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簡易な構成で、外乱に影響されず、室温で、効率よく安定して水素検知動作を行うことが可能になる。
燃料電池、水素センサー、FCV
近年、環境保護問題や化石燃料の枯渇問題に対する観点から、クリーンで再生可能なエネルギー源として水素ガスが注目されている。一方で水素ガスは爆発性が高いため、安全に利用するための技術の確立が不可欠であり、漏洩した水素を高い精度で検知する水素センサの開発が望まれている。
従来の水素センサとして白金(Pt)触媒を使って水素を選択的に燃焼させる際の温度を検出する接触燃焼式の熱電式水素センサがある。
燃焼型の熱電式水素センサは、水素ガスを燃焼させるためのPt触媒と燃焼反応が起きるための温度に加熱するためのヒーター、燃焼による温度上昇を検出するための温度センサで構成されている。温度センサとしては、Pt線の電気抵抗の温度変化を利用する白金温 度 計 や 、 SiGeな ど の 半 導 体 薄 膜 を 用 い た 熱 電 素 子 が 使 用 さ れ て い る 。 当 該 水 素 セ ン サ は、水素ガスに接触するとあらかじめヒーターによって加熱されたPt触媒で大気中の酸素と水素ガスの間で燃焼が起こり、温度センサの温度が上昇するため、触媒付近に設置した温度センサの温度上昇によって水素の存在が検出される。
この燃焼型の熱電式水素センサは、原理が単純で小型化も可能である。しかし、酸素共存化でしか応答せず、また、安定な燃焼反応を実現するために100℃〜200℃以上の触媒温度が必要で、このために水素センサ全体を加熱する必要があるなどの問題点があった。また、水素の存在をセンサの温度上昇として検出するため、周囲の温度変化の影響を受けやすいなどの欠点もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開2009−42047号公報
上述した従来のPt触媒を使った燃焼型の熱電式水素センサには、ヒーターを使って触媒を加熱し、水素ガスの燃焼のために必要な温度に保持する必要があるという問題があった。さらに、外部環境の温度により電圧測定値が変動して水素検知精度が低下してしまう、つまり外部温度変化の影響を受けやすいという欠点があった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、外乱による影響が小さく、効率よく安定して水素検知動作を行う熱電式水素センサを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の熱電式水素センサは、第1の金属で形成された第1金属体の一端と、前記第1の金属と異なる第2の金属で形成された第2金属体の一端とが、水素を吸蔵して発熱する水素吸蔵物質で形成された第1吸蔵体を挟んで接続されるとともに、前記第1金属体の他端と、前記第2金属体の他端とが、前記水素吸蔵物質で形成された第2吸蔵体を挟んで接続された熱電対と、前記第1吸蔵体が水素ガスと接触しないように前記第1吸蔵体の表面を覆う水素防護部材とを設け、前記第1吸蔵体と前記第2吸蔵体との温度差により熱電対で発生する熱起電力を検出することを特徴とする。
また、本発明の他の形態の熱電式水素センサは、第1の金属で形成された第1金属体の一端と、前記第1の金属と異なる第2の金属で形成された第2金属体の一端とが接続されるとともに、前記第1金属体の他端と前記第2金属体の他端とが接続された熱電対の、それぞれの接続部分に、水素を吸蔵して発熱する水素吸蔵物質で形成された吸蔵体を設置し、いずれか一方の吸蔵体に水素ガスと接触しないように吸蔵体の表面を覆う水素防護部材を設けた、前記吸蔵体間の温度差により熱電対で発生する熱起電力を検出することを特徴とする。
また、本発明の他の形態の熱電式水素センサは、第1の金属で形成された第1金属体の一端と、前記第1の金属と異なる第2の金属で形成された第2金属体の一端とが接続されるとともに、前記第1金属体の他端と前記第2金属体の他端とが接続された熱電対の、いずれか一方の接続部分に、水素を吸蔵して発熱する水素吸蔵物質で形成された吸蔵体を設置し、前記接続部分間の温度差により熱電対で発生する熱起電力を検出することを特徴とする。
本発明の熱電式水素センサによれば、簡易な構成で、外乱に影響されず、効率よく安定して水素検知動作を行うことが可能になる。
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