表面増強ラマン分光用基板の応用②:連続モニタリング用フロー型SERS デバイス

2022.09.27 By 東洋大学

化学

技術概要

気相中の揮発性分子もしくは液相中の懸濁物質をリアルタイムでモニターするフロー型SERS デバイス。フロー系のチューブに容易に結合可能で、気相、液相中の有害物質、不純物等の迅速検出への応用を想定。

用途・応用

ラマン分光、SERS、分析

背景

 従来、高速液体クロマトグラフ(HPLC)に代表されるクロマトグラフィーの分野では、流体に含まれる物質を同定することが重要であり、この物質を同定するための手法とし て 、 表 面 増 強 ラ マ ン 分 光 法 ( S E R S : S u r f a c e E n h a n c e d R a m a nS c a t t e r i n g ) が 注 目 さ れ て い る 。

 表面増強ラマン分光法では、流体を搬送する流路の内面に形成した表面増強ラマン分光測定用金属ナノ粒子(以下、金属ナノ粒子として適宜説明する)に励起光を照射して、この金属ナノ粒子から発光するラマン散乱光を測定する。そして、測定したラマン散乱光を解析することにより、物質を同定することができる。

 ここで、流体に含まれる物質を表面増強ラマン分光法により測定する場合、流体を搬送する流路の直径が大きいと、流体に含まれる物質が、流路の内面に形成した金属ナノ粒子と接触しにくくなるため、流路の直径を100μm程度に設定した微細流路を形成した微細流路デバイスを用いた手法が検討されている。

課題

 しかしながら、従来技術には、次のような問題があった。従来技術に係る微細流路デバイスは、透明な基板の内部に微細溝を形成するとともに、この微細溝の溝内面に金属ナノ粒子を形成する加工処理を経て製造される。このような微細で特殊な加工処理を必要とする微細流路デバイスは、非常に高価なものとなっていた。このため、コストを抑制した微細流路デバイスが望まれていた。

 本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、コストを抑制した微細流路デバイス及び測定方法を提供することを目的とする。

手段

 本発明の第1の特徴は、流体を流す微細流路を備え、前記流体に含まれる物質を表面増強ラマン分光法により測定する際に用いられる微細流路デバイスであって、所定方向に沿って延びる中空部が形成される管部材と、前記中空部に嵌合される嵌合部材と、を備え、前記嵌合部材を覆っている前記管部材の少なくともラマン分光測定部分は、透明な部材で形成され、前記嵌合部材の外周部には、前記管部材の内周部との間に前記微細流路を形成する微細溝が設けられており、前記微細溝の溝内面には、表面増強ラマン分光測定用金属ナノ粒子が形成されることを要旨とする。

 本発明の第2の特徴は、上記特徴に係り、前記管部材は、中空チューブであることを要旨とする。

 本発明の第3の特徴は、上記特徴に係り、前記嵌合部材の外周部には、前記微細溝が螺旋状に形成されていることを要旨とする。

 本発明の第4の特徴は、上記特徴に係り、前記微細溝の断面形状は、V字形状、U字形状、コの字状の何れか、又は、それらの組合せであることを要旨とする。

 本発明の第5の特徴は、上記特徴に係り、前記嵌合部材は、前記微細溝の溝底部に固定される微小部材を更に備え、前記金属ナノ粒子は、前記微小部材の外表面に形成されることを要旨とする。

 本発明の第6の特徴は、流体を流す微細流路を備える微細流路デバイスを用いて、前記流体に含まれる物質を表面増強ラマン分光法により測定する工程を含み、前記微細流路デバイスは、所定方向に沿って延びる中空部が形成される管部材と、前記中空部に嵌合される嵌合部材と、を備え、前記嵌合部材を覆っている前記管部材の少なくともラマン分光測定部分は、透明な部材で形成され、前記嵌合部材の外周部には、前記管部材の内周部との間に前記微細流路を形成する微細溝が設けられており、前記微細溝の溝内面には、表面増強ラマン分光測定用金属ナノ粒子が形成されることを要旨とする。

効果

 本発明によれば、コストを抑制した微細流路デバイス及び測定方法を提供することができる。

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特許情報

特許6583913号

JPB 006583913-000000