸収を持つ色素または青い吸収を持つ色素を混ぜておけば、青と赤で情報量は2 となる。

 本発明は上記課題を解決するために、分光器がインターフェログラムを計測することを特徴とする光学的測定装置を提供する。

 インターフェログラムは、入射光の光軸上の光で解析されてきた。入射光の光軸から外れると、吸光度は増すため、弱い吸収でも解析が可能となる。一方、直進していないので、吸収スペクトルを直接得ることができない。本発明により、観測角度が定まれば、計算で吸収スペクトルを見積もることができるようになったので、光軸から外れた光でも解析可能である。

 本発明は上記課題を解決するために、レーザー光源、第1 のレンズ、第1 の穴あきマスク、第2 のレンズ、光散乱体、第3 のレンズ、第2 の穴あきマスクの順に並び、散乱光の角度分布をC C D イメージセンサで計測することを特徴とする装置を提供する。

 穴あきマスクはピンホールやスリットである。第1 の穴あきマスクで光散乱体への照射範囲を決定する。第2 の穴あきマスクで光散乱体の照射部分だけからの散乱光を選択的に計測する。また、光散乱体を中心として、第3 のレンズ、第2 の穴あきマスクおよびC CD イメージセンサの受光部を同時に回転させることで、広い散乱角度を計測するのが望ましい。第1及び第2 の穴あきマスク、及び光散乱体の位置を動かすことで特定の範囲を計測できる。

 光源の光が、単色である場合、レンズは、球面レンズよりも、非球面レンズを用いる方が好ましい。第2 のレンズは、開口数N A が0 . 0 0 0 1 以上0 . 2 以下であることが、望ましい。より好ましくはN A が0 . 0 0 0 1 以上0 . 1 以下である。

 N A を小さくすることで、収差の影響を小さくし、集光系を設計通りにできる。第1 のレンズと第2 のレンズは、穴あきマスクに合わせて、シリンドリカルレンズを用いてもよい。第1 の穴あきマスクと光散乱体の間には光束の範囲を、狭めるために絞りを置くことが好ましい。絞りを置くことで、光散乱体への入射光の角度範囲を調節できる。

 光散乱体が光記録媒体の時、その散乱パターンを計測することで、その形状を情報とすることができる。たとえば、三角と矩形では散乱の角度分布が異なり、三角の方が、入射光の光軸からずれたところに光が曲げられる。三角と矩形で情報量は2 となる。穴あきマスクを使用することで、光散乱体への照射範囲を容易に制御できる。

( 光学的測定装置( 2 ) )
 本発明は上記課題を解決するために、光を散乱させて測定・解析するための入射光波長の最小値をλ とするとき、周囲と屈折率の異なる2 つの光散乱体の間の距離が0 . 4 λ 以上1 0 0 λ 以下であり、前記2 つの光散乱体の全光線透過率または全光線反射率が5 0 %以上である条件において、前記2 つの光散乱体によって生じる散乱光の光散乱強度角度分布または所定の散乱角度での光散乱強度波長分布を光学的に測定する手段と、角度の正弦または1 / 波長を横軸としてフーリエ変換し、フーリエ変換後のピークの横軸を読み取ることで、2 つの光散乱体間の距離を求める手段とを備えた光学的測定装置であって、前記測定手段は、光源と、散乱光を受光する一辺の画素が6 0 0 以上で応答時間1 0 0 μ s 以下のC C D イメージセンサと、を備えていることを特徴とする光学的測定装置を提供する

 この光学的測定装置では、光源からの光の強度分布を、半値幅の縦横比を2 倍以上に長くする手段を設けた構成としてもよい。

 この光学的測定装置では、光源からの光を通過させ、2 つの光散乱体に照射するための長さと幅を調整したスリットと、散乱光を平行光にする開口数0 . 8 以上のレンズを備えていることが好ましい。

