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iPS細胞や幹細胞を活用した再生医療や、CO2排出削減・タンパク質不足等の課題から注目される培養肉市場において、細胞の維持・増殖にサイトカインなどのタンパク質需要が大きくなってきている。
従来、サイトカインなどのタンパク質を製造するためには大腸菌や動物由来細胞が広く使われてきた。
当記事では、コンタミや規制などの課題解決が期待される「植物からタンパク質を大量に生産できる技術」を紹介する。
植物由来のタンパク質は、大きく以下の工程で製造される。
①ベンサミアナタバコの栽培
②タバコの葉に対して目的タンパク質の増殖ベクター感染
③タンパク増殖後、抽出・精製
それぞれの様子を掲載する。
本技術を商業レベルに引き上げるため、2019年9月に科学技術振興機構(JST)の研究開発事業
「産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)-共創プラットフォーム育成型-」
に採択され、2021年度から本格実施フェーズに移行した筑波大学が進める「食の未来を拓く革新的先端技術の創出(食と先端技術共創コンソーシアム)」に参画。
筑波大学 三浦教授との共同研究により、特に前述の①ベンサミアナタバコの栽培効率を商業レベルにまで引き上げた。
OPERA本格実施フェーズは本年が最終年度であるものの、上市に向けて、本技術を活用し製造したタンパク質のテストマーケティングを開始した。
本技術は筑波大学 三浦教授により生み出された。
三浦教授:
「植物を用いるタンパク質生産において収量の低さが問題でしたが、本技術によって克服することが可能となりました。また、植物をプラットフォームにすることで、病原体などの混入の危険性を回避することができるとともに、植物を用いるということで持続可能性にも貢献しています。さらに、プラットフォームが大きく異なることから、これまで大腸菌などで作製が難しいとされるタンパク質も本技術により作製できる可能性があります。本技術により、バイオ技術の発展と社会実装につながるものと期待しています。」
本技術を活用して製造できるタンパク質群として、以下を確認している。