醤油諸味粕を分解する好塩菌・耐塩菌の分離

2022.09.27 By 東洋大学

環境

技術概要

醤油諸味粕を分解するための新規方法、ならびにその方法のために使用できる新規な微生物および組成物を提供する。

用途・応用

食品廃棄物、微生物、食品、発酵技術

背景

 醤油諸味粕は、醤油を生産する過程で発生する副産物であり、日本国内で年間約10万トン発生している。醤油は、一般に以下のような工程で製造される:炒って挽き割った小麦と蒸煮した大豆を混合し、そこに種麹を添加して発酵させ、その後、食塩水を加え、数か月間発酵させ、醤油諸味を得る。醤油諸味を圧搾して生揚醤油を得た後に残る残渣(搾りかす)が、醤油諸味粕である。醤油諸味粕は、典型的には板状である固形物である。醤油諸味粕は、発生直後の水分含量が約30%であり、およそ7~8%の塩分(塩化ナトリウム)を含んでいる。醤油諸味粕中の不溶性固形分の約35%がセルロース、約30%がタンパク質であると見積もられている(非特許文献1)。

 このように大量に発生する醤油諸味粕を処分するために、その一部を家畜飼料、キノコ用培地、土壌改良剤、ボイラー助燃剤等として再利用することも行われてきているが、残りの大部分は産業廃棄物として焼却されているのが現状である(非特許文献1)。

 しかしながら、多量の醤油諸味粕を焼却廃棄することが醤油メーカーにとって大きなコストとなっており、また、上述したような高い塩濃度のために焼却炉を傷めやすいという問題もある。さらに、多量の醤油諸味粕を焼却することは、ダイオキシンのような塩素化合物をはじめとする有害物質を発生させる可能性も高める。一方、醤油諸味粕を再利用するためには、脱塩処理、乾燥処理等が必要となり、利用価値と比してコストが割高になる 醤油諸味粕は、醤油を生産する過程で発生する副産物であり、日本国内で年間約10万トン発生している。醤油は、一般に以下のような工程で製造される:炒って挽き割った小麦と蒸煮した大豆を混合し、そこに種麹を添加して発酵させ、その後、食塩水を加え、数か月間発酵させ、醤油諸味を得る。醤油諸味を圧搾して生揚醤油を得た後に残る残渣(搾りかす)が、醤油諸味粕である。醤油諸味粕は、典型的には板状である固形物である。醤油諸味粕は、発生直後の水分含量が約30%であり、およそ7~8%の塩分(塩化ナトリウム)を含んでいる。醤油諸味粕中の不溶性固形分の約35%がセルロース、約30%がタンパク質であると見積もられている(非特許文献1)。

 このように大量に発生する醤油諸味粕を処分するために、その一部を家畜飼料、キノコ用培地、土壌改良剤、ボイラー助燃剤等として再利用することも行われてきているが、残りの大部分は産業廃棄物として焼却されているのが現状である(非特許文献1)。

 しかしながら、多量の醤油諸味粕を焼却廃棄することが醤油メーカーにとって大きなコストとなっており、また、上述したような高い塩濃度のために焼却炉を傷めやすいという問題もある。さらに、多量の醤油諸味粕を焼却することは、ダイオキシンのような塩素化合物をはじめとする有害物質を発生させる可能性も高める。一方、醤油諸味粕を再利用するためには、脱塩処理、乾燥処理等が必要となり、利用価値と比してコストが割高になる 醤油諸味粕は、醤油を生産する過程で発生する副産物であり、日本国内で年間約10万トン発生している。醤油は、一般に以下のような工程で製造される:炒って挽き割った小麦と蒸煮した大豆を混合し、そこに種麹を添加して発酵させ、その後、食塩水を加え、数か月間発酵させ、醤油諸味を得る。醤油諸味を圧搾して生揚醤油を得た後に残る残渣(搾りかす)が、醤油諸味粕である。醤油諸味粕は、典型的には板状である固形物である。醤油諸味粕は、発生直後の水分含量が約30%であり、およそ7~8%の塩分(塩化ナトリウム)を含んでいる。醤油諸味粕中の不溶性固形分の約35%がセルロース、約30%がタンパク質であると見積もられている(非特許文献1)。

