アンモニア、亜硫酸、硝酸性窒素の同時除去による水質改善 

2022.07.20 By 山梨大学

環境

技術概要

アンモニア、亜硫酸、硝酸性窒素の同時除去

用途・応用

水質改善

背景

河 川 や 海 洋 等 の 水 系 に お け る 富 栄 養 化 の 原 因 物 質 の 1つ に 、 ア ン モ ニ ア 態 窒 素 が あ る 。アンモニア態窒素は、工業排水や生活排水中に存在するため、これらの排水は、適切に処理 を し た 後 に 水 系 に 放 出 す る 必 要 が あ る 。 ア ン モ ニ ア 態 窒 素 は 、 硝 化 反 応 ‑脱 窒 反 応 に 基づく排水処理法により窒素ガスにまで分解することによって適切に処理されている。

近 年 、 Anammox反 応 に 基 づ い て 、 ア ン モ ニ ア 態 窒 素 と 亜 硝 酸 態 窒 素 を 窒 素 ガ ス に 還 元 する 独 立 栄 養 微 生 物 反 応 の 研 究 が 進 め ら れ て い る 。 Anammox反 応 は 、 窒 素 除 去 効 率 が 高 く 、さ ら に 余 剰 汚 泥 の 生 成 も 少 な い こ と か ら 、 硝 化 反 応 ‑脱 窒 反 応 に 基 づ く 排 水 処 理 法 と 比 べて 60%程 度 も の コ ス ト 削 減 が 可 能 に な り 、 ゴ ミ 浸 出 水 や 嫌 気 消 化 脱 離 液 な ど 高 濃 度 の ア ンモニア態窒素含有水の処理に適用されている。

し か し な が ら 、 Anammox反 応 は 、 化 学 式 1の 通 り 、 硝 酸 態 窒 素 が 発 生 し 、 除 去 す る ア ン モニ ア 態 窒 素 の う ち 約 23%程 度 が 硝 酸 態 窒 素 と し て 残 留 す る。

従 っ て 、 高 濃 度 の ア ン モ ニ ア 態 窒 素 を 含 有 す る 排 水 を Anammox反 応 に 基 づ い て 処 理 す る場 合 、 硝 酸 態 窒 素 処 理 手 段 (例 え ば 、 有 機 物 を 添 加 し 従 属 栄 養 微 生 物 に よ る 脱 窒 反 応 に 基づ く 硝 酸 態 窒 素 還 元 処 理 手 段 、 併 設 す る 下 水 処 理 場 で の 処 理 手 段 を Anammox処 理 槽 の 後 段に設置する必要があり、その結果、処理コストが増加してしまう問題があった。

課題

 非特許文献2は、この複合脱窒反応を用いた処理装置の報告や、この反応を長期維持した実証実験やそのための条件については報告していない。本発明は、以上の事情に鑑みてな さ れ た も の で あ り 、 HD反 応 と Anammox反 応 に よ る 複 合 脱 窒 反 応 を 長 期 維 持 す る た め の 方法及びそのための装置を提供することを目的とする。

手段

本発明者らは、複合脱窒反応用の処理装置において水素ガスの供給量を減少させて実験を行った。しかしながら、亜硝酸態窒素の蓄積量が減少するだけでなく硝酸態窒素の還元量も減少し、その結果、非特許文献2の結果と同様に、複合脱窒反応が崩壊してしまった。また、これらの減少は、装置内部に溶存する水素濃度とは明瞭な相関性を見出せなかった 。

 更に、本発明者らは、水素ガスの供給期間と非供給期間を設けて実験したところ、驚くべき事に、複合脱窒反応を容易に制御するでき、且つ、長時間の運転であっても複合脱窒反応を維持できることを明らかにした。これらの知見に基づいて、本発明を完成するに至った。

 

効果

本発明によれば、(a) アンモニア態窒素含有水中の硝酸態窒素濃度が低下するように、アンモニア態窒素含有水中への水素の供給を維持する工程と、(b) アンモニア態窒素含有水中の硝酸態窒素濃度が低下しないように、アンモニア態窒素含有水中への水素の供給を制限し続ける工程と、を含み、工 程 ( a ) と ( b ) に お い て 、 ア ン モ ニ ア 態 窒 素 含 有 水 の pHは 、 6.5‑8.7に 維 持 さ れ 、ア ン モ ニ ア 態 窒 素 含 有 水 の 温 度 は 、 25‑42℃ に 維 持 さ れ る 、Anammox菌 と 水 素 酸 化 脱 窒 菌 を 固 定 し た 微 生 物 担 体 を 用 い た ア ン モ ニ ア 態 窒 素 含 有 水 の 処理方法が提供される。この処理方法によって、上記複合脱窒反応が崩壊せず、かかる反応を長期間維持することができる。

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特許情報

特開2018-140325

JPA 2018140325-000000