金属含有ゼオライト複合体、およびその触媒、ならびに2-ピロリドンの製造方法

2022.09.16 By 鳥取大学 工学研究科

化学

技術概要

グルタミン酸は糖類から比較的安価に製造できます。この触媒技術を用いれば2-ピロリドンといった工業的に有用な溶剤で、かつ生分解性繊維を製造できます。

用途・応用

2-ピロリドンの製造方法

背景

 従来、2-ピロリドンは石油資源からの合成で工業的に製造されている。例えば、γ-ブチロラクトンとアンモニアを反応させることで、2-ピロリドンが得られる。しかしながら、アンモニアによる窒素の導入反応は、アンモニアの製造に大量のエネルギーを要し、また、設備の耐腐食対策などが求められるため、製造コストが高くなるというデメリットがある。

 一方、近年、バイオマス資源から、微生物を利用して、2-ピロリドンを製造する試みがなされている。また、グルタミン酸から、Pd/Al 2 O3 触媒を用いて2-ピロリドンを合成することが報告されている。この文献の方法では、窒素雰囲気下、250℃の高温で触媒反応を行っている。しかしながら、2-ピロリドンをより簡便に効率よく製造することが求められる。

課題

 本発明は、新規な金属含有ゼオライト複合体、およびその触媒、ならびにその金属含有ゼオライト複合体の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、2-ピロリドンを簡便に効率よく製造する方法を提供することを目的とする。

手段

 本発明は、下記に挙げられる実施態様を含むが、これらに限定されるものではない。
[1] 周期表で第8族~第11族に分類される金属と、MFI型ゼオライトおよびYFI型ゼオライトから選ばれるゼオライトとを含み、前記MFI型ゼオライトに含まれるSiおよびAlの組成比が、シリカとアルミナに換算したモル比(SiO 2 /Al 2 O 3 )として、10~250であり、前記YFI型ゼオライトに含まれるSiおよびAlの組成比が、シリカとアルミナに換算したモル比(SiO 2 /Al 2 O 3 )として、18~700である、金属含有ゼオライト複合体。
[2] 前記金属が、Ru、Rh、Pt、およびPdからなる群から選択される少なくとも1つの金属である、[1]に記載の金属含有ゼオライト複合体。
[3] 金属含有ゼオライト複合体の総重量100重量%に対する、前記金属の総含有率が、0.001~20重量%である、[1]または[2]に記載の金属含有ゼオライト複合体。
[4] 前記金属の粒子が、前記ゼオライトの担体の表面に担持されている、[1]~[3]のいずれか1つに記載の金属含有ゼオライト複合体。
[5] 前記金属の粒子の粒子径が0.2~30nmである、[4]に記載の金属含有ゼオライト複合体。
[5-1] 前記金属の粒子の粒子径が0.2~10nmである、[1]~[5]のいずれか1つに記載の金属含有ゼオライト複合体。
[6] 前記金属の塩およびゼオライトを含む混合物を、焼成し、その後または焼成と同時に水素の存在下で還元処理することにより得た、[1]~[5]のいずれか1つに記載の金属含有ゼオライト複合体。
[7] 前記金属の塩およびゼオライトを含む混合物を、焼成し、その後または焼成と同時に水素の存在下で還元処理することにより、[1]~[6]のいずれか1つに記載の金属含有ゼオライト複合体を得ることを含む、金属含有ゼオライト複合体の製造方法。
[8] ピログルタミン酸、グルタミン酸、およびピログルタミノールから選ばれる少なくとも1つの反応基質から、2-ピロリドンを生成するための、[1]~[6]のいずれか1つに記載する金属含有ゼオライト複合体からなる触媒。
[8-1] 前記金属が、Ru、Rh、Pt、およびPdからなる群から選択される少なくとも1つの金属である、[8]に記載の触媒。
[8-2] 反応基質が、ピログルタミン酸またはグルタミン酸である、[8]または[8-1]に記載の触媒。
[9] [1]~[6]のいずれか1つに記載の金属含有ゼオライト複合体を用いて、水素の存在下、ピログルタミン酸、グルタミン酸、およびピログルタミノールから選ばれる少なくとも1つの反応基質を反応させて、2-ピロリドンを生成する、2-ピロリドンの製造方法。
[10] 温度が100℃以上、圧力が0.5MPa以上で、反応を行う、[9]に記載の2-ピロリドンの製造方法。
[11] 金属含有ゼオライト複合体の総重量が、反応基質1molに対して、0.1~2000gの比率である、[9]または[10]に記載の2-ピロリドンの製造方法。
[12] ピログルタミン酸からピログルタミノールへの変換、および、ピログルタミノールから2-ピロリドンへの変換を1ステップで行う、[9]~[11]のいずれか1つに記載の2-ピロリドンの製造方法。
[13] グルタミン酸からピログルタミン酸への変換、ピログルタミン酸からピログルタミノールへの変換、および、ピログルタミノールから2-ピロリドンへの変換を1ステップで行う、[9]~[11]のいずれか1つに記載の2-ピロリドンの製造方法。
[14] CO化学吸着量測定において、前記金属1gあたりのCO化学吸着量が、0.001~0.5mmolである、[1]~[6]のいずれか1つに記載の金属含有ゼオライト複合体。
[15] COを化学吸着させたときの赤外分光測定において、COのピークの波数が1800~2200cm - 1 である、[1]~[6]および[14]のいずれか1つに記載の金属含有ゼオライト複合体。

効果

 本発明によれば、新規な金属含有ゼオライト複合体、およびその触媒を提供することができる。また、本発明によれば、2-ピロリドンを簡便に効率よく製造することができる。

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特許情報

特開2021-024772

JPA 2021024772-000000