氷の気泡含有率の高いオゾン氷、該オゾン氷の製造方法及び製造装置

2022.09.09 By 中央大学

環境

技術概要

氷の気体含有率が7~42体積%の範囲であり、氷の気泡サイズ(気泡径)の平均値が70~135µmの範囲である。

用途・応用

オゾン氷

背景

 現在、生鮮食品の鮮度保持において殺菌・脱臭作用のあるオゾンガスを水に溶解させたオゾン水が効果的であることが確認され、その利用が拡大している。しかし、オゾンは時間経過により酸素に分解することから、安全である反面、その効果の保持が困難である。そこでオゾンの保持と保冷効果を目的としてオゾンを氷中に気泡として封入させたオゾン氷が注目されている(例えば、特許文献1、2参照)。このオゾン氷が高い気泡含有率を有し、容易および安価に製造されれば、食品の輸送及び貯蔵効率(コストを含む)が飛躍的に向上し、食品流通システムに大きな貢献をもたらすことが期待される。

【先行技術文献】
【特許文献】

【特許文献1】特開2007-225127
【特許文献2】特開2005- 77040

課題

 特許文献1では、容器の内部にマイクロバブルを含んだ水を注入し、あるいは容器の内部に注入した水にマイクロバブルを混入し、周囲から冷却して、マイクロバブルを含んだ状態で水を凍結して気体含有氷(オゾン氷)を製造する方法が開示されている。しかしながら、該文献1では、上面が開放され、側面に加熱手段及び冷却手段が設けられた筒状の氷製造容器にマイクロバブル発生器と水供給器を接続した構造の製造装置を用いており、筒状の氷製造容器の周囲から冷却して(図1~図3参照、以下、各図はダウンロード資料に記載)、筒状の氷製造容器内部の水にマイクロバブルがほぼ均等に分布した状態で水を凍結することで、マイクロバブルが局所的に偏在化することのない氷の気泡含有率の高いオゾン氷が得られるというものであります。具体的には、従来の空気を溶存させた水から生成した氷の気体含有率が3%であるのに対し、空気のマイクロバブルを含んだ水から生成した氷の気体含有率が6%(従来技術の2倍)に高められるというものであります。また、この際のオゾン氷中のオゾン含有率は最大で30mg/l(体積換算で1.4%)になることが記載されている。

 しかしながら、引用文献1では、上面が開放された筒状の氷製造容器の周囲から冷却しながら、筒状の氷製造容器内部の水にマイクロバブルがほぼ均一に分散されて含有された水を凍結させてオゾン含有氷を作製するため、氷中へのマイクロバブルの補足効率が悪く、その結果、氷の気泡含有率は実験値で最大6体積%を実現することしかできておらず、より高い気泡含有率を有する氷は生成するのは装置構成上ないし製法上極めて困難であるという問題があった。

 一方、オゾン氷生成方法には密閉加圧式があり、2005年に製品化されており、引用文献2に記載の製造方法も当該方式を用いている。この方法は、一方側に開閉可能な密閉蓋を備えた筒状容器を有し、筒状容器の一方側又は他方側にはポンプによって供給されるオゾンが、水にオゾンを加圧して溶存(溶解)しているオゾン水の注入口を有し、しかも直立状態で配置される筒状容器の上部には、内部の気体の放出が可能でかつ外部からオゾン又は酸素の注入が可能な注排気口を備え(図1)、筒状容器に注入したオゾン水を加圧状態で冷却して凍らせ、その過程で発生するオゾンを含む気泡を微細化したオゾン氷を生成するというものである。

 しかしながら、この方法においては、高圧であるほど、冷却速度が大きいほど、氷中のオゾン濃度は高くなる。そのため、高濃度のオゾン氷を生成する装置は、耐高圧化、低温での冷却、氷サイズの微小化(製氷管数の増加;ここで、製氷管については、特開2008-64356の図1等参照)などの理由から、大型化かつ低製氷効率(低い気泡含有率のオゾン氷しかできないこと)となる。以上のことから密閉加圧式のオゾン氷生成装置は初期および運用コストの削減が困難である。

 更に、引用文献2では、オゾン含有のマイクロバブル混入水を用いることなく、水にオゾンを加圧して溶存(溶解)しているオゾン水のみを用いているため、氷の気泡含有率を高めることができない問題があった。具体的には、図3及び段落「0050」よりオゾン氷中のオゾン濃度は最大で5.37mg/lであり、引用文献1と同様の体積換算で0.2~0.3体積%に過ぎない。引用文献1のオゾン含有のマイクロバブルを用いたオゾン氷の1/5程度の濃度しかオゾンを含有できないという問題があった。

 そこで本発明は、氷の気泡含有率の高いオゾン氷、該オゾン氷の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。

手段

 そこで、本発明の目的は、(1) 氷の気体含有率(体積割合)が6体積%よりも高いことを特徴とするオゾン氷により達成されるものである。

 本発明の目的は、(2) 前記氷の気体含有率(体積割合)が7~42体積%の範囲であることを特徴とする上記(1)に記載のオゾン氷によっても達成されるものである。

 本発明の目的は、(3) 前記氷の気泡サイズ(気泡径)の平均値が、70~135μmの範囲であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のオゾン氷によっても達成されるものである。

 本発明の目的は、(4) 前記氷が、水道水または地下水から塩素を除去した水を用いてなることを特徴とする上記(1)~(3)のいずれか1項に記載のオゾン氷によっても達成されるものである。

 本発明の目的は、(5) 氷スラリー中の気体含有率(体積割合)が6体積%よりも高いことを特徴とするオゾン氷スラリーにより達成されるものである。

 本発明の目的は、(6) 前記氷スラリー中の気体含有率(体積割合)が7~42体積%の範囲であることを特徴とする上記(5)に記載のオゾン氷スラリーによっても達成されるものである。

 本発明の目的は、(7) オゾン氷スラリー化し得る添加剤が、0体積%を超えて25体積%まで含有されてなることを特徴とする上記(5)または(6)に記載のオゾン氷スラリーによっても達成されるものである。

 また、本発明の目的は、(8) 上記(1)~(4)のオゾン氷からハーベスト法を用いて生成されてなることを特徴とする上記(5)または(6)に記載のオゾン氷スラリーによっても達成されるものである。

 

効果

 本発明のオゾン氷によれば、特許文献1の更に2倍の高い氷の気体含有率(体積割合)を実現することが可能となる。また、通常の安価な氷と本発明の高い氷の気体含有率を有するオゾン氷とを適当な割合で混ぜて使用することで、所望の殺菌・脱臭作用を有効に発現させることも使用用途(生鮮食品の種類や保存・輸送方法など)によっては十分可能となる。その結果、全体として輸送及び貯蔵効率(コストを含む)が飛躍的に向上し、食品流通システムに大きな貢献をもたらすことができる。

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特許情報

特許第5664994号

JPB 005664994-000000