免疫を活性化して、ワクチンを細胞内に運ぶ。 カルボキシ化多糖の力

2022.11.07 By 大阪府立大学 大学院 工学研究科 准教授 弓場 英司

バイオ

技術の概要

免疫細胞の活性化機能と、抗原の細胞内導入機能を併せ持つ機能性多糖で修飾したリポソームを用いる免疫誘導システムを開発した。本システムは免疫細胞に特異的に認識され活性化するとともに、細胞内に効率良く抗原を送達することで抗原特異的な細胞性免疫を誘導した。さらに、本システムに合成脂質を組み込むことでその免疫誘導能を飛躍的に高められることから、免疫誘導システムとして有用性・実用性が高い。

技術の特徴

  • ・抗原の細胞内デリバリーと、免疫細胞活性化を、一つの機能性多糖で実現
  • ・既存のアジュバントMPLAなしでも、同等の免疫反応を誘導可能
  • ・合成脂質との組み合わせによって免疫活性化能を100倍以上高めることが可能

機能性多糖修飾リポソームによる細胞内への抗原送達

機能性多糖修飾リポソームによる細胞内への抗原送達

がん免疫治療効果(E.G7-OVA担がんマウス)

適用分野

【想定される用途】

  • ・ がん免疫療法用の免疫誘導システム
  •  ・新規アジュバント
  • ・感染症用ワクチン担体
  • ・生理活性分子(遺伝子、ペプチドなど)の細胞内デリバリーシステムとして応用が可能です。

【希望する「組織」連携体制】

  • ・基礎技術の深化: 大学
  • ・生産技術の高度化:大学/化学メーカー
  • ・製造・生産システムの実用化:化学メーカー
  • ・社会実装システムの開発:化学メーカー/製薬メーカー

技術の内容

【提案する内容】

正電荷脂質とpH応答性多糖を含むリポソームによる免疫誘導システム

  • カードラン (βグルカン)にカルボキシ基を導入したpH応答性多糖(MGlu-Curd)を合成
  • MGlu-Curd と正電荷脂質を組み込んだナノサイズの抗原封入リポソームを開発
  • 細胞内への抗原送達、極めて強力な樹状細胞活性化を達成
  • 既存のアジュバント(MPLA)がなくとも強力な細胞性免疫・抗腫瘍免疫を誘導


【実装化への要望】

  • 細胞内に送達する抗原タンパク質、ペプチド、生理活性分子の選定
  • 多糖誘導体修飾リポソームの安全性評価
  • 多糖誘導体のGMP準拠製造法の検討

特許情報

発明の名称 pH応答性リポソーム 概要

多糖へのカルボキシ基導入によって、樹状細胞の細胞質内に抗原タンパク質を運搬する機能性多糖を開発。機能性多糖修飾リポソームは細胞性免疫を誘導し、がんの縮退を達成した。

出願番号 特願2011-103692
出願人 公立大学法人大阪府立大学
代表発明者 弓場英司、田島直樹、河野健司
発明の名称 正電荷脂質と多糖誘導体を含む微粒子担体 概要

カルボキシ基導入多糖修飾リポソームに正電荷脂質を組み込むことで、樹状細胞に対するアジュバント作用を飛躍的に高めることに成功。

出願番号 特願2016-214408
出願人 公立大学法人大阪府立大学、テルモ㈱
代表発明者 弓場英司、河野健司、門柚奈、他2名

研究者からの一言

  • ・安全性の高い多糖・脂質をベースに、強力な免疫誘導システムを構築しました。
  • ・アジュバントなしで細胞性免疫を誘導する免疫誘導剤として有用です。

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特許情報

特願2011-103692

JPB 005866724-000000

特願2016-214408

JPA 2018070539-000000