環境にやさしいコンクリート製造

2022.08.03 By 日本原子力研究開発機構

環境

技術概要

従来のコンクリート材より長寿命で、製造工程でのCO2排出量を低減、簡単・安価に水素イオン濃度(㏗)を調整可能な、新規ジオポリマーを提供可能です。

用途・応用

環境負荷の低いコンクリートの製造方法

背景

 ジオポリマーはセメントやアスファルトの代替材料として土木や建築などの分野で注目されている。これまで開発されているジオポリマーは、使われる活性化剤(架橋剤)によって2種類に大別される。一つは、ケイ酸ナトリウムと水酸化ナトリウム水溶液の混合水溶液に代表されるアルカリ水溶液を活性化剤として重合されたジオポリマーであり、例えば、特許文献1~3にそのようなジオポリマーの例が開示されている。もう一つは濃リン酸水溶液を活性化剤として重合されたジオポリマーであり、例えば、非特許文献1~6にそのようなジオポリマーの例が開示されている。

 し か し な が ら 、 ア ル カ リ 水 溶 液 活 性 化 剤 を 用 い て 架 橋 さ れ た ジ オ ポ リ マ ー は 通 常 pH12以上 で あ り 、 ま た 、 濃 リ ン 酸 水 溶 液 活 性 化 剤 を 用 い て 架 橋 さ れ た ジ オ ポ リ マ ー は 通 常 pH3.3以下であるように、これまでのジオポリマーは強アルカリ性又は強酸性のいずれかであり、建築材料や土木材料として使用するには不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特表2017-518256号公報
【特許文献2】特表2013-545714号公報
【特許文献3】特開2018-122585号公報
【非特許文献】
【 非 特 許 文 献 1 】 M aterials Chemistry and Physics 130 (2011) 1‑4
【 非 特 許 文 献 2 】 Journal of the European Ceramic Society 35 (2015) 3167‑317
【 非 特 許 文 献 3 】 Applied Clay Science 50 (2010) 600‑603
【 非 特 許 文 献 4 】 Applied ClayScience 101 (2014) 60‑67
【 非 特 許 文 献 5 】 J M ater Sci (2008) 43:6562‑6566
【 非 特 許 文 献 6 】 M aterials Letters 190 (2017) 209‑212

課題

 上 記 の 通 り 、 従 来 の ジ オ ポ リ マ ー は 、 硬 化 ( 架 橋 ) 後 の pHを 調 整 す る こ と は で き な か った 。
そ こ で 、 本 発 明 は 、 pHを 弱 酸 性 か ら 中 性 の 範 囲 に 制 御 で き 、 か つ 、 強 度 も 維 持 し た 建 築材料や土木材料等の用途に好適に使用しうるジオポリマーを提供することを課題とする。

手段

 本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、活性化剤として高濃度リン酸 水 溶 液 と 可 溶 性 リ ン 酸 塩 な ど の pH調 整 剤 の 混 合 水 溶 液 を 用 い る こ と に よ り 、 pHを 弱 酸 性から中性の範囲に調整でき、かつ、強度も維持したジオポリマーが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。

効果

 本 発 明 に よ れ ば 、 安 価 な 材 料 を 用 い て 、 ジ オ ポ リ マ ー の 強 度 を 維 持 し つ つ 、 pHを 弱 酸 性から中性の幅広い範囲に任意に調整することができる。これにより、弱酸性~中性のジオポリマーを建築材料や建設材料として用いる場合は、セメント(コンクリート)に比べて劣化が少ないというジオポリマー本来の特長に加えて、セメントあるいは従来のジオポリマーのように雨水等の水が接触することによって高酸性水あるいは高アルカリ性水が土壌等に移行するという問題の起こらない、環境親和性に優れた材料を提供することができる。

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特許情報

特開2020-152611

JPA 2020152611-000000