 このように大量に発生する醤油諸味粕を処分するために、その一部を家畜飼料、キノコ用培地、土壌改良剤、ボイラー助燃剤等として再利用することも行われてきているが、残りの大部分は産業廃棄物として焼却されているのが現状である(非特許文献1)。

 しかしながら、多量の醤油諸味粕を焼却廃棄することが醤油メーカーにとって大きなコ
ストとなっており、また、上述したような高い塩濃度のために焼却炉を傷めやすいという問題もある。さらに、多量の醤油諸味粕を焼却することは、ダイオキシンのような塩素化合物をはじめとする有害物質を発生させる可能性も高める。一方、醤油諸味粕を再利用するためには、脱塩処理、乾燥処理等が必要となり、利用価値と比してコストが割高になる 。このように、醤油諸味粕を処分するための従来の諸方法は、コストや環境保全の観点から問題があった。

特 許 文 献 1 は 、 Aspergillus awamori( 麹 カ ビ の 一 種 ) が 醤 油 粕 を 分 解 し た こ と を 記 載
している。特許文献2は、腐葉土から分離された共生微生物群が醤油粕を分解したことを記載している。非特許文献1は、特定の糸状菌が醤油粕を分解し減量したことを記載している。これらの文献に記載された実験では、醤油粕が少なくとも10倍以上希釈された条件でこれらの菌の培養が行なわれている。従ってこれらの菌が醤油諸味粕の現実の高塩濃度環境において醤油諸味粕を分解できるかについては疑義が残る。また、これらの文献に記載された実験では、いずれも30℃において菌の培養が行なわれており、これらの菌が低温条件でも醤油諸味粕を分解できることは示されていない。

【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開平10-99072号公報
【特許文献2】特開2007-181436号公報
【非特許文献】
【非特許文献1】食総研報 No.76,33-38(2012) 

課題

 上述したように、ある種の微生物は、少なくとも塩濃度が希釈された条件下では醤油諸味粕を分解できることが知られているが、そのように知られた微生物の数はごく限られているのが現状である。異なる微生物は異なる周囲環境(例えば塩濃度、温度および湿度)において異なる分解活性を示し得るので、より多様な醤油諸味粕分解微生物を見出すことは有意義である。

 本発明は、醤油諸味粕を分解するための新規方法、ならびにその方法のために使用できる新規な微生物および組成物を提供する。そのような微生物を検出するための方法も提供される。

手段

 本発明は、少なくとも以下の実施形態を含む。
[1]
 受託番号NITE P-02649で寄託されている微生物、受託番号NITE P-02650で寄託されている微生物、受託番号NITE P-02651で寄託されている微生物、またはそれらのうちの2つ以上を含む混合物を、醤油諸味粕と接触させることを含む、醤油諸味粕を分解する方法。
[2]
 前記接触を1~10℃の温度で行うことを含む、[1]に記載の方法。
[3]
 受託番号NITE P-02649で寄託されている微生物。
[4]
 受託番号NITE P-02650で寄託されている微生物。
[5]
 受託番号NITE P-02651で寄託されている微生物。
[6]
 [3]~[5]のいずれかに記載の微生物のうちの1つ以上を含む、醤油諸味粕分解用組成物。
[7]
 1.6~2.4%(w/v)の醤油諸味粕を含む均一な水性懸濁液を調製し、これを20~40分間静置して粒子を沈降させ、その上清を取り出して、前記上清の0.9~1.1倍体積の水、溶融寒天、および3~20%(w/v)相当量のNaClを前記上清と組み合わせて混合液を調製し、前記混合液を1.2~2.8mmの厚さで培養容器に注ぎ入れて寒天を凝固させることによって作製される醤油諸味粕寒天培地に、試験微生物を植え付けて培養し、ハロー形成に基づいて醤油諸味粕分解微生物を検出する方法。

 本発明の実施形態は、少なくとも数%以上という高い塩(NaCl)濃度環境において醤油諸味粕を分解することができる微生物、そのような微生物を含む組成物、そのような微生物を検出する方法、およびそのような微生物を使用して醤油諸味粕を分解する方法を提供する。 

 

効果

 本発明により、塩分や水分を含んだままの醤油諸味粕を低コストで分解し減量することができる。

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特許情報

特開2019-162080

JPA 2019162080-000000