保護基が導入されたポリアミド樹脂の製造方法

2022.11.04 By 神奈川大学

材料工学

技術概要

塗布を容易にするため有機溶媒への溶解性を高め、溶解後にポリアミド構造に変換可能な樹脂の製造方法

用途・応用

絶縁保護膜、液晶セル配向膜

背景

 ポリアミド樹脂は、高耐熱性、高強度、高耐溶剤等の優れた特性を多数有しているため、各種の基材コート剤として広く使用されている。例えば、ポリアミド樹脂の用途として、電子部材の絶縁保護膜(オーバーコート膜)、液晶セル配向膜等が挙げられる。また、ポリアミド樹脂は、エポキシ樹脂等の特性を改質する添加剤、硬化剤等としても開発されており、それを一成分として含むエポキシ組成物は、一般的に耐熱性、機械特性、耐薬品性等に優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料等の幅広い分野に利用されている。

課題

 ところで、上述のような用途でポリアミド樹脂を用いる場合、有機溶剤に一旦溶解させて使用することが多いが、従来のポリアミド樹脂は、有機溶剤への充分な溶解性を有しているとはいえず、所望の特性を得るのに必要な量を添加できないという問題が生じ得る。

 そこで、本発明の目的は、上記問題点を解決するために、有機溶剤への溶解性に優れ、かつ溶解後にポリアミド構造へ変換可能な構造を有する樹脂の製造方法を提供することにある。 

手段

 本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、ポリアミド構造を構成する窒素原子を所定の保護基で保護することにより、有機溶剤への溶解性に優れ、かつ溶解後はポリアミド構造へ変換可能な構造を有する樹脂となることに着目し、その製造方法を見出した。すなわち、本発明は、一態様において、下記一般式(1-1)(以下、式は詳細資料に記載)又は(1-2)で表されるジアミンと、下記一般式(2)で表されるジカルボン酸又はその誘導体とを反応させて樹脂を得る、樹脂の製造方法である。

(式中、R 1 、 R 2 、 R 3 及びR 4 は、それぞれ独立に、酸性条件下で脱保護される一価の保護基を表し、Xは、二価の炭化水素基を表し、Z 1 及びZ 2 は、それぞれ独立に、水酸基又はハロゲン基を表す。)

 保護基は、好ましくは、pKaが0以下の酸性条件下で脱保護される保護基である。

 上記の方法により得られる樹脂が有機溶剤への溶解性に優れている理由を、本発明者らは以下のとおり考えている。従来のポリアミド樹脂はアミド結合を構成するNH結合を有しており、NH結合は水素結合を形成することにより強い分子間相互作用を有する。そのため、有機溶剤の分子が樹脂間に浸透しづらい結果、ポリアミド樹脂の有機溶剤への溶解性が低くなる。一方、本発明に係る樹脂は、NH結合のH原子に代えて保護基を導入することにより、水素結合を有しておらず、ポリアミド樹脂に比べて分子間相互作用を低減できる。したがって、この樹脂は、有機溶剤への溶解性に優れている、と本発明者らは推察する。

効果

 本発明によれば、有機溶剤への溶解性に優れ、かつ溶解後にポリアミド構造へ変換可能な構造を有する樹脂の製造方法を提供することができる。

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特許情報

特開2018-184548

JPA 2018184548-000000