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こんにちは!MIRA山本です!物凄い暑さ…のなかですが、6月、7月は年間を通じましても展示会の多い時期です!
この時期は企業としてはちょうど新たな世代を受け入れて落ち着いてくるころでもありますし、工場では比較的大型な装置になってくると、夏にじっくり検討をして秋に予算を申請して、冬に承認を得る、そして翌春に購入するといった企業が多い為と伺ったことがあります。もちろんものによってはもう少し小回りがきくものあったり、機械によってはより入念に時間をかけた検討があったりとバラバラですが、これは工場でも研究所でも同じようなことが言えるんじゃないかと思います。
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7月は東京ビッグサイトで開催されましたインターフェックスに行ってまいりました。もちろんこのサイトをご覧いただいている方にはお馴染みかもしれませんが、医薬品、化粧品、飲料などにおける生産、製造技術系機器の出展や同時開催している展示におきましては、バイオ医薬の研究開発、製造、分析機器、AI、原料・中間体などまさにラボオートメーションに関する展示が一斉に集合している展示会です。
ここ数年毎年参加していて、今年も最終日(おおよその展示会で週末最終日は一番入場者が多い)に行ってまいりましたが、今年は本当に久しぶりに盛況な展示会に戻っていたなと感じました。
一昨年、昨年とコロナの影響もあってかなり人もまばら、出展しようとしていた企業も見合わせるなどして休憩スペースの多い、歯抜けな印象が拭えなかった頃を考えるとこれはとても嬉しいことだと思います。オンライン展示などもこの間に広がりましたが、研究者の皆様もやはり機器、機械はリアルで触ってみたかったのではないでしょうか。
さて、私はというとラボラトリーにおける自動化、またはそれに関するロボット活用やAI活用ということで各機器、器具を見てまわっていました。もちろん純粋に各機器の内容、性能確認したり説明を受けるわけですが、プラスしてその際、以下のようなところを見て(聞いて)います。
(心的なところも伝えたいのでフランクに書きます)
・容器・機器類の形状、重さ、安定してるかな~
・機器の触り心地、動作方向…ロボでもやらせやすいかな~
・各機器操作時の力加減…すんごい重たかったり引っ張りにくかったりしないかな~
・装置の通信部分、接続性について…出来たら色々繋がりやすいと楽なんだけどな~
・装置の機器取り出し部分について…シンプルな構造だといいなぁ~
・操作性、PC連携、ユーザインターフェイス…どんな構造、階層になってるかな~
・前準備、仕込みにはどのようなものがあるのかな~
あとは自動化するにあたって簡易な改造、後付け出来そうかな(これはメカ的に)も気にして見ていたりします。
これまでは、このラボラトリーにおける機械は工場と比べると人の作業で完結する単体装置が多く、そのままでは自動化がしにくい工程も多くありました。人で次の工程に行って単体装置として扱えるのでそれで良い…というものです。なので各機器の通信、コマンドのやり取りの準備などは意識されていないものも多いですし、人は器用に取り外し、セットが出来ますので、細やかな形状、複雑な奥まったところへの投入、取り出しといったものも多くあったわけです。
そういった意味では、徐々にこのラボラトリーシーンでも各機器も自動化しやすい流れに合わさってきたものも一部出てきたのかなと思いました。サンプリングにおける受けとなるエッペンやバイアル、96ウェルプレートとの交換を用意にしているもの、サンプリング量がそもそも少なくて分析出来るように改良されたもの、APIを公開したもの、装置そのもののコンパクト化など改良されたものも見受けられました。(一方でまだまだ自動化するのに困難な要素があるものも多いなと思いました)
自動化する際、人の作業通りに行えるとは限りません。むしろそのままトレース出来るほうが少ないと思います。かわりに、「どのような機器でそろえたら」、「どのような消耗資材であれば」、「どのような移動・搬送系を作れば」、「どんな接続の仕方をさせれば」、「どんなレイアウトを組めれば」、「どこの、いつの部分の時間軸を変えれば」ということでアイデアを、発想を飛ばす作業が必要になってきます。
ほとんどこれにはYes、Noはなくってあらゆるシーンでのどうしよう?どうする?のアイデアと判断、もしくは細部でテストをして判断の繰り返し作業になります。
なので、ラボラトリーオートメーションにおけるシステムの構想は、正確なこれが正解というものもないのが特徴であり、それが難しくもあり面白くもあるところなのだと思います。面白いものを「見つけて」「組み合わせて」「作りあげていく」ことで、研究は進み、よりよい製品が速く実現できる、展示会を見て改めてラボラトリーオートメーションの価値の高さを実感するのでした。あとは…楽しくやっていきたいですね!
近年研究や実験作業におけるシーンでもロボット等を用いた「自動化」の流れが強くなってきていると感じています。
このシリーズでは、工場だけでなく研究所等の様々な作業のロボット導入・DX導入に携わってきた私、MIRAの山本が、ラボの自動化・ラボラトリーオートメーションをテーマに、ロボットやAIの活用について楽しく解説していきます。