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有機分子の規則的配列と構成要素の動的機能や部分的融解を活用し、イオンを固体状態で高速に拡散させることを可能にした.主として、スルホンアミド基を有するアニオンを基本構成とする分子結晶を含む。
二次電池
燃料電池
センサー
イオン伝導性を有する二次電池の開発ではリチウムイオンが先行するが、リチウム資源
と比較してマグネシウム資源は地表近くに豊富に存在する点、及び二価のイオンであり、
充放電容量が大きくできる点から、マグネシウムイオンも候補物質となりうる。
例えば、特許文献1には、ポリマーゲル電解質を含むマグネシウムイオン二次電池が提
案されている。特許文献1に記載のマグネシウムイオン二次電池では、電解液の液漏れ防
止のために、ポリマーを電解液で膨潤させてゲル化した電解質であるポリマーゲル電解質
が用いられている。
電池の軽量化、電池構造の簡略化等の点から液体である電解液を使用せずに、固体電解
質をマグネシウムイオン二次電池等に適用する試みも検討されている。固体電解質として
は、セラミックス、ガラス、ポリマー等が有力候補である。例えば、特許文献2には、ポ
リエチレンカーボネートと電解質塩としてのマグネシウムの有機塩とをそれぞれ所定量含
むポリエチレンカーボネート系固体電解質を備えるマグネシウムイオン二次電池が提案さ
れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開2018-030959号公報
【特許文献2】特開2016-126928号公報
特許文献2にて提案されているように、マグネシウムイオン二次電池においても電解液
を使用せずに、固体電解質を電池に適用することが望まれている。しかしながら、二価の
マグネシウムイオンは、一価のリチウムイオンに比べて充放電容量を大きくできる一方で
、固体電解質中のアニオンとの静電相互作用が大きく、固体電解質中で拡散しにくい。そ
のため、リチウムイオン伝導性の固体電解質に比べてマグネシウムイオン伝導性の固体電
解質は、イオン伝導性が低いという問題がある。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、イオン伝導性に優れる固体電解質、並び
にこれを含む二次電池及びキャパシタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 下記一般式(1)で表される分子結晶を含む固体電解質。
[Mg a X b Y c ] n ・・・(1)
(一般式(1)中、aは、1以上の整数を表し、bは、1以上の整数を表し、cは、1以
上の整数を表し、nは、1以上の整数を表す。但し、一般式(1)において、a=2bを
満たす。Xは、それぞれ独立に、1価のアニオンである。Yは、それぞれ独立にアミン化
合物、ニトリル化合物、又はチオエーテル化合物を表す。)
<2> Xは、それぞれ独立に、N(SO 2 F ) 2
- 、N(SO 2 C F 3 ) 2
- 、SCN
- 、N(SO 2 C 4 F 9 ) 2
- 、N(SO 2 C F 2 ) 2 C F 2
- 、N(SO 2 C F 2 ) 2
- 、N(CN) 2
- 、BF 4
‑、PF 6
‑、又はハロゲン化物イオンである<1>に記載の
固体電解質。
<3> Yは、2つのニトリル基を2価の連結基を介して結合したニトリル化合物である
<1>又は<2>に記載の固体電解質。
<4> Xは、N(SO 2 C F 3 ) 2
- である<1>~<3>のいずれか1つに記載の固
体電解質。
<5> 二次電池又はキャパシタの固体電解質として用いられる<1>~<4>のいずれ
か1つに記載の固体電解質。
<6> <1>~<5>のいずれか1つに記載の固体電解質を備える二次電池。
<7> <1>~<5>のいずれか1つに記載の固体電解質を備えるキャパシタ。
本発明の一形態によれば、イオン伝導性に優れる固体電解質、並びにこれを含む二次電
池及びキャパシタを提供することができる。
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