α-ナトリウムフェライト類の製造方法

2022.08.03 By 埼玉大学

化学

技術概要

α-Naフェライト又はα-NaフェライトのNaの一部をLi及び/若しくはKで置換した置換型α-Naフェライトを用いることにより、従来のLiフェライトに比べ安価でより低温域で優れた二酸化炭素吸収性能を示す炭酸ガス吸収剤が得られた。

用途・応用

鉄化合物
炭素・炭素化合物

背景

 地 球 温 暖 化 対 策 の 1つ と し て 、 排 ガ ス 中 か ら の CO2除去技術が注目されている。代表的な手 法 の 1つ と し て 、 リ チ ウ ム フ ェ ラ イ ト ( α ‑LiFeO2) を 用 い た CO2吸収材が知られている。
 特 開 2 0 0 5 - 2 7 0 8 4 2 号 公 報 ( 特 許 文 献 1 ) に は 、 CO2ガ ス の 吸 収 温 度 が 300~ 500℃ 程 度 で あ る リ チ ウ ム フ ェ ラ イ ト ( α ‑LiFeO2) を 用 い た CO2吸収材が公開されている。

 こ の CO2吸 収 材 は 、 鉄 の 一 部 を コ バ ル ト や マ ン ガ ン で 置 換 し て 合 成 し た α ‑LiFeO2であり、CO2ガ ス の 吸 収 速 度 の 向 上 と CO2吸 収 後 の α ‑LiFeO2への再生温度の低温化を目指している。
 
 同 様 に 、 リ チ ウ ム フ ェ ラ イ ト ( α ‑LiFeO2) を 用 い た CO2吸 収 材 で あ っ て 、 CO2吸収率を向 上 さ せ た も の と し て 、 α ‑LiFeO2と炭酸カリウムを混合する手法によって得たリチウムフ ェ ラ イ ト に 関 す る 技 術 も 公 開 さ れ て い る [ M .Katoら 、 CO2 absorption property of lithium ferrite for application as a high‑temperature CO2 absorption, Journal of the ceramic society of Japan, 113[10], 684‑686 (2005)( 非 特 許 文 献 1 ) ] 。
 
 さ ら に 、 200~ 500℃ の 温 度 域 で CO2吸 収 能 を 有 し 、 特 に 450℃ 以 下 の 比 較 的 低 温 域 に お ける CO2吸 収 率 を 改 良 し た 新 た な α ‑LiFeO2及びその製造方法が、特許文献2に記載されている 。

【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開2005-270842号公報
【特許文献2】特開2009-234810号公報(特許5279310号)
【非特許文献】
【 非 特 許 文 献 1 】 M .Katoら 、 Journal of the ceramic society of Japan, 113[10], 684‑686 (2005)
【 非 特 許 文 献 2 】 M .C.Blesaら 、 Solid State Ionic 126(1999)81‑87
【 非 特 許 文 献 3 】 M .C.Blesaら 、 Journal of Solid State Chemistry 129, 123‑129 (1997)

課題

 特 許 文 献 2 に 記 載 の α ‑LiFeO2は 、 前 述 の よ う に 、 200~ 500℃ の 温 度 域 で CO2吸収能を有し 、 450℃ 以 下 の 比 較 的 低 温 域 に お け る CO2吸収率も向上した材料であり、炭酸ガスの吸収に有効な材料であった。しかし、成分としてリチウムを用いることから、コスト高及び資源 の 獲 得 に 不 安 が あ る 材 料 で あ っ た 。 さ ら に 、 CO2吸収をより低温域において可能にする新たな材料の提供も望まれている。
 
 そこで、本発明は、上記課題を解決することを目的とするものであり、リチウムを主原料 と し て 用 い る こ と な く 、 か つ 400℃ 以 下 の 低 温 域 に お い て 高 い CO2吸収率を示す新たな材料とその製造方法を提案することを主な目的とする。

手段

 本 発 明 者 ら は 、 上 記 課 題 を 解 決 す る こ と を 目 的 に 種 々 の 検 討 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 α ‑NaFeO2及 び Naの 一 部 を 他 の ア ル カ リ 金 属 で 置 換 し た 置 換 型 α ‑NaFeO2が 400℃ 以 下 の 低 温 域に お い て 高 い CO2吸収率を示すことを見出し、かつこれらの化合物の新たな製造方法を見出して本発明を完成させた。
 
 尚 、 α ‑NaFeO2は 100年 以 上 も 前 か ら 知 ら れ て い る 化 合 物 で あ り 、 製 造 方 法 と し て は 例 えば 、 非 特 許 文 献 2 に 記 載 の ゲ ー タ イ ト (FeOOH)と NaOHの 水 溶 液 を 原 料 と す る 水 熱 合 成 法 及び 非 特 許 文 献 3 に お い て 引 用 さ れ て い る α ‑Fe 2O3と Na 2O2を原料とする固相合成法が知られ て い る 。 し か し 、 こ れ ら の 文 献 に は 、 α ‑NaFeO2の CO2吸収挙動についての記載はない。

効果

 本 発 明 に よ れ ば 、 リ チ ウ ム を 主 原 料 と し て 用 い る こ と な く 、 か つ 400℃ 以 下 の 低 温 域 にお い て 高 い CO2吸収率を示す新たな材料とその製造方法を提案することができる。
 
 さらに本発明によれば、上記新たな材料を炭酸ガスの吸収剤として用いる、炭酸ガスの吸収方法、炭酸ガス吸収装置、および炭酸ガスの分離装置を提供することができる。

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特許情報

特許第6383188

JPB 006383188-000000