自動ピペットシステム・自動減圧ろ過装置

2022.08.03 By 日本原子力研究開発機構

化学

技術概要

自動で分注・減圧ろ過が可能で、グローブボックス・セル内での分注が容易です。ロボットと組み合わせれば完全自動分注、自動ろ過が可能です。

用途・応用

化学分析

背景

 現在、ピペットは分子生物学、製薬、医学、分析化学、環境科学、食品関連分野、化粧品、化学工業などの分野において、液体の分注を行うためのツールとして広く活用されている。
 
 マイクロピペットは、体積計量部と液体を吸い上げるチップが分離しているため、チップを使い捨てにすることで洗浄の必要がなくなり、個人の技量のよるバラツキも抑えられたため、現在ではホールピペットを完全に駆逐することになった。マイクロピペットは利き手の親指でボタンを動かすことによって液体を分注する。また、このような動作を電動化した製品も広く普及するようになった。
 
 電動化されたものとしては、例えば、特許文献1(特開2017-161517号公報)に、生物学的または化学的な流体を処理するための装置であって、複数のピペットと、少なくとも1つのピペットを操作する少なくとも1つの機械的アームと、ピペットの操作を制御するソフトウェアインターフェースとを含むことを特徴とする装置が開示されている 。
【特許文献1】特開2017-161517号公報

課題

 電動化されたマイクロピペットは、マイクロピペット上部に設けられたダイヤルで容量を指定することで、所望とする容量の分注を行うことが可能である。一方、このような電動マイクロピペットは、外部から電気信号を受信し、当該電気信号に基づいて外部で指定された容量の分注を行うようにはなっていない、という問題があった。
 
 また、従来の電動マイクロピペットは、使い終わったチップを取り外す際のボタンを備えるものはあったが、取り外しの際の駆動力は、当該ボタンが人の手によって押し込まれる際の力を利用するものであり、外部からの電気信号でチップの取り外しを行うことはできない、という問題もあった。
 
 従来の電動マイクロピペットは、上記のような問題を有していたため、多関節ロボットによって電動マイクロピペットをハンドリングさせて、分注などの化学操作を行わせようと考えても、通常の多関節ロボットは、上記のようなダイヤルの回転動作を行う機能や、マシンビジョンによってダイヤル数値を読み取る機能などは備えていないため、仮にこれらの機能を多関節ロボットに新たに付与するとコストが大幅に上昇してしまう、という問題があった。
 
 また、従来の電動マイクロピペットは、人間が手で操作することが前提になっているため、その形状は人間の手に倣ったデザインが採用されている。一般的な多関節ロボットにおける把持部が備えているのは2爪の平行グリッパであり、電動マイクロピペットを多関節ロボットで扱うことは、電動マイクロピペットの形状的な側面からも困難である、という問題もあった。

手段

 上記のような問題点を解決するために、本発明に係るピペットシステムは、チップが着脱される先端部を有し、装着されたチップに対して液体を吸入すると共に、吸入した液体を排出する分注機構と、先端部に装着されたチップを取り外す取り外し機構と、前記分注機構を駆動する第1アクチュエーターと、前記取り外し機構を駆動する第2アクチュエーターと、前記第1アクチュエーター及び前記第2アクチュエーターに対して、それぞれ電気接続がなされるコネクタと、からなる電動ピペットを含むことを特徴とする。

効果

 本発明に係るピペットシステムは、分注機構を駆動する第1アクチュエーターと、チップの取り外し機構を駆動する第2アクチュエーターとに対して、それぞれ電気接続がなされるコネクタと、からなる電動ピペットが含まれており、このような本発明に係るピペットシステムによれば、多関節ロボットによって電動ピペットをハンドリングさせて、分注などの化学操作を行わせることが可能となる。これにより、人手によらず化学操作を行うことができ、例えば毒性を有する揮発性の液体や、放射性物質を含んだ液体なども容易に扱うことができるようになる。また、化学操作を行う際の実験室などの空間に対しても、多大な配慮を行う必要がなくなる。

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特許情報

特開2020-159885
特開2021-159815

JPA 2020159885-000000