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今回はラボ専門整理収納アドバイザーが考える「片づけのモチベーションアップ」がテーマです。
やればいいのはわかっちゃいるけどなかなか片づけに取りかかれない。やる気になれない。そんなときに重い腰をあげさせてくれる方法ってあるのでしょうか?
ご期待に応えて簡単かつお金がかからない方法をいくつかご紹介します。
CONTENTS
片付けに関心があってもなくても「整理・整頓」の張り紙が部屋に貼ってあるのをじっと見るだけでは不十分です。風景化しているので脳への刺激作用が小さすぎ、トリガーにするには力不足です。
だから、片付けに関する記事を読むという、より強い刺激をあたえてみましょう。Lab BRAINSには整理収納に関する17の記事が載っています。
動画だと無限に見続けてしまうので、逆によくありません。片付けが始まってから横目で流し見するくらいがちょうどいいです。
両手をぶらぶらと10回振ってください。振りながら、周囲を見回して目の前にあるもの一つに意識を集中させましょう。目に留まったモノ=片付けなきゃと気になっているモノです。
手を振り終わったら、意識を集中させたものをゴミ箱に入れる(ただし他人のものは捨てないで)。まだ使うなら定位置に戻しましょう。
手が痛くなったら足でもやってみるといいでしょう。立ったまま両足いっぺんに振ったら倒れますので椅子に座ってやりましょう。これを毎日5回続ければ、だんだんモノが減ってきます。運動もできて一石二鳥です。
紙とペンを用意しましょう。この時点で、紙やペンを探すところから始まるのであれば、「やっぱり、これじゃ困るよね」と片づけが必要であることを自覚するきっかけになります。
紙がみつからなくてもペンが見つかったら、手の甲にマルを書いてみましょう。マルなんてありきたりでつまらないですか。それじゃ好きな素数でも円周率でもベンゼン環でも書いてください。
もし、すぐにインクが出ないとか、かすれているようだったら、ペンとしての役目は果たせなくなっている可能性が高いと思いますが、そのペンをどうしたいですか。
芯をとりかえれば使えるよね、と思った方。芯の買い置き、すぐに出てきますか。
書けないペンを何かに使えるかも、と思った方。別の用途を思いつく限りあげてみましょう。①ペンの軸をタバコがわりに吸うことで禁煙する。②人命救助に使って感謝状をもらう(倒れている人の気管に刺して・・・ドラマの見過ぎです)。
さらに5つ以上思いつくのであれば、散らかっていることで創造性が高まっている。もしかしたら片付けしないほうがいいかもしれません。
積み上がっている書類の中から紙を1枚とり、紙飛行機を折ります。
それをなるべく部屋の遠くまで飛ばしてみます。2枚目で2号機を折り、最初の飛行機とどのくらい違った飛び方・距離をしているか観察。3号機は飛行距離・滞空時間が伸びるよう改良を試みます。
これを飽きるまで繰り返す。飽きたら飛行機を古紙リサイクル袋へいれましょう。
ペン立てのうち80%にはペンだけではなくハサミ、定規や棒、しおり、使用済み単三電池やボタン電池のどれかが入っています。そしてペン立ての底には輪ゴムやステープラーの針、使用済みつまようじ、付箋紙、1円玉のどれかが落ちて、繊維を主成分としたホコリとともに混合物が形成されています。
ペン立てをひっくり返して中身を全部出し、何があるか観察してみましょう。ついでに、ぬらしたティッシュペーパーでペン立ての底や側面を拭きます。収納ボックスや文具引き出しで同様のことをやると、探していたものや忘れていたものを発見できます。
これからも使いたいモノだけペン立てに戻します。コインは財布や募金箱または賽銭箱に入れます。留学生からもらった名古屋城の貯金箱にいれてもいいでしょう。
家の中が散らかっているお家では、玄関付近にもモノがおいてあることが多いです。たとえば植物が枯れ果てた植木鉢、猛犬注意のステッカー付き犬小屋などがあります。
ラボや研究オフィスの場合も入り口を見ると中が想像できます。10年前から貼り替えされていない学会発表ポスターや、部屋の中が見えないよう目隠しがわりに貼られている変色した紙。セロファンテープの跡。それらを立ち止まってまじまじと観察します。
実験がうまくいき、面白いデータがでて、学会発表がうまくいき、つぎの科研費が取れ、特許が取れる、という、これをぺりぺりぺりっと剥がしたら起きるであろうバタフライ・エフェクトを想像してみます。
この上から完全にモノがなくなったら周りの人はどんなに驚くだろうかと想像してみる。転職する気と思われるか、それとも心を入れ替えてやっと片付ける気になったかと喜ばれるか。実験がうまく行ってご機嫌なんだねえと思われるか。
そんなことを想像しながら紙タオルでデスクの上を拭いてみましょう。モノが乗っていて拭ける範囲が狭いと、せっかくの紙タオルがもったいない。パソコンのモニターや照明器具の上にたまった埃をぬぐってから捨て、まだ余力があれば、ゴミ箱の中身を回収場所に持っていきましょう。
引き出しを一つ引き抜いてみる。虫の死骸が落ちていないか、異世界が広がっていないか、奥を覗いてみてください。引き出しに押しつけられていたモノがはりついていたら救出しましょう。上の引き出しから他人のものが不本意な越境をしていることもあるので、それをもとに戻してやると、上の引き出しの使用者から感謝されます。
収納の奥の床に落ちているもの。君たちはいつからそこにいたんだ
今回ご紹介した方法のどれかを実際にやってみたら、効果を実感すること間違いなしです。全部やったら人生変わるかもしれない。
もし「効果ないぞ」というクレームを送りたくなったら実施記録(日付、実施内容)を忘れずに添付お願いしますね。
モチベーションが上がらない原因の一つは、片づけが「楽しくないこと」「やらねばならないこと」だと思っているからではありませんか。もしそうなら、やる気を出そうと頑張るよりも、先に手を動かす方が楽に始められます。仕事に例えると、面倒な実験をやらなければいけないとき、必要なものをリストアップする、試薬のありかをメモしにラボに足を向ける。そういう小さな一歩を行動に移すとやる気(のようなもの)が後からついてきます。それだけでもうgood jobです。
いろいろ書いてきましたが、気持ちが落ち込んでどうしても動けないことはあると思います。そんなときは無理しないでください。ただ拙文を「なにをくだらないことを」と笑いの種にしていただければ幸いです。