CCL25による未熟児および老齢者の免疫機能促進剤の開発

2022.08.17 By 静岡大学

バイオ

技術概要

母乳中CCL25が新生児の免疫器官およびその機能の発達促進作用を有する一方、老齢者の腸管免疫機能低下の原因、小腸内CCL25産生の著しい低下と、それに伴うIgA産生細胞数、IgAの腸管内での減少を明らかにした。

用途・応用

サプリメント、免疫機能発達促進剤

背景

 新生児の初期免疫機能獲得には母乳摂取が重要な役割を果たしている。特に、出産直後に分泌される初乳には、IgA抗体や免疫機能に関与する物質が多く含まれており、新生児の感染防御に重要な役割を果たしている。その免疫機能関与物質の一つにケモカインと呼ばれるタンパク質があり、CXCL8(IL-8)、CCL5(RANTES)及びCCL28が母乳に含まれるケモカインとして知られている。しかしながら、例えば、初乳の製造・分泌時期には乳腺組織内でCCL28の発現がほとんど見られないことが報告されている。このように、初乳の摂取による新生児の免疫獲得において、ケモカインがどのように関与しているかについては依然として不明である。

 上記のケモカインの他、マウス、ヒトの胸腺で発見され、腸管免疫に関与するケモカインの一種に、Chemokine(C-C motif)ligand25(CCL25)がある。これまでに、母体におけるCCL25の働きとして、乳腺組織内での初乳へのIgAの移行にCCL25が関わっている可能性が報告されている(非特許文献1)。しかしながら、CCL25についても初乳の摂取による新生児の免疫獲得における働きは明らかにされていない。

【先行技術文献】
【非特許文献】
【非特許文献1】竹中正樹、茶山和敏、"妊娠および必乳中のマウス乳腺内におけるCCL25ケモカインの発現"、2010年3月5日、第11回静岡ライフサイエンスシンポジウム要旨集、p.19 

課題

 本発明は、CCL25の新たな機能を同定することを目的とする。

手段

 本発明者らは、驚くべきことに、これまで母体で発現することによって乳汁へのIgAの移行に関与していると考えられていたCCL25が、乳汁自体に含まれており、乳汁を摂取する対象へ直接働きかけることで免疫機能の発達を促進する機能及び成長を促進する機能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の[1]~[6]を提供する。
[1]CCL25を含有する免疫機能発達促進剤。
[2]乳児用である[1]の免疫機能発達促進剤。
[3]経口摂取用である[1]又は[2]の免疫機能発達促進剤。
[4]CCL25を含有する成長促進剤。
[5]乳児用である[4]の成長促進剤。
[6]経口摂取用である[4]又は[5]の成長促進剤。

効果

 本発明の免疫機能発達促進剤を摂取することで、対象の免疫機能の発達を促進することができる。また、本発明の成長促進剤を摂取することで、対象の成長を促進することができる。

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特許情報

特願2017-524858
WO2016/204271

JPB 006799327-000000