#30 新カーボン素材の最前線!グラフェンメソスポンジ

2022.08.09

自動運転車、ドローン、空飛ぶ車、こうした新しいテクノロジーの開発には新素材は欠かせないものです。特にカーボン材料はその主役と言われており、カーボンファイバーやカーボンナノチューブはゴルフのシャフト、自動車の外装など身近なものにも多く使用されるようになりました。今回ご紹介する東北大学発ベンチャー、株式会社3DCはこれまでのカーボン材料をさらに進化させた、グラフェンメソスポンジ(GMS)という新たな素材の開発に成功しました。GMSの魅力や今後の展開について、その最前線をお伝えさせていただきます!

カーボン材料とは

カーボンファイバーやCFRP(炭素繊維強化プラスチック)などが一般的なカーボン素材ですが、もともとは釣竿やテニスラケットやゴルフクラブのシャフト等、スポーツレジャー用途から実用化が始まりました。

材料としての特性が非常に優れていることから、現在では航空宇宙の分野にも取り入れられ、そのほかにも医療・介護・福祉分野、産業用機器、自動車・バイク分野、建築関係、インテリア等、さらにはドローン等の先端技術分野にも積極的に採用されています。

電池におけるカーボン素材の役割

カーボン材料は電池の必須構成要素であり、活物質や導電助剤として広く利用されています。しかし、従来のカーボン材料において、多孔性(電気を貯める量に関係)と耐久性はトレードオフの関係にあり、これが電池の高性能化や次世代電池の実現の大きな障害となっていました。

求められる電池のブレークスルー

環境問題への関心から注目が高まるEV自動車ですが、環境にやさしいイメージがある一方で、「製造時に二酸化炭素を排出する」「バッテリーに不可欠なレアメタルは森林伐採を伴い、資源量にも限りがある」など、一部では資源消費における環境への影響を指摘する声もあります。

また、シェアリングエコノミーが主流となり自動車が個人の所有物からインフラとなる現代において、自動車一台あたりにおける走行距離の長さ重要ですが、現代のバッテリー性能はその社会の潮流に追いつけていません。

真にサステナブルな社会の実現には、電池の高性能化、言い換えると高寿命化と必要資源の削減が必要不可欠です。そのためには新素材を活用した次世代電池の実用化が必要不可欠です。

活路を拓く新カーボン素材GMS

3DCが開発するのは、グラフェンメソスポンジ(GMS)です。同社のCTO兼 東北大学材料科学高等研究所の西原教授による約15年にわたるカーボン素材の研究により、2016年にGMSの開発に成功。 西原教授は、Asian Scientist Magazineにて、「2020年アジアの科学者100人」に選出された、カーボン研究の第一人者としても知られている人物です。

3DC黒田代表(左)と西原教授(右)

従来の炭素原子がハチの巣のように六角形に結びつくグラフェン(※)は、極めてシンプルな構成がもたらす性能から実用化が大いに期待されましたが、耐久性や製造コストの課題から用途が非常に限られてきました。

一方GMSは、グラフェンと同様のほぼ炭素1原子分の厚みにかかわらず、スポンジのような三次元グラフェンとして多孔性に優れ、電極の性能を左右する比表面積はカーボンブラックよりもはるかに高く電池の高容量化を実現しています。

また、一般的なグラフェンよりも柔軟であるため、充放電に伴う激しい構造変化に対応する物理的耐久性にも優れています。製品用途によってスポンジ構造の緻密さなどを柔軟に変えることができ、さまざまな製品用途への応用が期待されています。

※グラフェンとは…炭素原子がハチの巣のような六角形に結びついている原子1個分の厚さのシートのこと

GMSの特徴

新カーボン材料GMSに興味のある方へ

GMSは次世代電池における課題を解決する新素材として、燃料電池や全個体電池をはじめ様々な用途での展開が期待されています。各用途を想定してすでに特許も複数取得しており、実用化に向けたパートナーも募集しております。

GMSの用途例と連携パートナー募集状況

GMSや3DCとの共同研究開発にご興味のある方、以下よりお気軽にご連絡ください!
3DCはともに世界にチャレンジする仲間を募集しています。

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