 この光学的測定装置では、2 つの光散乱体に対して入射光側に置いた光源からの光を集光するためのフレネルゾーンプレートと幅1 0 μ m 以下のスリットと、散乱光の光散乱強度角度分布を測るゴニオメータと幅1 c m 以下のスリット付きP I N フォトダイオードとを備えている構成としてもよい。

 本発明は上記課題を解決するために、光を散乱させて測定・解析するための入射光波長の最小値をλ とするとき、周囲と屈折率の異なる2 つの光散乱体の間の距離が0 . 4 λ 以上1 0 0 λ 以下であり、前記2 つの光散乱体の全光線透過率または全光線反射率が5 0 %以上である条件において、前記2 つの光散乱体によって生じる散乱光の光散乱強度の所定の散乱角度での光散乱強度波長分布を光学的に測定する分光手段と、角度の正弦または1/ 波長を横軸としてフーリエ変換し、フーリエ変換後のピークの横軸を読み取ることで、2 つの光散乱体間の距離を求める手段とを備えた光学的測定装置であって、前記測定手段は、光源と、散乱光を受光する一辺の画素が1 0 0 0 以上で応答時間1 0 0 μ s 以下のCC D イメージセンサと、を備えていることを特徴とする光学的測定装置を提供する。

 この光学的測定装置では、前記測定手段は、光源からの光を曲げると同時にほぼ同じ強さに分けるハーフミラー及びミラーと、ハーフミラーとミラーの距離をマイクロメータで機械的に調整する手段と、を備えている構成としてもよい。

( 光学的測定装置( 3 ) )
 本発明では、上記いずれかの測定方法に用いることができ、入射光は、略平行光であり、反射光を測定する反射による散乱光を集光または平行化するレンズと同じレンズの中心から外れた部分に光を入射させ、光散乱体への入射平面内で4 0 ° < | θ i | とできることを特徴とする光学的測定装置を提供する。

 本発明では、上記いずれかの測定方法に用いることができ、入射光は、試料面に垂直なZ軸について、Z軸となす角θ z が、4 0 ° < θ z < 9 0 ° である入射角θ z に6 0 % 以上の光量( W単位) があり、Z軸について軸対称であることを特徴とする光学的測定装置を提供する。

 本発明では、上記いずれかの測定方法に用いることができ、光散乱を波長ごとにノッチフィルタで3 つ以上に分け、受光することで、波長ごとの角度分布を計測することを特徴とする光学的測定装置を提供する。

 上記いずれかの測定方法に用いることができ、直線上に形成された3 つ以上の光散乱体に対して用いることができ、時間変調のある入射光A とB の二つを用い、入射光A と入射光B の照射部分は隣接しておりかつ、各照射部分の範囲の大きさは、入射光波長の最小値をλ 1 とするとき、0 . 4 λ 1 以上1 0 0 λ 1 以下であり、入射光A とB の時間変調のタイミングをずらすことができ、該時間変調を測定可能な時間分解能を持っていることを特徴とする光学的測定装置を提供する。

効果

 本発明によると、光散乱体の計測について、次のような効果が生じる。
 1 . 従来は、周期的構造にのみ適用されてきた計算手法が、孤立系の構造にも容易に使える。
 2 . 一般には、レンズを用いて画像情報が得られる。レンズを用いずに、散乱光を解析して画像を得る場合、従来、位相情報を用いて3 次元画像再構成を行っていたが、光散乱の強度情報のみで再構成ができる。

 3 . レンズを用いた、これまでの3 次元画像再構成では、光学的な輪郭から距離を算出していたが、これは実際の物理的な輪郭とは必ずしも同じではなく補正が必要である。本発明では、3 次元構造の光散乱を厳密に計算することで、正しい形状と大きさを得ることができる。

 4 . 散乱光について、位相情報を用いた3 次元画像再構成を行う場合、フラウンホーファー近似に基づいて、フーリエ変換で計算していた。本発明は、フラウンホーファー近似より厳密な解を与える方法を用いることで、正しい距離を得ることができる。

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特許6183826 号

JPB 006183826-000000