安心安全を実現するIoTシステム

2022.10.20 By 東京電機大学

情報

技術概要

「人間」「防災」「都市」をキーワードに、生活の支援や安心安全を保つ実世界環境の構築を、スマートフォンや環境センサにより目指している。今までの研究事例
 ①安心安全を目的とした作業監督者を支援するMR可視化システム
 ②山間部での斜面監視を行うセンサ杭搭載型多方面ソーラー給電システム
 ③I2CのLANケーブル拡張による持続的農業センシングの実現
 ④無線9軸センサノード及び機械学習を用いた睡眠状態検知システム
 ⑤-RTK-GNSSを用いた盛り土の高さ変位実測用組み込みシステム
 ⑥エッジセンサのための能動学習を用いた状態識別モデル更新手法
 ⑦全世代をSNSに参加可能にするIoTコミニケーションアシスタント
などのIoTシステムがある。

用途・応用

・斜面崩落土砂災害監視システム
・落石フェンスの異常状態検知システム
・睡眠状態検知システム
・警備員や工事作業者など転倒検出システム
ほか多数

背景

 工業プラントの管理、遠隔医療、交通状態の管理、農業管理、自然災害の予測・監視等の多様な目的でセンサネットワーク構築に関する研究・開発が行われている。センサネットワークでは、通常、センシングおよび、データ処理、無線通信等の機能を実装した端末装置(センサノード)から得られる情報を、必要に応じルータノードを介してゲートウェイに集めてゲートウェイより管理システムに伝達し、管理システムからの指令を逆ルートでセンサノードに伝達する。

 センサネットワークに関しては多くの研究が行われており、ネットワークのオペレーションシステムの提案もなされている。また、例えば、屋外におけるセンサノードの設置形態として、地盤に打ち込まれる杭に、センサを内蔵させ、情報を発信させることも行われている。例えば、特許文献1には、地盤に一部または全部が埋め込まれる杭の本体に収納部を設け、ICタグと、これと一体または別体のセンサとして温度、湿度、衝撃等を検知するセンサとを設けた情報発信杭が記載されており、このような杭を用いる地盤変動検知システムや、高速道路における逆走検知システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特許第4299355号

課題

 センサネットワークの研究・開発に当たる者が、実地のフィールドでセンサネットワークの設営を試みる場合、センサノードを所要の期間、所定の地点に設置して風雨や、盗難、いたずら等から保護する設備が必要となる。その際、特許文献1に記載のような杭に内蔵させることも考慮されるが、個々の用途にあわせ、センサノードの収納体を作製することは、開発コストの抑制や開発時間の短縮の観点から見て好ましくはない。

 また、河川の氾濫や火山噴火等の自然災害の監視に用いる場合、水位や温度を計測するセンサに加え、監視カメラ等のデバイスとの組み合わせが望ましい場合がある。そのためには、各種のデバイスをフレキシブルに収納しうる設備を既製品として供給することが望ましい。

 現在行われているセンサネットワークの研究では、センサノードとゲートウェイ間、またはセンサノードとルータ間の通信手段としては、多くの場合、無線通信が想定されており、個々のセンサノードの電源には電池を用いるものとして、消費電力の低減に関する研究がなされている。しかしながら、センサネットワークを利用して自然災害の監視・観測や道路交通状況の監視などを行う場合、消費電力の低さよりも、長期間にわたって、また緊急時にも、確実に動作することのほうが重要な条件となる。

 さらに、地震や河川の氾濫等の緊急自然災害時には、電源や情報通信手段に関して、即応的に展開しうる簡易インフラネットワークを提供しうることが望ましい。

 本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、センサノードをはじめ、各種のデバイスを高い自由度で収納でき、デバイスの交換も容易な杭を提供することを目的とする。
 また本発明は、電源を長期間にわたって安定的に確保でき、電力と情報の同時伝送が可能であり、センサネットワークや簡易インフラネットワークの設営に利便性の高い杭、およびこのような杭を利用したセンサネットワーク、インフラネットワーク、センサハウジングを提供することを目的とする。

手段

 本発明の杭は、地盤に一部または全部が埋め込まれる杭基体と、前記杭基体の上に嵌合する上部構造体を有し、前記上部構造体は、上下方向に積層載置された、少なくとも一つの筐体を有し、前記筐体は、直下に位置する杭基体または筐体と嵌合する形状を有する、杭である。
 前記の杭において、各筐体は、下底壁に開口を有するものであってもよい。また、杭の最上部において、直下の筐体と嵌合する蓋部を備えていてもよい。

