二酸化炭素の還元反応に高活性を示す金属錯体触媒・有機分子触媒の開発

2022.09.05 By 横浜国立大学 大学院工学研究院 機能の創生部門 本倉 健

化学

研究概要

金属錯体や有機分子触媒をシリカ等の担体に固定した固定化触媒の開発、二酸化炭素の還元反応に高活性を示す金属錯体触媒・有機分子触媒の開発、アルカンのC-H結合活性化が可能な固体酸・固定化金属複合触媒系の開発を行っています。金属使用量を低減できる高活性触媒の開発、二酸化炭素やアルカンを原料とする有用物質合成、副生成物の出ない反応経路の開発など、環境負荷低減と資源有効利用へ向けた触媒開発を目指しています。

アドバンテージ

固定化触媒は再利用が容易であり、生成物中への金属種の溶出が無い利点を持ちます。固体表面を精密にデザインする、例えば活性な金属錯体だけでなく、有機官能基の共固定や担体表面の官能基の活用によって、触媒性能の増幅(協奏効果)が可能になります。

カーボンニュートラル社会の構築へ向けて、二酸化炭素の有用物質への変換が注目されています。二酸化炭素の還元反応に高活性を示す触媒を提案できます。例えば、銅錯体触媒やアルキルアンモニウム塩触媒が高性能を示すことを見出しています。

アルカンのC-H結合を直接活性化して化成品原料を合成する反応開発が求められています。固体酸触媒と担持金属触媒の複合によってC-H結合の活性化と脱水素処理を容易に行うことができます。

事例紹介

シリカ表面に Rh 錯体と第三級アミンを固定した触媒を用いると末端オレフィンのヒドロシリル化反応が効率よく進行します。Rh 基準の触媒回転数(TON)は最高で 190 万回に達します(右図A)。

アルキルアンモニウム触媒を用いると二酸化炭素をヒドロシランによって還元し、ギ酸あるいはメタノール前駆体へと変換することができます。活性種の固定化も可能です

アルカンのC-H結合を直接活性化し、ベンゼンと反応させることで脱水素型のアルキルベンゼン合成が可能です。アルカンを直接用いる点・副生成物がH2のみである点が従来法と比べて優れています。

相談に応じられるテーマ

固定化触媒開発,ファインケミカルズ合成,二酸化炭素転換

反応,アルカン転換反応,固体酸塩基触媒

主な所属学会

日本化学会, 触媒学会,石油学会,米国化学会

主な論文

Dehydrogenative Coupling of Alkanes and Benzene Enhanced

by Slurry-Phase Interparticle Hydrogen Transfer』

JACS Au.1, 119-123 2021

Heterogeneous Organocatalysts for the Reduction of Carbon Dioxide with Silanes』「ChemSusChem .14,

281-292」 2021

Porous FeO(OH) dispersed on Mg-Al hydrotalcite surface for one-pot synthesis of 2-substituted

quinoline derivatives』「ChemCatChem. 18, 2915-29212021

“Controllable Factors of Supported Ir Complex Catalysis for Aromatic C-H Borylation』「ACS Catalysis .10, 14552- 145592020

『固体表面への触媒機能集積による有機反応加速』「材料表面 5,98-106.2020

『銅錯体触媒とヒドロシランを用いる二酸化炭素の還元的変換反応 』「ペトロテック 37, 769-7732014

主な特許

特許第6845503号「アリル化反応用触媒 」

特願 2017-205107「蓄熱方法 、蓄熱装置、及び蓄熱材料」

特願 2019-225193「尿素生成法」

主な著書

『有機分子触媒による CO2 からのギ酸シリルの合成』「脱石油に向けた CO2 資源化技術-化学・生物プロセスを中心に-」(シーエムシー出版) p 77-86 2020

『シリカ表面への有機官能基の配置による協同触媒作用の発現 』「触媒の設計・反応制御事例集」(技術情報協会) p 138-146. 2013

Acid-Base Cooperative Catalysis for Organic Reactions by Designed Solid Surfaces with Organofunctional Groups』「Bridging Heterogeneous and Homogeneous Catalysis, Ed. Can Li & Yan Liu, (Wiley)  p1-20. 2014

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特許情報

特許第6845503号「アリル化反応用触媒 」

JPB 006845503-000000

特願 2017-205107「蓄熱方法 、蓄熱装置、及び蓄熱材料」

JPA 2019077766-000000

特願 2019-225193「尿素生成法」

JPA 2021095339-000000