植物におけるタンパク質生産のプラットフォーム化

2022.08.09 By 筑波大学

バイオ

技術概要

植物において高収率発現のためのベクター。ジェミニウイルス複製システムと二重ターミネーターを組み合わせ、一過的にタンパク質を発現させ高発現(4 mg/g新鮮重)が可能。大腸菌や酵母に匹敵する収量で、既存よりも短期間で高発現。

用途・応用

医薬タンパク質

背景

 組換えタンパク質の製造や、植物におけるタンパク質の局在の解析を目的として、トランスジェニック植物が用いられる場合がある。しかしながら、 トランスジェニック植物を作出するためには長期間を要する。また、トランジェニック植物によるタンパク質の発現量は比較的低い傾向にある。 [0003] 一方、ウイルスベースのベクターをいた一過性の発システムでは、短時間に組換えタンパク質の高い発現を得ることができる場がある例えば、magnICONシステムと呼ばれる現システムは、タバコモザイクウ イルスをベースとしたウイルスシステムであり、タバコの葉における組換えタンパク質の高レベルの蓄積を達成するために開発されたものである(例えば非特許文1を参。)。 

 また、ジェミニウイルスは、一本鎖の環状DNAゲノムを有しており、ーリングサークル型DNA複製機構によりそのゲノムを非常に高いコピー数 で複製することが知られている。この機、トランスジェニック植物にお けるタンパク質の発現を増加させたり、一過性の発システムにおける組換 えタンパク質の発現量を増加させるために利用されてきた(例えば非特許文献2を参照。)。

行技術文献 
特許文献 
非特許文献1 : Maril lonnet S., et al., Systemic Agrobacterium tumefaciens-mediated transfection of viral replicons for efficient transient e xpression in plants., Nat. Biotechnol., 23 (6), 718-723, 2005. 特許文献2:Moon K. B., et al., Overexpression and self-assembly of virus-like particles in Nicotiana benthamiana by a single-vector DNA replicon system., Appl. Microbiol. Biotechnol., 98 (19), 8281-8290, 2 014. 

課題

 しかしながら、非特許文献1に記載されたシステムは、宿主がタバコ属の植物に限られており、他の植物に適することが困難な場合がある特許文2に記載されたシステムは、タンパク質の発現量が十分でない場合がある。こで本発明、タバコ属以外の植物にも適用することができ タンパク質の発現量が高い発現システムを提供ることを目的とる。

手段

 本発明は以下の態様を含む。 

[1] ジェミニウイルス由来のLong Intergenic Regi on (LIR)と、ジェミニウイルス由来のSmall Intergen ic Region (SIR)と、前記LIRと前記SIRとの間に連結された目的タンパク質の発現カセットとを含む第1の核酸断片と、ェミニウイルス由来のRep/RepAタンク質の発現カセットを含む第2の核酸 片と、を備え、前記目的タンパク質の発現カセットが、プロモーターと、 前記目的タンパク質をコードする核酸断片と、2個以上連結されたターミネ ーターとをこの順含む、発現システム。 

[2] 前記ターミネーターが2個連結されている請求項1に記載の発現システム。 

[3] 記ターミネーターの少なくとも1つが、シロイヌナズナ熱ショックタンパク質18.2遺伝子由来のターミネーターである、請求項1又は2に記載の発システム。 

[4] 遺伝子サイレンシン阻害因子の発現カセットを含む第3の核酸断片を更に備える、[1] ~ [3]のいずれかに記載の発現システム。 

[5] 前記遺伝子サイレンシング阻害因子が、トマトブッシースタントウイ ルスに由来する遺伝子サイレンシング阻害因子P19である、[4]に記載 の発現システム。 

[6] 前記第1酸断片、前記第2の核断片及び前記第3の断片が 、単一のベクターに含まれている、[4]又は[5]に記載の発現システム  

[7] T-DNA右側ボーダー列(RB)及T-DNA左側ボーダー配 列(L B)を更に備え、前記第1の核酸断片、前記第2の核酸断片及び前記 第3の核酸断片が、前記RBと前記LBとの間に存在する、[6] に記載の発現システム。 

[8] 前記ジェニウイルスが、インゲン黄斑萎縮ウイルスである、[1] ~ [7] のいずれかに記載の発現システム。 [9] 目的タパク質の製造方法であって、植物細胞に[1] ~ [8] のい ずれかに記載の発現システムを導入する程を備える、製造方法。 

[10] ジェミニウイルス由来のLIRと、ジミニウイルス由来のSIR と、前記LIRと前記SIRとの間に連結された発現カセットとを含む第1 核酸断片を含み、前記発現カセットが、プロモーターと、マルチクローニ ングサイトと2個以上連結されたターミネーターとをこの順に含む、発現ベクター。 

[11] 前記ターミネーターが2結されている、[10]に載の発現 ベクター。 

[12] 前記ターミネーターの少なくとも1つが、シロイヌナズナ熱ショクタンパク質18.2遺伝子由来のターミネーターである、[10]又は[ 11]に記載の発現ベクター。 

[13] ジェミニウイルス由来のRep/RepAタンパク質の発カセッ トを含第2の核酸断片を更に含む、[10] ~ [12] のいずれかに記載の発現ベクター。 

[14] 遺伝子サイレンング阻害因子の発現カセットを含む第3の核酸断 を更に含む、[10] ~ [13]のいずれかに記載の発現ベクター。 

[15] 前記遺伝子サイレンシング阻害因子がトマトブッシースタントイルスに由来する遺伝子サイレンシング阻害因子P19である、[14]記載の発現ベクター。 

[16] T-DNA右側ボーダー配列(RB)及びT-DNA左側ボーダー 列(LB)を更に備え、前記第1の核酸断前記第2の核酸断片及び前 記第3の核酸断片が、前記RBと前記LBとの間に存在する、[10] ~ [ 15] のいずれか一項に記載の発現ベクター。 

[17] 前記ェミニウイルスが、インゲン黄斑萎縮ウイルスである、[1 O] ~ [16] のいずれかに記載の発現ベクター。

効果

 本発明によれば、タバコ属以外の植物にも適用するとができ、タンパク質の発現量が高い発システムを提供することができる。

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特許情報

WO2018/220929

WOA1018220929-000000