 上記構成の杭によれば、所望の電気・電子機器、例えば各種センサノードを筐体の内部に配置し、これを杭基体上に搭載することにより、各種センサネットワーク構築に利用しうる簡便なプラットフォームを提供することができる。

 上記の杭において、前記少なくとも一つの筐体はそれぞれ、凹部を有する下嵌合部と、凸部を有する上嵌合部とを有し、前記杭基体は、上部に凸部を有し、前記杭基体上部の凸部は、前記筐体の下嵌合部の凹部と嵌合し、前記筐体の上嵌合部の凸部は、他の筐体の下嵌合部の凹部と嵌合するように構成されていてもよい。また蓋部が設置される場合、該蓋部は下部に凹部を有し、前記筐体の上嵌合部の凸部と嵌合するように構成されていてもよい 。

 上記構成の杭によれば、杭本体と、筐体、上面の蓋部を簡単に組み合わせることができる。また、ビス等の固定具を連通孔に通し、組み立てた各構成要素を容易に固定することができる。

 上記杭は、前記筐体の内部に設置された電気・電子機器を備えたものであってもよい。前記電気・電子機器は、センサと、前記センサが検出した情報を電気信号に変換する信号処理手段を備えたものであってもよい。また、前記電気・電子機器は光学機器や照明機器であってもよく、その際、前記筐体は、その少なくとも一部が透明の素材からなるものであってもよい。前記電気・電子機器は音声機器であってもよく、RFIDやICタグであってもよい。必要に応じ、二以上の電気・電子機器を一個の筐体の中に配置してもよい。

 上記の本発明に係る杭において、杭基体には、パッシブ型のICタグ、アクティブ型のICタグ、蓄電池等が収納されていてもよい。これにより例えばICタグに記録された位置情報をセンサネットワークの管理に使用することができ、また筐体に配置された電気・電子機器に電力を供給することができる。

 また、上記構成の杭において、杭基体は、電力情報同時伝送用アダプタを備えたものであってもよい。前記筐体に収納された電気・電子機器を、有線配線で、前記電力情報同時伝送用アダプタに接続してもよい。例えば、杭基体は、基体本体と、該本体の外壁にはめこまれた、少なくとも一つの有線接続部(有線接続端子、例えばAC電源用接続端子、DC電源用接続端子)と、該杭本体に内蔵され、前記有線接続部に接続された電力情報同時伝送用アダプタを備える配電・配信ユニットとを備えたものであってもよい。

 上記構成の杭によれば、複数の杭を有線の配線で接続し、電力情報同時伝送を行うことができ、送電線等のインフラの不十分な農地や原野、あるいはインフラが一時的に破壊された自然災害の被災地においても、簡便かつ迅速に電源・通信用の有線ネットワークを構築することができ、またこれを用いて各種のセンサネットワークを設営することができる。

 本発明に係るセンサネットワークは、上記の本発明に係る杭と、該杭の筐体の内部に配置されたセンサノードとを有する、センサネットワークであってもよい。また杭基体が電力情報同時伝送用アダプタを備えたものである場合、複数の杭を有線配線で接続することにより、電力情報同時伝送用有線ネットワークを構築してもよい。このネットワークには、前記杭と、配線を介して接続されたセンサ収納体が含まれていてもよい。

 上記構成の給電・通信ネットワークによれば、ネットワーク杭の筐体に任意のセンサノードを配置し、電源供給と通信を安定して行い得るセンサネットワークを構築することができる。また、杭と別体のセンサ収納体と杭を有線で接続することにより、杭の埋設が困難な地形にも、センサを配置することが可能となる。また上記の給電・通信ネットワークは、自然災害の被災地における仮設の電源・通信用インフラや、映像・音声等のメディア用インフラを野外で臨時に設営する場合などにも利用することができる。

効果

 本発明の杭によれば、各種センサネットワークの研究・開発に従事するものがセンサノードの設置のため、簡便に利用しうる規格化された手段を提供することができ、当該分野の技術的発展を促進することができる。また本発明の杭は、自然災害の観測・監視において、長期間にわたり安定して動作するセンサネットワークや、緊急時の電力情報伝送用のインフラを提供することができる。

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特許情報

特開2017-075481

JPA 2017075481-000000

特開2017-070666

JPA 2017070666-000000