光電変換素子

2022.10.06 By 明治大学

環境

技術概要

光電変換素子10は、半導体層20と、前記半導体層20に積層された導電体層30と、前記導電体層30の表面に設けられた電極40と、を備え、前記導電体層30は、少なくとも金属とカルコゲンを有する二次元層状物質を含む。この光電変換素子10によれば、光の変換効率を高めることができる。

用途・応用

光電変換素子

背景

 太陽電池は、太陽光をエネルギー源として有効活用するという観点から、その活用が広く望まれている。活用のために、高効率化と低コスト化が求められている。

 太陽電池に使われる光電変換素子の高効率化を図るためには、素子に入射された太陽光が効率よく電力に変換されることが重要である。

 通常の太陽電池に使われる光電変換素子は、太陽光が入射されてキャリア(電子と正孔)を発生させる半導体層と、前記半導体層の表面に形成され前記半導体層で生成されたキャリアを捕獲し搬送する拡散層と、前記拡散層の表面又は裏面に設けられ、キャリアを収集して外部に取り出す電極を備える。

 この電極は通常、フィンガー電極と、バスバー電極とから構成される。フィンガー電極は、前記拡散層の表面に略平行に1.2~1.3mm程度の間隔で形成される、その幅が0.05mm~0.1mm程度の金属電極である。また、バスバー電極は、フィンガー電極に対して、略直交に50mm程度の間隔で形成される、その幅が0.5mm~2mm程度の電極である。

【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特許第4953562号公報
【非特許文献】
【 非 特 許 文 献 1 】 Y. Ohshita et al., “Technology trend of high efficiency crystalline silicon solar cells,” AAPPS Bulletin, vol. 27, no. 3, pp. 1‑8, Jun. 2017.

課題

 特許文献1の光電変換素子では、光の変換効率が低いという問題があった。この効率を下げる原因として、電極による太陽光の遮断が挙げられる。電極により太陽光が遮断されると、素子に入射した太陽光が効率的にその下の半導体層に到達せず、生成されるキャリアが減ってしまうためである。前記光電変換素子では、フィンガー電極やバスバー電極が、太陽光をほとんど透過しない金属材料で形成されており、光電変換素子の受光面側の面内における受光面に対する電極の占める割合である電極面積率が10%以上になっている。このため、受光面側の電極部分に入射した太陽光は半導体層に到達せず、効率が低下する 。

 また、他の効率を下げる原因として、半導体層で生成されたキャリアが電極に到達するまでの経路において再結合や直列抵抗損失により失われてしまうことが挙げられる。例えば、半導体層で生成されたキャリアを捕獲し、電極に効率的に搬送するために、半導体層に酸化インジウムスズ(ITO)のような透明な導電体層を積層する技術が知られている(非特許文献1)。しかしながら、非特許文献1の光電変換素子では、導電体層の材料のキャリアの移動度が低く、多くのキャリアが電極に到達する前に半導体層と導電体層の界面等に存在する未結合手や欠陥における再結合や、材料の直列抵抗損失により失われる。また、導電体層の材料のキャリア密度が高いことで、この導電体層の自由電子に光が吸収されてしまい、素子に入射した太陽光がその下の半導体層に到達せず、生成されるキャリアが減ってしまうことにより効率が低下する。

 さらに、効率を下げる原因として、生成されたキャリアのエネルギー損失が挙げられる。キャリアのエネルギーは、半導体層と導電体層でとりうるエネルギー状態が異なることから、導電体層の材料のとりうるエネルギー状態の中で最適な状態に遷移する過程で低下し、エネルギー損失となり、効率が低下する。

 これらの結果として、効率を下げる問題は十分に解決されていない。

 本発明は、上記の課題を考慮してなされたものであって、光の変換効率を高めることができる、光電変換素子を提供することを目的とする。 

手段

 本発明に係る光電変換素子は、半導体層と、前記半導体層に積層された導電体層と、前記導電体層の表面に設けられた電極と、を備え、前記導電体層は、金属とカルコゲンを有する二次元層状物質を含むことを特徴とする。

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特許情報

特願2019-162471

JPA 2021040117-000000