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こんにちは!MIRA山本です。
この数年AIを搭載したロボットというもの、ロボットアプリケーションが大変賑わってきているのは周知の通りかと思います。ビッグサイトや幕張メッセなどで開催される大きなロボット関係の展示会やAI関係の展示会でもよく「ロボット×AI」ということで展示機を見かける機会も多くなりました。
今回の記事では、展示会に足を運んでいて私が感じている「リアル」について語ってみたいと思います。
CONTENTS
産業用ロボット、ないしは協働ロボットを主として、ロボットの機能に搭載されるのか、システムのアプリケーションとして使用されているのかなど色々なパターンがありますがとりあえず便宜的に「AIロボット」と呼ぶとして、使われ方をいくつか取り上げてみます。
1.不定形物のピッキング (形が定まらず、不安定な形状のもの)
2.柔軟物のピッキング (力加減の難しいもの)
3.3次元ピッキング (ランダムに重なっているもの)
4.外観検査、状態分析、不良品判定
5.ロボットの動作制御、軌道生成のためのAI
6.液体や粉体の秤量
7.複数の異なった形状物における把持
8.予兆保全
もちろんこれらはほんの一部に過ぎません。これらが単体で登場することもあれば複合的に使われる場合もあります。また、全然他にも活用のされ方がありますし、次々と思い浮かんでは試されて実装されて用途が拡大されてきています。AIという単語がにぎわってからロボットアプリケーションの進化速度も高まったような印象もあり、展示会を見るのも楽しくなってまいりました。
今や工場のものだけではないロボット。
こういったアプリケーションはかねてから出来たらいいな、やれたら便利だなというものばかりでしたのでいずれは確実に伸びていくところになると思います。
一方ですぐこのまま導入が出来るか…といえば結構その通りにはならないのも事実です。自動化をしていくにあたり知っておきたいこと、気にとめておきたいものがあります。今回はその中から主に6.液体や粉体の秤量について考えてみたいと思います。
アプリケーションによって異なりますが、例えば液体や粉体においては検査や秤量でノイズが多くつきやすい場合があります。液体であればものによって粘性が異なる、温度によって膨張しやすい、発泡性のものであれば比較的早い時間のなかで減少が発生してしまう。攪拌の際に泡立ちやすいものであった際に界面を見つけにくくなる…といったものがあげられます。そうなるとAIでもノイズの多いものとなるので頑張って精度をあげていくことも出きますが、課題残りが増えるかコストがあがってしまうか…といったことが考えられます。
粉体におきましては、秤量、搬送であればものによっては粒度が違い、ものによっては吸湿性がよいものについてダマになりやすい、はたまたものによっては静電気によって舞い散ってしまうことも考えられます。そうなると精度も落ちますし、多品種を扱うことでコンタミ(異物混入)リスクにもなります。特に装置の継続使用、メンテナンス性においても悪さをしてしまうことになります。
また粉体の秤量では結構求める精度が高いケースが多く、スプーンで掬うときの僅かな粒、塊だけで要求したい数値を前後してしまうことがあります。もとのスケールが大きいものであれば微調整がききやすいですが、その目が細やかなものについては難しく、人がフォローする形になる可能性も高いためまだまだ自動化における難易度が高い工程だなと実感しています。
例えば身近なところではよく塩などを秤量したいといったケースが出てきたりします。これもよく塊になってしまったり硬くなってしまったりして扱いが難しかったりしますが、使用する際に砕いておく、もしくは挽いておく、湿気が入らないようにするなどの工夫で多少使いやすくすることは出来ますのでちょっとひと手間ということで、仕込みの段階で人がフォローする、もしくはその段階から自動化させていくことで実現可能性が出てきます。
実はけっこう一筋縄ではいかない「塩」
これらについてはソフトウェアシミュレーションでも比較的反映させることが難しいところになります。この場合少しでも対象物側、及び環境を整えさせてあげることで多少なりとも緩和させることが出来ます。
ハンドリングの工夫だけでなく温度環境や湿度環境、除電、振動抑制…などなど、これらは使用するユーザーとなる方々でも装置を構想する際そういったところにもちょっと目を向けていただけるとスムーズな導入に繋がるのではないかと思います。
あとはどれくらいの頻度でその対象物を使いたいのかなどを鑑みまして、本当に全部やらなければならないのか、物によっては人と作業をシェアすることでも十分自動化として役目を果たせるものかもしれない…など、ロボットが入ったときを事前にイメージしてみるのもよいでしょう。
ロボットやAIで含み切れないところはまだまだ出てきます。いずれはこういったものも加味したテクノロジーが出てくるのかもしれませんが、現場感覚だともう少し時間がかかるのかなって思います。
ロボットやAIには人の想いや優しさがまだまだ必要です。ぜひよい伴奏で想いの込められた自動化が出来たらいいなって思います!
近年研究や実験作業におけるシーンでもロボット等を用いた「自動化」の流れが強くなってきていると感じています。
このシリーズでは、工場だけでなく研究所等の様々な作業のロボット導入・DX導入に携わってきた私、MIRAの山本が、ラボの自動化・ラボラトリーオートメーションをテーマに、ロボットやAIの活用について楽しく解説していきます。